主要成果
FDAは、GSK社が開発したアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤「Hibsago(bepirovirsen)」を、核酸アナログ療法との併用による慢性B型肝炎(CHB)治療薬として承認した。本剤は優先審査および画期的治療薬指定(Breakthrough Therapy Designation)を受けている。承認対象は、少なくとも6ヶ月間の核酸アナログ療法を受け、ウイルスDNAが抑制され、かつFDA認定試験でHBsAg(B型肝炎表面抗原)レベルが3000 IU/ml以下である肝硬変のない成人患者である。
技術・詳細
bepirovirsenは、ウイルスRNAの産生を抑制することで血中のウイルス蛋白およびHBsAgを減少させ、免疫系の制御回復を促す設計となっている。最大の特徴は、従来の抗ウイルス薬の多くが不定期間の投与を必要とするのに対し、本剤は6ヶ月の限定的な投与コースで完了する点にある。また、初回投与後は患者による自己投与が可能という利便性も備えている。
承認の根拠となった29カ国での第III相試験(B-Well 1およびB-Well 2)の統合データでは、bepirovirsen投与群の19%(1220人中233人)が機能的治癒を達成した。対照的にプラセボ群(614人)では達成者はゼロであり、標準治療のみでの機能的治癒率が1年後で通常1%未満であることと比較して有意な結果となった。なお、機能的治癒は、全治療停止後少なくとも24週間、ウイルスDNAおよびHBsAgが検出不能である状態と定義される。また、ベースラインのHBsAgが1000 IU/ml以下の患者群(世界的な診断例の約45%に相当)では、機能的治癒率は26%(768人中200人)に達した。
背景・業界の文脈
今回の承認は、これまで主に希少疾患向けに商用化されていたアンチセンスオリゴヌクレオチドが、米国で約170万人、世界で2億4000万人以上が罹患する慢性感染症という巨大市場へ進出したことを意味する。このシフトにより、固相合成、精製、および分析能力の商業規模での実装が強く求められる。また、生涯にわたる維持投与ではなく「6ヶ月の限定コース」という特性から、需要予測の基準が「維持患者数」ではなく「新規治療開始患者数」に移行する。
今後の展望
製造面では、オリゴヌクレオチド特有の膨大な原材料消費が課題となる。GSKのプロセス化学者が主導した2021年の報告によると、開発段階の8つのプロセスにおける平均プロセス質量強度(PMI)は4299であり、低分子化合物の中央値(168〜308)を大幅に上回る。これは医薬品原薬1kgあたり約4300kgの原材料を消費することを意味し、特に脱トリチル化工程が合成段階の材料の約半分を消費する。また、数日を要する凍結乾燥工程が商業供給のボトルネックになると指摘されている。今後、同様のプログラムが進展することで、機敏な対応が可能なCDMOへの需要が高まると予想される。
元記事: https://www.pharmtech.com/view/fda-approves-bepirovirsen-why-oligonucleotide-cdmos-should-take-note
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