主要成果
NVIDIAは、SEMICON West 2026において「次世代AIのための光統合」をテーマに、最新の光統合研究を披露しました。中心となるのは、光学エンジンをシリコンインターポーザ上に直接配置する「Optics-on-Interposer(OOI)」のプロトタイプと、高密度波長分割多重(DWDM)技術です。これらの技術により、AIコンピューティングにおけるデータ転送の効率化と帯域密度の向上が期待されます。
技術・詳細
OOI設計の最大の特徴は、光エンジンを従来の有機パッケージ基板から、コンピューティングチップを搭載するシリコンインターポーザへと移動させた点にあります。これにより、電気信号の経路から有機基板を排除し、より短く微細なピッチのインターポーザ接続を介して信号を伝送することが可能になります。結果として、帯域密度の向上と消費電力の削減が見込まれます。
また、1本の光ファイバーで伝送できるデータ容量を増やすDWDM技術についても実演が行われました。最大32 Gb/sで動作する8つの波長を組み合わせることで、1ファイバーあたり合計256 Gb/sの集約帯域を実現しています。
背景・業界の文脈
NVIDIAは研究段階の技術だけでなく、すでにCPOの商用生産にも着手しています。2026年5月には、Vera Rubinプラットフォーム向けに200Gb/s SerDesを統合した「Spectrum-X Ethernet Photonics」スイッチのフル生産開始を発表しました。この製品は、CoreWeave、Lambda、Oracle Cloud Infrastructureなどの企業が早期に採用しています。
製造エコシステムも構築されており、TSMCがシリコンフォトニクスの製造を担い、SPILがチップスケールのパッケージング、組み立て、テストを担当しています。また、TFCがレーザーダイのモジュール化と信頼性検証を行い、FoxconnがSpectrum-X Photonicsスイッチを完製品のネットワーキングシステムへと統合する体制を整えています。その他、外部レーザー光源モジュールではCoherent、Lumentum、住友電気工業が、光ファイバー等のコンポーネントではCorning、Senko、Browaveが、冷却および最終テストではFabrinetがパートナーとして名を連ねています。
今後の展望
OOIおよびDWDM技術は現在研究段階にあり、商用化のタイムラインは未定ですが、将来の製品への適用を評価しています。NVIDIAの研究者であるNikola Nedovic氏は、今後のAIシステム向け光インターコネクトの開発には、デバイスと回路設計のトレードオフのバランス、熱管理、およびパッケージングの課題解決が必要であると指摘しています。
今後の展開として、NVIDIAは「Kyber NVL1152」アーキテクチャへの光インターコネクトの拡張を計画しています。これにより、8つのラックを単一の1,152 GPU NVLinkドメインとして接続し、「Feynman」プラットフォームをサポートする予定です。なお、Feynmanの登場は2028年になると予想されています。
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