主要成果
CelesticaがOCP Global Summitで発表した「DS6005」は、102.4Tbpsのスイッチング容量と64個の1.6TbE光学ポートを、1.5OUのコンパクトな筐体に凝縮したデータセンター向けスイッチです。本機はOpen Rack v3(ORv3)向けに設計されており、冷却方式には完全液冷を採用しています。AIおよび機械学習(ML)のインフラストラクチャにおける帯域幅需要の増大に応えるため、電力効率の向上と熱管理の最適化を追求した構成となっています。
技術・詳細
本製品の核となるのは、Broadcom製のCPO版スイッチASIC「Tomahawk 6 Davisson」です。CPO(Co-Packaged Optics)技術により、光学エンジンをスイッチパッケージ上に直接統合しています。これにより、従来のプラグ可能なトランシーバーで必要だった個別のデジタル信号処理(DSP)や、ASICからモジュール間の長い銅線配線を排除し、リンクレベルの消費電力と遅延を削減しています。
光学系の構成については、以下の仕様となっています。
- 前面パネルに16個のELSFP外部レーザーモジュールを搭載し、フィールドでの交換が可能。これによりレーザー故障時にスイッチ全体を停止させることなく修理が行えます。
- 64個の1.6TbEポートは、16個のMMC-16ファイバーコネクタに集約されています。
ハードウェア面では、AMD Ryzen x86ホストCPU、BMC、TPM 2.0、ハードウェアルートオブトラスト、およびポスト量子暗号(PQC)サポートを搭載しています。また、タイミングハードウェアとしてIEEE 1588およびSyncEに対応しています。OSにはSONiCを採用し、インストールにはONIEを使用します。
背景・業界の文脈
AIインフラの拡大に伴い、帯域幅への需要が前例のないレベルに達する一方で、電力、熱管理、遅延、到達距離が重要な制約となっています。DS6005が採用するORv3-HPR(OCP高電力ラック)向けの設計では、背面パネルに冷却液のクイックディスコネクトと、46〜56V DC(76A)の入力端子を備えています。液冷の採用によりスイッチ温度を安定させ、サーマルスロットリングを防止することで、ラックの高密度化と信頼性の向上を図っています。
今後の展望
BroadcomのManish Mehta氏は、今回のパートナーシップがシリコン、光学エンジン、パッケージング、熱設計、製造、システム統合に及ぶものであると述べています。また、Dell’Oro GroupのSameh Boujelbene氏は、エコシステムの成熟に伴い、プラグ型、ニアパッケージ型、共パッケージ型(CPO)の光学技術が共存することになると指摘しています。なお、DS6005の具体的なサンプル提供日や出荷日、詳細な消費電力および遅延の数値については、現時点では公開されていません。
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