CAMOLE-1|Calicoが開発したMLプラットフォームによるMMP12阻害剤の最適化

bioRxiv アメリカ
概要
Calico Life Sciencesが、機械学習プラットフォーム「CAMOLE-1」を用いて、強力かつ選択的なMMP12阻害剤の設計と最適化に成功しました。全原子拡散モデル(all-atom diffusion model)を活用し、約1年で270個のペプチドを合成することで、非天然アミノ酸を含む高活性な阻害剤を導き出しています。これまで治療薬開発が困難であったマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)という標的に対し、ML主導でリードペプチドまで最適化させた初の事例となります。
詳細

主要成果

Calico Life Sciencesは、機械学習(ML)プラットフォーム「CAMOLE-1」を用いて、マトリックスメタロプロテアーゼ12(MMP12)に対する強力かつ選択的なペプチド阻害剤を設計・最適化しました。本研究では、約1年の期間で270個のペプチドを合成し、初期のヒット化合物から薬物動態特性を改善したリードペプチドへと最適化させることに成功しています。特に、予測された構造が実験的に決定されたペプチド結合結晶構造と高い忠実度を示したことが確認されました。

技術・詳細

CAMOLE-1は、de novo(新規)ペプチド阻害剤設計のためのMLプラットフォームです。本プラットフォームの核心となるのは「全原子拡散モデル(all-atom diffusion model)」であり、これにより非天然アミノ酸を含む非標準的なペプチドの迅速な探索と最適化が可能になりました。開発プロセスは以下のステップで構成されています。

  • 標準的なアミノ酸ベースの設計から開始し、MMP12ペプチド阻害剤を特定。
  • 全原子拡散モデルを用いて予測構造を決定し、活性(potency)を向上させる最適化を実施。
  • 物理ベースの計算フィルタリングと生化学的テストを統合し、設計サイクルを高速化。

このアプローチにより、単なるヒット化合物の発見に留まらず、選択性と活性、および薬物動態特性を向上させたリードペプチドの開発までを反復的に推進しました。

背景・業界の文脈

ペプチド治療薬は、低毒性と高活性を両立できる新たなモダリティとして注目されており、MLによる最適化に適した特性を持っています。一方で、標的となったマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)クラスは、これまで治療薬の開発が本質的に困難であった領域です。従来の設計手法では、選択性の確保や活性の最適化に多大な時間を要していましたが、MLを導入することでこのプロセスを大幅に加速させています。

今後の展望

本研究は、ML技術を用いてペプチド阻害剤の設計を初期段階からリード化合物の開発まで一貫して駆動させた初めての取り組みであるとされています。CAMOLE-1のようなプラットフォームによる設計手法は、今後のペプチド治療薬開発における強力なツールとなり、これまで困難だった標的に対する新薬創出を加速させることが期待されます。

元記事: https://www.biorxiv.org/content/10.64898/2026.10.21.755545v1

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