Moderna・MSDの個別化がんワクチン|メラノーマ再発リスク低減の性能と承認時期

pharmaphorum イギリス
概要
ModernaとMSDが開発中の個別化がんワクチン「intismeran autogene」が、切除後のメラノーマ患者において再発や死亡のリスクを大幅に低減させることが判明した。キードルダ(ペムブロリズマブ)単剤療法と比較して、24ヶ月時点での再発または死亡のリスクを42%抑制し、無再発生存率(RFS)は82.2%に達した。本成果は、mRNA技術を用いた個別化治療が標準治療を上回る臨床的意義を持つことを示す重要なマイルストーンとなる。
詳細

主要成果

ModernaとMSDが共同開発している個別化がんワクチン「intismeran autogene」と、MSDの免疫療法剤キードルダ(ペムブロリズマブ)の併用療法が、完全切除後のステージIIB-IVのメラノーマ患者において、顕著な治療効果を示した。第3相試験「INTerpath-001」の結果、併用療法はキードルダ単剤療法と比較して、24ヶ月時点での再発または死亡のリスクを42%低減させた(ハザード比 0.58)。

具体的な生存率データでは、24ヶ月時点の無再発生存率(RFS)が併用群で82.2%であったのに対し、対照群(キードルダ単剤)では70.0%であった。また、遠隔転移なし生存率(DMFS)においても、併用群が88.5%、単剤群が80.2%となり、38%の改善が確認された。これらの利益は試験に含まれる異なる患者グループ間で一貫して見られ、安全性データも先行研究と整合している。

技術・詳細

本ワクチンは、患者個々の腫瘍をサンプリングして固有の変異シグネチャーを特定し、最大34個のがんネオアンチゲン(健康な細胞には存在せず、腫瘍細胞にのみ現れる抗原)を特定して製造される。このmRNA技術を用いることで、患者一人ひとりの腫瘍に最適に適合した治療法の開発が可能となり、免疫系にがん細胞を攻撃させるよう促す仕組みとなっている。

背景・業界の文脈

本データは、スペインのマドリードで開催される欧州腫瘍学会(ESMO)での発表を予定していたが、データ漏洩(リーク)が発生したため、予定より早く公開されることとなった。このリークを受け、Modernaの株価は約18%下落し、MSDの株価もわずかに下落した。これは、RFSおよびDMFSの結果が中期試験でなされていた期待値をわずかに下回ったことや、8月の成果示唆後の株価上昇に対する修正局面であったことが要因と考えられる。

MSDの研究開発責任者であるDean Li氏は、本試験が標準治療であるキードルダに対し、RFSおよびDMFSにおいて臨床的に意味のある改善を実証した初の第3相試験であると述べており、免疫療法の登場以来、メラノーマ治療における最も重要な進展の一つであると評価している。

今後の展望

ModernaとMSDは現在、intismeran autogeneの販売承認申請の準備を進めており、早ければ来年にも承認される可能性がある。アナリストは、本剤が承認されれば単体で数十億ドルの売上を創出する可能性があると指摘している。また、この成果はModernaが推進するmRNAベースのがんワクチンパイプライン全体に道を開くものであり、現在進行中の肺がん、腎がん、膀胱がんなどの試験への波及効果が期待される。

元記事: https://pharmaphorum.com/news/esmo26-moderna-msd-reveal-cancer-jab-data-early-after-leak

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