Ge/SiGe-AlN結晶|光通信E-band発光を実現する新成長モデルの正体

EE Times Japan 日本
概要
名古屋大学と韓国の共同研究グループが、Ge/SiGe-AlNコア−シェル結晶を用いて光通信のE-band(波長1360〜1460nm)での発光を確認した。Plateau-Rayleigh不安定性が関与する独自の「shell-first」成長モデルを提案し、構造解析によって実証している。これにより、性質の異なる半導体材料を組み合わせた新たな光・電子デバイスへの応用が期待される。
詳細

主要成果

名古屋大学、韓国電子通信研究院(ETRI)、国民大学校、国立韓国海洋大学校による日韓国際共同研究グループは、Ge(ゲルマニウム)/SiGe(シリコンゲルマニウム)系半導体とAlN(窒化アルミニウム)を組み合わせたコア−シェル結晶を形成し、これが光ファイバー通信で用いられるE-band(波長1360〜1460nm)で発光することを確認した。室温でのフォトルミネッセンス測定において、約1372nm、1377nm、1381nm、1392nmに発光ピークが観測された。

技術・詳細

本研究では、中心部のコアを異なる材料のシェルで取り囲む「コア−シェル結晶」の形成過程と光学特性の解明に取り組んだ。研究グループは電子顕微鏡観察およびX線CTを用いた構造解析を行い、内部が空洞の構造や、Ge/SiGe系材料が部分的に取り込まれた構造、および完全なコア−シェル構造など、多様な結晶形態を特定した。

これらの解析結果に基づき、研究グループは「shell-first」成長モデルを提案している。これは、従来のコアが先に形成されるプロセスとは異なり、AlNを含むシェル状構造が先に形成され、その内部にGe/SiGe系材料が取り込まれるというメカニズムである。この特異な成長機構には、流体などの不安定性を示すPlateau-Rayleigh不安定性が関与していると考えられている。

背景・業界の文脈

光通信分野において、特定の波長帯で効率的に発光する材料の確保は極めて重要である。特にE-bandは光ファイバー通信の重要な帯域であり、ここに適合する発光材料の開発は通信容量の拡大やデバイスの高度化に直結する。性質の異なる半導体材料を組み合わせるコア−シェル構造は、次世代の光・電子デバイスへの応用が期待されているが、これまでその形成過程や光学的な特性については十分に解明されていなかった。

今後の展望

今回の研究により、Ge/SiGe-AlNコア−シェル結晶がE-bandで発光することが実証され、同時にそれを実現する「shell-first」という新たな成長モデルが提示された。この知見は、材料の組み合わせや成長プロセスの制御を通じて、特定の波長帯で動作する高効率な光デバイスを設計するための基礎的な指針になると考えられる。

元記事: https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2610/21/news028.html

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