半導体ガラス基板|GISTが開発した低誘電率材料の特性とAIチップへの適用課題

Money Today (mt.co.kr) 韓国
概要
光州科学技術院(GIST)が、AI半導体向けの次世代ガラス基板用低誘電率材料技術を開発した。アルミノホウケイ酸ガラスの組成を最適化することで、信号損失の低減と熱安定性の向上を同時に実現している。これにより、従来の有機基板で課題となっていた熱による反りや信号減衰を抑制し、AI半導体の電力効率と性能を底上げすることが期待される。
詳細

主要成果

光州科学技術院(GIST)の高度光子技術研究センター(Advanced Photon Technology Research Institute)のKim Bok-hyunシニアリサーチフェローらのチームが、半導体ガラス基板向けの「低誘電率ガラス材料技術」を開発した。この技術は、AI半導体のパッケージングにおいて、従来のポリマーベースの有機基板を代替することを目的としており、信号伝送性能の向上と電力効率の改善を目指している。

技術・詳細

開発された材料は、二酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化アルミニウムを基本成分とするアルミノホウケイ酸ガラスであり、その組成と内部構造を最適化することで、半導体パッケージに特化した特性を持たせている。具体的には以下の物理的特性をバランスよく確保している。

  • 低誘電特性:誘電率(Dk)と誘電正接(Df)を低減し、10〜20ギガヘルツ(GHz)以上の高周波帯域における信号減衰と熱発生を抑制した。
  • 熱安定性と機械的強度:シリコンチップと同等の熱膨張特性を持たせることで、温度変化による基板の反りや接合部の亀裂を防止している。また、半導体製造における高温プロセスや微細加工、穴あけ工程に耐えうる強度を実現した。

既存のディスプレイ用ガラスを転用するのではなく、設計段階から高性能半導体パッケージング向けに組成を最適化した点が本研究の特徴である。

背景・業界の文脈

AI半導体では、複数のコンピューティングチップと高帯域幅メモリ(HBM)を単一パッケージに統合するため、パッケージの大型化と消費電力の増大が進行している。従来主流であった青や緑のプリント基板(PCB)などの有機基板は、高負荷時の熱によって基板が曲がる「反り(warpage)」の問題が発生しやすかった。また、表面の粗さによる微細配線の困難さや、データ伝送周波数の上昇に伴う信号減衰と発熱が、システム全体の性能を低下させるボトルネックとなっていた。

今後の展望

ガラス基板は、単なる電気的な特性向上にとどまらず、基板内部に光の経路を形成できるという利点を持つ。研究チームは今後、この技術を「光インターコネクト(optical interconnects)」へと拡張し、従来の銅配線による電力消費や損失を改善する方向で研究を進める計画である。

元記事: https://www.mt.co.kr/index.php/en/future/2026/10/25/2026101915054962909

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