主要成果
善仁(浙江)新材料科技有限公司は、無圧焼結銀ペースト「AS9378X5」シリーズの実測データを公開し、焼結体の本質的な熱伝導率が326.75W/m·Kに達したことを発表した。これは中国国内の無圧焼結銀分野における性能記録を更新する数値であり、ハイエンド焼結銀材料として国際的な第一梯隊(トップレベル)に到達したことを意味する。これにより、輸入同等製品の直接的な代替が可能となった。
技術・詳細
今回の性能検証は、TPS瞬態平面熱源法(Hot Disk)を用い、50mm×50mmの純銅基板を用いたサンドイッチ構造で実施された。得られた主要な技術データは以下の通りである。
- 熱特性:熱伝導率が320W/m·Kを突破し、熱拡散係数は69.1mm²/sを記録した。
- 構造特性:焼結体の空隙率は3%以内に制御されており、緻密度は純銀の塊状レベルにまで近づいている。
- 機械的特性:焼結接合部の剪断強度は35MPaを超え、-55℃から175℃という広範な温度域での熱サイクル衝撃に耐えうる。これにより、車載グレードのパワーデバイスに求められる高信頼性を充足している。
- プロセス適応性:連続印刷8時間における粘度変動は8%未満に抑えられており、印刷ラインの端面が整然として厚みが均一であるため、大規模量産ラインでの安定生産に適している。
本製品の最大の特徴は「無圧焼結」特性にある。従来の有圧焼結銀ペーストは緻密化のために外部からの加圧が必要であったが、AS9378X5は標準的なリフロー炉の工程条件下で緻密化焼結が完了する。加圧設備が不要となるため、パッケージングラインへの設備投資額と工程のハードルを大幅に低減できる。特に、大サイズのSiC(シリコンカーバイド)パワーチップやIGBTモジュールの低応力封止において、薄型チップやセラミック基板への応力損傷を回避し、デバイスの歩留まりと長期信頼性を向上させることが可能となる。
背景・業界の文脈
第3世代半導体の核心的な封止材料として、焼結銀層の導熱能力はチップの放熱効率と寿命を直接的に決定づけるため、高導熱な無圧焼結銀はパワーパッケージの標準的な核心材料となっている。しかし、これまでハイエンドな無圧焼結銀材料は海外メーカーによる独占状態にあり、価格の高騰と納期の長さが、中国国内のパワー半導体産業におけるコスト管理と自主的な発展の制約となっていた。
今後の展望
AS9378X5シリーズはすでにIATF16949自動車品質管理システム認証を取得しており、車載グレードの量産供給能力を備えている。現在は長三角地域の複数のパワー半導体封止企業へ量産供給されており、用途は電気自動車(EV)の電駆コントローラー、光伏・蓄電インバーター、5G射频功放(RFパワーアンプ)モジュール、産業用電源などのハイエンド分野に広がっている。新エネルギー車とAI計算産業の需要増を背景に、国産焼結銀材料の技術向上と生産能力の拡大は、サプライチェーンのコスト削減と効率化を推進し、第3世代半導体封止材料の国産化とハイエンド化を加速させると期待される。
元記事: https://news.cnpowder.com.cn/91931.html
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