主要成果
台湾の半導体後工程大手ASEの子会社であるSPILは、米国アリゾナ州に後工程テストサービスの新施設を設立する最終計画段階に入っており、北米における半導体サプライチェーンの強化に貢献します。これに伴い、ASEグループは2026年の設備投資額を105億ドルに引き上げ、このうち40億ドルを新規工場・施設、65億ドルを設備投資に充てる予定です。この動きは、地政学的リスクの高まりと、米国政府による半導体製造能力の国内回帰支援策への対応と見られます。
技術・事業詳細
SPILはアリゾナ州の新施設で主に後工程テストサービスを提供し、米国における主要顧客の近くでサービス提供体制を構築します。一方、SPILは台湾国内でも先端パッケージング能力の拡張を積極的に進めており、特に斗六(Douliu)地区では、高度なCoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)パッケージング技術を導入する新工場建設が8月中旬に開始されました。これはAIチップなどの高性能半導体向けパッケージング需要の急増に対応するための戦略です。
また、同業のAmkor Technologyも米国アリゾナ州における拡張投資を当初の70億ドルから120億ドルへと大幅に増額しました。Amkorの新施設は2028年に生産を開始し、2030年までには完全に能力が確立される見込みです。これらの投資は、米国における先端半導体パッケージングエコシステムの構築に向けた主要OSAT企業のコミットメントを明確に示しています。
背景・業界文脈
近年、半導体製造プロセスの微細化が限界に近づく中で、高機能化の鍵となるのは、チップレット技術や3Dスタッキング、異種統合などの先端パッケージング技術です。AI、HPC(高性能コンピューティング)、自動車といった成長分野における需要が急増する中、これらの技術はますます重要性を増しています。米国は、自国の半導体製造基盤を強化するため、CHIPS法などの施策を通じて、国内での製造施設設立を積極的に推進しており、OSAT企業へのインセンティブも提供しています。
今後の展望
ASEとAmkorによる米国での大規模な後工程投資は、TSMCなど主要ファウンドリの米国工場建設と連携し、真の米国製半導体サプライチェーンの実現に向けた重要なステップとなります。これにより、地政学的なサプライチェーンリスクが軽減されるだけでなく、技術革新のスピードアップ、および高付加価値な半導体製品の国内生産能力強化が期待されます。OSAT企業間の競争は激化するものの、先端パッケージング技術への継続的な投資は、業界全体の成長を牽引するでしょう。
毎週の技術動向レポートを無料でお届け
各分野の分析レポートを読む価値があるかどうか一目で判断できるインフォグラフィックをメールで受け取れます。
📢 メールマガジンに無料登録(週刊・技術動向レポート)
ご登録いただくと、Troy-Technical から週刊で技術動向レポート(メールマガジン)をお届けします。
- 取得したメールアドレス・選択分野は配信目的にのみ使用します。
- 第三者へ提供することはありません。
- 配信はいつでも解除できます(各メール下部のリンクから)。
詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。
登録は1分・いつでも解除できます



