ContactGlove3 Pro|村田製作所とMELTが開発したロボット訓練用グローブの性能と課題

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概要
村田製作所とMELT Interface Technologiesが共同開発したハンドトラッキンググローブ「ContactGlove3 Pro」が、CEATEC AWARD 2026で優秀賞を受賞した。電磁界(EMF)センシングと村田製作所の超小型・高感度3軸低周波アンテナにより、外部カメラなしで指の精密な動きを3次元的に測定できる。熟練者の動作データを収集しロボットに学習させることで、複雑な操作タスクの自動化への貢献が期待される。
詳細

主要成果

村田製作所とMELT Interface Technologiesが共同開発した「ContactGlove3 Pro」は、人間の指の精密な動きをデジタルデータ化し、ロボットハンドの制御や訓練に活用できる先進的なハンドトラッキングシステムである。本製品は、ロボティクスやフィジカルAI応用のための貴重なデータ生成能力が評価され、「CEATEC AWARD 2026」において優秀賞を受賞した。

技術・詳細

本デバイスは、カメラベースのシステムとは異なり、電磁界(EMF)センシングを用いて指の動きを追跡する。村田製作所が提供する超小型・高感度な3軸低周波(LF)アンテナを指先に組み込むことで、視界の遮蔽や照明不足の影響を受けずに3次元的な位置と向きの測定を可能にした。このアンテナ技術により、従来のEMF方式グローブと同容量のバッテリーで約3倍の電力効率を実現している。

性能面では、以下の仕様を備えている。

  • 追跡精度:位置誤差の中央値0.5mm、最大誤差1.5mm(指定条件下)
  • 動作特性:動作周波数100Hz、遅延30ミリ秒以下
  • 測定範囲:指1本あたり6自由度の計30自由度を測定し、生体力学モデルを通じて25自由度を出力
  • バッテリー駆動時間:最大10時間

また、時間経過による追跡誤差の蓄積を防ぐ「ゼロドリフト技術」を採用しており、初回後の追加キャリブレーションを不要としている。Pro版では、標準版の「ContactGlove3」よりもセンサーを指先側に移動させており、小さな物をつまむ、あるいは道具を握るなどの繊細な動作の精密な測定が可能となった。

背景・業界の文脈

本技術の主目的は、熟練労働者の技術を保存し、手作業でのプログラミングが困難な複雑なタスクをロボットに学習させるためのデータセット構築にある。ソフトウェア面ではROS 2、C++、Python、Unity、Unreal Engine、MotionBuilderに対応したSDKが提供され、研究やモーションキャプチャーのワークフローへの統合が容易に設計されている。

一方で、産業環境における金属物体による電磁干渉が技術的課題として挙げられている。これに対しMELTは、電磁干渉を最大80%低減できるノイズ低減技術を開発した。また、物理的な制約として、現在のロボットハンドは人間の手のように手のひらを曲げることができないなどの機械的な限界が存在することも示されている。

今後の展望

「ContactGlove3 Pro」は米国において3,999ドルで販売される予定であり、2026年11月の提供開始が計画されている。村田製作所とMELTは2026年9月に業務提携を発表しており、今後はハンドトラッキング以外にも、村田製作所の圧電技術を活用した音声入力デバイスなど、新たなヒューマン・マシン・インターフェースの開発展開を計画している。

元記事: https://jp.ubergizmo.com/2026/10/25/27185/

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