主要成果:パッケージサイズの巨大化と主流技術の予測
AIチップのトレンドはトランジスタレベルからパッケージングレベルへと移行しており、パッケージサイズがレティクル限界(露光装置で一度に描画できる最大面積)を大幅に超えて拡大しています。TrendForceの分析によると、技術的な成熟度と歩留まりの優位性から、TSMCのCoWoS-Lが2028年までAIチップ向け高度パッケージングの主流であり続ける見通しです。一方で、IntelのEMIB-Tなどの代替ソリューションがAIチップ顧客への導入を積極的に進めています。
技術詳細:CoWoS-LとEMIB-Tのアプローチ
TSMCのCoWoS-Lは、再配線層(RDL)に「ローカルシリコンインターコネクト(LSI)」と呼ばれる小さなシリコンダイを埋め込む構造を採用しています。LSIが高密度なダイ間接続(SoC間、SoC-チップレット間、SoC-HBM間)を担い、RDLが広範囲の信号・電力伝送を担うことで、コストと複雑さを抑えつつパッケージサイズの拡大を可能にしています。また、SoC直下に埋め込みディープトレンチキャパシタ(eDTC)を配置し、電力管理を向上させる構成も可能です。
対するIntelのEMIB-Tは、パッケージ基板に小さなシリコンブリッジを埋め込む手法です。最新のEMIB-Tではシリコンブリッジにシリコン貫通電極(TSV)を追加し、基板からチップへ電力を垂直に供給することで、電力経路の短縮と電力密度の向上を実現しています。ECTC 2026で提示された仕様では、第1層インターコネクトのバンプピッチを25マイクロメートルまで縮小し、パッケージサイズを120mm x 120mmまで拡大。レティクル面積の9倍以上の演算・メモリチップの統合をサポートし、12Gb/sのHBM4eや64Gb/sのUCIeなどの高速インターコネクトに対応しています。
背景:GPUおよびASICにおける統合密度の向上
パッケージの拡大はGPUだけでなくAI ASICにも波及しています。NvidiaのBlackwellはレティクル限界の約3.3倍の面積に達しており、次世代のRubinでは4倍になると予想されます。Rubin GPUは3,360億個のトランジスタを搭載し、HBM4の採用により最大288GBのメモリ容量と22TB/sのメモリ帯域幅を提供します。また、AMDの次世代MI455Xは8つの演算チップで構成され、72基のGPUを搭載するHeliosラックスケールシステムをターゲットとしています。クラウド事業者では、GoogleのTPU v7やAWSのTrainium v3などが2026年以降の展開を見せています。
今後の展望:量産スケジュールと採用動向
TSMCは2024年に3.5倍レティクルのCoWoS-Lを量産開始し、2025年の公開資料では5.5倍レティクルソリューションの認定を完了させ、2026年の量産開始を計画しています。Nvidia、AMD、Meta(MTIA 400)がすでにCoWoS-Lを採用しており、MicrosoftやAWSも2027年に採用すると予想されます。一方、IntelのEMIB-Tは、CoWoS-Lのコストやキャパシティを懸念するメーカーにとっての代替案となっており、Googleが2027年に採用し、AWSが技術テストを行う見込みです。
元記事: https://finance.biggo.com/news/4eb5b699-fd87-4922-8d26-0463a5d2360e
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