主要成果
世界最大のEVバッテリーメーカーであるCATLは、全固体電池の開発において重要なマイルストーンを達成し、20 Ahセルの試作段階に入ったことを発表しました。同社はエネルギー密度500 Wh/kgの実現を目標に掲げており、2027年からの小規模生産開始、そして2030年頃の本格的な量産化を目指しています。
技術・詳細
CATLが採用しているのは、硫化物系固体電解質システムです。このシステムは高いイオン伝導性と変形性を備えていることが特徴ですが、固体成分間の安定した接触を維持することが技術的な課題となっています。
全固体電池は、従来のリチウムイオン電池や半固体電池とは異なり、リチウムイオンを伝導させるために液体ではなく固体電解質を使用します。これにより、安全性、効率性の向上、およびコスト削減が期待されています。なお、CATLのCEOであるRobin Zeng氏は、全固体電池の開発レベルを1から9の段階で評価した場合、現在は「レベル4」に達したとしています。
背景・業界の文脈
EVバッテリー市場においてCATLは圧倒的なシェアを誇っており、SNE Researchのデータによれば、2026年上半期時点で世界市場の39.9%を保持しています。同社は競争力を維持するため、全固体電池のほか、ナトリウムイオン電池などの次世代化学組成の開発に注力しています。
業界全体では、2027年前後を一つの転換点とする動きが加速しています。
- トヨタ:2027年または2028年に全固体電池搭載EVの投入を目指しており、航続距離1,200 km(745 miles)、充電時間10分未満というプロトタイプを公開しています。
- Samsung SDI:2027年後半に「SolidStack」全固体電池の量産開始を計画しています。
- BYD:2027年に初の全固体電池搭載車両の投入を計画しており、硫化物系全固体電池を2027年に限定生産、2030年までに量産化する方針です。
今後の展望
全固体電池は「究極の技術」と称されますが、CATLやBYDなどは、並行してリン酸鉄リチウム(LFP)やナトリウムイオン電池の開発も進めています。例えばBYDの第2世代ブレードLFPバッテリーは、すでにCLTC基準で1,000 km以上の航続距離を実現しています。今後、多様なバッテリー化学組成が進化することで、EVの航続距離、充電速度、パフォーマンスはさらに最適化されていく見通しです。
元記事: https://electrek.co/2026/10/28/catl-pushes-ahead-20-ah-solid-state-ev-batteries-500-wh-kg/
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