主要成果
NTT、ジャパンセミコンダクター(JSC)、古河電気工業、新光電気工業の4社は、光チップレットの量産ラインを2028年をめどにJSC岩手事業所に設置する。年産能力はまず1万台から開始し、2031年に10万台、2033年には100万台まで拡大させ、世界シェア3割の獲得を目標に掲げる。本プロジェクトは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の先端半導体国内設計・製造支援の公募事業に採択されており、ステージゲート審査までの総事業費240億円のうち、約160億円の補助を受ける。
技術・詳細
光チップレットは、CPUやGPUなどの半導体パッケージ間におけるデータ伝送を、従来の電気信号から光信号に置き換えて接続を光配線化する技術である。具体的には、以下の技術的アプローチと目標性能を追求する。
- メンブレン(薄膜)デバイス:小型化を実現するため、シリコンフォトニクス基板上に薄膜状のインジウムリン(InP)を集積させる独自手法を採用し、高効率な光電融合装置を生産する。
- 性能目標:量産時の送信速度を1秒当たり400ギガビット以上にし、消費電力をデータ量1ビット当たり2ピコジュール以下に抑える。
- 生産性の向上:量産ラインの設置により、研究開発段階と比較して10倍以上の生産性向上を目指す。
役割分担として、JSCが薄膜集積用のシリコンウエハー技術を担い、古河電工がウエハー上の薄膜関連技術を、NTTイノベーティブデバイスとJSCが後段配線(BEOL)の実装および検査技術を、新光電気工業が半導体パッケージへの組み立てをそれぞれ担当する。
背景・業界の文脈
AIの普及によりGPU間でやり取りされるデータ量は飛躍的に増加している。電気信号による通信では、大容量化に伴って回路基板上の伝送距離が延びると消費電力が急増する課題がある。一方、光通信は伝送距離が延びても消費電力の増加を抑制でき、かつ高速通信が可能である。現在、米エヌビディアなどの海外IT大手が光電融合分野で存在感を強めており、日本側には性能のみならず、安定供給と低コストを実現する量産技術の迅速な確立が求められている。
今後の展望
NTTは2023年にデータセンター間やサーバー間を光化するIOWNの第1世代を商用化し、2025年にはボード間接続を光化する第2世代の光電融合スイッチを発表した。最終的には2030年代に、IOWNによって消費電力を従来比100分の1にするという目標を掲げている。今回の光チップレット量産化は、このロードマップにおける重要なステップとなる。
元記事: https://newswitch.jp/p/50593
毎週の技術動向レポートを無料でお届け
各分野の分析レポートを読む価値があるかどうか一目で判断できるインフォグラフィックをメールで受け取れます。
📢 メールマガジンに無料登録(週刊・技術動向レポート)
ご登録いただくと、Troy-Technical から週刊で技術動向レポート(メールマガジン)をお届けします。
- 取得したメールアドレス・選択分野は配信目的にのみ使用します。
- 第三者へ提供することはありません。
- 配信はいつでも解除できます(各メール下部のリンクから)。
詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。
登録は1分・いつでも解除できます



