鹿島建設|ダム基礎処理工の自動化技術、24時間連続施工による施工量と人員削減の効果

BUILT(ITmedia) 日本
概要
鹿島建設がダム基礎処理工のボーリングおよびグラウチング作業を自動化し、24時間連続施工を可能にする技術を開発した。秋田県の成瀬ダムでの実証により、日当たり施工量を50%向上させ、1サイクルあたりの作業人員を最大70%削減することに成功した。これにより、労働時間規制への対応と、狭隘空間における技能者の負担軽減、および施工効率の劇的な改善が実現する。
詳細

主要成果

鹿島建設は、ダム基礎処理工におけるボーリングとグラウチング(地盤改良のためにセメントミルクなどを注入する工法)の作業を自動化する技術を開発した。本技術を秋田県で施工中の成瀬ダム堤体打設工事の基礎処理工に適用した結果、従来工法と比較して日当たりの施工量を50%向上させ、1サイクルに関わる作業人員を最大70%削減した。また、休憩時間や交代時間中も無人で施工を継続できるため、24時間連続施工が可能となった。

技術・詳細

開発されたシステムは、主に以下の2つの自動化ユニットで構成されている。

  • 自動ボーリングマシン:ボーリングロッドの脱着を含む一連の削孔作業を自動化し、熟練技能者と同等以上の削孔速度を確保する。鹿島建設、ケミカルグラウト、日特建設、東亜利根ボーリングの4社で共同開発した。
  • 自動グラウチングシステム:水押し試験からセメントミルクの配合決定、製造、注入指示、運転管理、および注入後のプラントと配管の洗浄までを自動化する。管理室、中央プラント、原液希釈装置を備えた注入プラント、パッカー装置で構成され、鹿島建設、ケミカルグラウト、日特建設の3社で共同開発した。

安全面では、異常検知時に設備を自動停止させ、現場関係者へ自動的にアラートを通知する機能を備えている。成瀬ダムでの実証では、延長5500メートル以上の岩盤改良に適用し、累計1000回以上の自動注入を実施した。1ステージ(一般的に注入区間5メートル)の施工には準備・片付けを含め約15時間を要するが、これを中断せずに完結できることを確認している。

背景・業界の文脈

本技術の開発背景には、2024年4月から適用された時間外労働時間の上限規制がある。これにより、昼夜二交代制勤務の稼働時間が最大22時間から16時間へと短縮された。ダム基礎処理工は、ボーリングを中断すると孔壁が崩壊するリスクがあり、グラウチングを中断するとセメントミルクの固化による品質トラブルを招くため、作業の中断が極めて困難な特性を持つ。従来は休憩や交代時間を避けて作業開始時刻を調整していたため、施工効率の低下が課題となっていた。また、監査廊などの狭い空間で作業する技能者の身体的負担の軽減も急務となっていた。

今後の展望

無人施工の実現により、これまで制限されていた時間帯の活用が可能となり、施工期間の短縮が期待される。また、人手を介さずに施工を継続できるため、複数箇所での同時施工も可能となり、さらなる生産性の向上が見込まれる。

元記事: https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2610/28/news072.html

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