主要成果
IDEAYA BiosciencesとJiangsu Hengrui Pharmaceuticalsが共同開発するIDE849(SHR-4849)の第1相試験において、再発小細胞肺がん(SCLC)および神経内分泌癌(NEC)に対する有望な抗腫瘍活性と予備的な全生存期間(OS)の結果が示されました。特に2次治療(2L)のSCLC患者(n=51)におけるOS中央値は17.4ヶ月に達し、2Lおよび3次治療以降(≥3L)を合わせたSCLC患者(n=101)ではOS中央値が14.7ヶ月となりました。
技術・詳細
IDE849は、delta-like ligand 3(DLL3)を標的とし、トポイソメラーゼI(TOP1)阻害剤をペイロードとして搭載したADCです。ESMO 2026で発表された詳細データ(投与量1.8 mg/kg以上、3週間間隔投与)は以下の通りです。
- SCLC(2L): 客観的奏効率(ORR)72.5%(37/51)、確認済みORR(cORR)60.8%(31/51)、無増悪生存期間(PFS)中央値6.9ヶ月。
- SCLC(2L + ≥3L): ORR 68.3%(69/101)、cORR 54.5%(55/101)、PFS中央値6.8ヶ月。
- 脳転移を有するSCLC: cORR 65.4%(17/26)であり、全26例で病勢コントロールが観察された。
- その他のNEC: ORR 52.6%(10/19)、cORR 36.8%(7/19)、PFS中央値7.0ヶ月、9ヶ月OS率は82.4%を記録した。
安全性に関しては、2.4 mg/kgの拡大コホートにおけるグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)の発現率は33.3%でした。試験全体(n=122)での治療中止率は2.5%、グレード3以上の間質性肺疾患(ILD)の発現率は0.8%でした。また、別のグローバル試験(2.4 mg/kgおよび3.5 mg/kg)では、グレード3以上のTRAE率はそれぞれ5%(1/20)と22.2%(4/18)となっています。
背景・業界の文脈
SCLCおよびNECは、治療選択肢が少なく、極めて高い未充足の医療ニーズが存在する領域です。特に胃腸膵神経内分泌癌(GEP-NEC)や大細胞神経内分泌癌(LC-NEC)などのNECサブタイプではDLL3が高発現していることが報告されています。市場規模の推計では、中国を除くグローバルな転移性GEP-NECの年間発症数は約40,000人、LC-NECは約30,000人とされており、主要市場である米国、EU5、日本においては、それぞれ約7,000人と8,000人と予測されています。
今後の展望
IDEAYAは米国FDAとのType Cミーティングを経て、広範なSCLC(ES-SCLC)およびNECを対象とした2つの第3相登録試験の開始を目指しています。また、複数の併用療法のデータ生成を継続しながら、1次治療(1L)のES-SCLCにおける第3相試験のデザインについても検討を進めています。今後は、Imdelltra投与後のSCLCや再発NECを含むグローバル臨床試験の有効性と安全性に関する更新データの提供が予定されています。
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