Veoliaと住友化学|プラスチック資源循環モデル事業の仕組みと資源利用率の向上策

Chemical Engineering アメリカ
概要
Veolia Jenets K.K.と住友化学が、環境省の「令和8年度プラスチック資源循環モデル事業」に採択された。マテリアルリサイクル(MR)とケミカルリサイクル(CR)を組み合わせることで、プラスチック容器包装の資源利用率を約80%まで引き上げることを目指す。これにより、従来はエネルギー回収に回されていたMRの残渣を化学原料として再利用することが可能になる。
詳細

主要成果

Veolia Jenets K.K.と住友化学は、日本の環境省が主導する「令和8年度プラスチック資源循環モデル事業」への参画が決定した。本プロジェクトの核心は、マテリアルリサイクル(MR)とケミカルリサイクル(CR)を統合的に運用することで、プラスチック容器包装の資源利用率および化学原料への転換率を向上させることにある。このハイブリッドアプローチにより、回収されたプラスチック容器包装の資源利用率を、従来のMR単独では約50%であったところから、約80%まで向上させる計画である。

技術・詳細

本事業では、MRとCRの役割分担を明確にした連携体制を構築する。Veoliaは、廃棄物管理、選別、資源回収の知見を活かし、MRに適した素材の効率的な利用を推進する。同時に、MRでは処理が困難なプラスチックをCRへ供給するための選別・供給スキームを開発し、資源の付加価値を高める役割を担う。

一方、住友化学は、Veoliaから供給されるプラスチック由来の熱分解油を、基礎化学品であるエチレンやプロピレンへと効率的に転換するCR技術を適用する。このプロセスでは、現在開発中の独自触媒を用いる計画である。これにより、従来は主にエネルギー回収(サーマルリカバリー)に利用されていたMR工程の残渣を、化石燃料由来のバージン製品と同等の品質を持つ化学原料へとリサイクルすることが可能になる。

背景・業界の文脈

日本の「容器包装リサイクル法」に基づき回収されるプラスチック容器包装は、これまでリサイクル事業者がMRまたはCRのいずれか単一の手法で処理してきた。しかし、素材組成の違いや汚れ、複合素材の使用などが障壁となり、効率的な利用が困難なケースが多く、MRのみでのリサイクル率は約50%に留まっていた。こうした課題を解決するため、令和9年度からはMR事業者とCR事業者が共同グループを形成し、異なるリサイクル手法を組み合わせることで品質と歩留まりを向上させるシステムが導入される。今回のモデル事業は、この新システムの普及を促進することを目的としている。

今後の展望

Veoliaと住友化学は、本モデル事業を通じて得られた知見や検証結果を活用し、自治体、リサイクル事業者、製品メーカー、顧客など、幅広いステークホルダーとの連携を強化する。最終的には、資源循環スキームとCR技術の実装を実現し、循環型社会の構築に寄与することを目指している。

元記事: https://www.chemengonline.com/veolia-and-sumitomo-chemical-join-japans-plastic-resource-circulation-model-project/

毎週の技術動向レポートを無料でお届け

各分野の分析レポートを読む価値があるかどうか一目で判断できるインフォグラフィックをメールで受け取れます。

📢 メールマガジンに無料登録(週刊・技術動向レポート)

ご登録いただくと、Troy-Technical から週刊で技術動向レポート(メールマガジン)をお届けします。

  • 取得したメールアドレス・選択分野は配信目的にのみ使用します。
  • 第三者へ提供することはありません。
  • 配信はいつでも解除できます(各メール下部のリンクから)。

詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。

登録は1分・いつでも解除できます

この記事は Troy-Technical が公開しています。素材メーカーで技術開発に携わってきた技術者が、個人で運営しているサイトです。
運営者について / お問い合わせ info@troy-technical.jp
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次