主要成果
Ascletis Pharmaは、肥満および代謝性疾患を治療するための週1回投与可能な経口ペプチド製剤において、長い半減期と優れた生物学的利用能(バイオアベイラビリティ)を示す前臨床データを発表した。特に、アミリン受容体ペプチド作動薬である「ASC36o」は、米国でPhase 1試験を開始しており、2026年末までに主要なヒト薬物動態(PK)データが得られる見込みである。非ヒト霊長類(NHP)を用いた定常状態の試験では、ASC36oは最大167時間(約7日)の半減期と、6%から8%の経口生物学的利用能を記録した。また、食事誘発性肥満(DIO)ラットを用いた比較試験では、eloralintideおよびpetrelintideに対し、それぞれ32%および91%高い体重減少効果を示した。
技術・詳細
同社のパイプラインの核心は、独自の「Peptide Oral Transport ENhancement Technology(POTENT)」にある。この技術は、胃と腸の両方からの吸収を促進することで経口生物学的利用能を高め、被験者内および被験者間の変動を低減させる。このプラットフォームにより、NHPにおける定常状態での経口生物学的利用能を10%以上に高め、半減期を最大約8.8日まで延長させることに成功した。
さらに、ASC36oを基盤とした、世界初となる週1回投与の経口ペプチド固定用量配合剤(FDC)を2種類開発している。
- ASC36_37o FDC:アミリン受容体、GLP-1R、GIPR、GCGRの4重作動薬
- ASC36_35o FDC:アミリン受容体、GLP-1R、GIPRの3重作動薬
NHPにおける試験では、単剤よりも配合剤の方が半減期が延長し、ASC36oの半減期は単剤の約7日から、ASC36_35oでは約8.8日、ASC36_37oでは約8.3日まで向上した。また、生物学的利用能も単剤の6%〜8%から、両配合剤ともに10%以上に上昇した。
背景・業界の文脈
現在の肥満治療薬市場では、注射剤から利便性の高い経口剤への移行が重要な課題となっている。Ascletisは、アミリン、GLP-1、GIP、GCGという検証済みの4つの標的すべてをカバーする、業界で最も包括的な週1回経口ペプチドパイプラインを構築したと主張している。これには、上述の配合剤のほか、GLP-1/GIP/GCGの3重作動薬「ASC37o」およびGLP-1/GIPの2重作動薬「ASC35o」も含まれる。これにより、経口剤で治療可能な患者層を大幅に拡大できる競争上の優位性を確保したとしている。
今後の展望
同社は、ASC36oのヒトPKデータの取得に加え、2026年第4四半期までに、残る4つの週1回経口ペプチドプログラムについて米国食品医薬品局(FDA)へ新薬臨床試験開始届(IND)を提出する予定である。POTENTプラットフォームによる吸収率の向上と変動の抑制、および独自の配合剤による性能改善を武器に、商業的に実現可能な週1回投与の経口ペプチド治療薬の実用化を目指す。
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