主要成果
Zymeworks社は、ESMO Congress 2026において、FRα(葉酸受容体アルファ)を標的とした抗体薬物複合体(ADC)である「ZW191」の第1相試験における用量最適化パートのデータを発表した。プラチナ耐性卵巣がん(PROC)患者を対象とした試験において、ZW191は強力な抗腫瘍活性を示し、特に6.4 mg/kg投与群の高グレード漿液性がん患者では、確認客観的奏効率(cORR)64.5%、疾患制御率100%という結果を記録した。また、9.6 mg/kg投与群においてもcORR 55.3%、疾患制御率92.1%であった。
技術・詳細
本解析は、3週間に一度の投与を受けたPROC患者80名(6.4 mg/kg群:37名、9.6 mg/kg群:43名)を対象に行われた。患者は中央値4ラインの治療歴を持つ重度の前治療歴があり、45%は5ライン以上の治療を受けていた。FRαの発現レベル(低/陰性:0%–24%、中間:25%–74%、高:75%–100%)別のcORRは、高発現で69.2%、中間発現で50.0%、低/陰性発現で55.0%となり、発現量に関わらず有意な活性が確認された。
奏効の持続性についても、中央値7か月の追跡期間において、いずれの用量群でも奏効持続期間の中央値には達していない。6か月無増悪生存(PFS)率は両群ともに61%であり、高グレード漿液性PROC患者におけるPFS中央値は、6.4 mg/kg群で7.9か月、9.6 mg/kg群で9.8か月であった。
安全性に関しては、6.4 mg/kg群の方が良好な耐容性を示した。グレード3以上の治療関連有害事象の発生率は、6.4 mg/kg群の22%に対し、9.6 mg/kg群では44%であった。また、有害事象による用量減少は6.4 mg/kg群で5%、9.6 mg/kg群で33%であり、投与中止はそれぞれ14%と19%であった。なお、いずれの群でも治療関連有害事象による死亡は報告されていない。
背景・業界の文脈
プラチナ耐性卵巣がんは治療選択肢が限られており、極めて困難な疾患とされる。既存のFRα標的療法があるものの、標的となる受容体の発現レベルによって適応が制限される課題があった。ZW191は、FRα低発現または陰性の患者においても意味のある奏効を示したことで、既存治療の適応外となる患者層へ治療機会を拡大できる可能性がある。
今後の展望
Zymeworks社は、特に6.4 mg/kg投与における良好な耐容性と高い奏効率に基づき、今後の臨床開発における用量選択の指針を得たと述べている。同社は、パートナーシップまたは戦略的提携を通じて、ZW191の臨床開発を継続的に推進する方針である。
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