主要成果
PsiQuantumは、AIデータセンターの接続性向上を目的とした8×8の光回路スイッチ(OCS)のデモンストレーション機を公開しました。このデバイスは、同社が実用的規模の量子コンピューティングに向けて開発してきた低損失シリコンフォトニクスプラットフォームに基づいて構築されています。社内テストでは、光学増幅を用いずに、挿入損失1.2 dB、クロストーク性能40 dB、再構成時間3ミリ秒未満という、当初の目標値を上回る性能を記録しました。
技術・詳細
本技術の核となるのは、同社が約10年をかけて開発してきたシリコンフォトニクスプラットフォームです。光回路スイッチ(OCS)は、光信号の経路を物理的に切り替えることで、データセンター内のコンピューティングリソース間の接続を効率化する技術です。今回のデモンストレーション機は8×8のラディクス(接続数)を備えています。
また、同社は300mmウェハー規模でのチタン酸バリウム(BTO)統合技術も開発しており、自社の量子システムでは64×64のBTOスイッチを使用しています。今回のデモンストレーション機および初期製品にBTOは必須ではありませんが、将来的にさらに高速で高度な製品を実現するための拡張パスとして保持されています。
背景・業界の文脈
AIシステムの規模拡大速度がコンピューティングインフラの整備速度を上回っており、大規模な計算リソース間を効率的に接続するネットワークが根本的な制約となっています。このため、より高速で効率的なスケーラビリティを提供できる光学技術への移行が業界の潮流となっています。
PsiQuantumは、耐故障性量子コンピューティングに求められる極めて厳しい性能要件を追求してきました。同社は、AIインフラと量子コンピューティングを補完的な関係と捉えています。効率的なAIインフラが量子システムの開発と運用を加速させ、一方で量子コンピューティング向けの技術進展がAIインフラのボトルネックを取り除くという相乗効果を狙っています。
今後の展望
PsiQuantumは現在、選定した潜在顧客にデモンストレーション機のサンプルを提供しており、数ヶ月以内に商用製品を発表する計画です。また、2026年9月には米国商務省と正式文書を締結し、高性能光スイッチを含む重要コンポーネントの研究開発、国内製造可能性、および性能の向上を加速させる体制を整えています。同社は、AIインフラへの技術提供を並行して進めながら、最終目標である世界初の有用な耐故障性量子コンピューターの構築と展開を継続します。
元記事: https://thequantuminsider.com/2026/10/28/psiquantum-optical-circuit-switch-ai-data-centers/
毎週の技術動向レポートを無料でお届け
各分野の分析レポートを読む価値があるかどうか一目で判断できるインフォグラフィックをメールで受け取れます。
📢 メールマガジンに無料登録(週刊・技術動向レポート)
ご登録いただくと、Troy-Technical から週刊で技術動向レポート(メールマガジン)をお届けします。
- 取得したメールアドレス・選択分野は配信目的にのみ使用します。
- 第三者へ提供することはありません。
- 配信はいつでも解除できます(各メール下部のリンクから)。
詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。
登録は1分・いつでも解除できます



