LonzaとEntropicが共同開発:96ウェル対応3Dヒト皮膚オルガノイドモデルで皮膚バリア機能・損傷スクリーニングを加速

Scientist.com (Lonza貢献) スイス
概要
LonzaとEntropic社は共同で、96ウェルプレートに対応したスケーラブルな3Dヒト皮膚オルガノイドモデルを開発し、皮膚バリア機能および損傷スクリーニングの効率を大幅に向上させました。ZYRALIX™プラットフォームを活用したこのモデルは、自己組織化する皮膚オルガノイドの迅速な生成を可能にし、構造的成熟度とバリア関連機能を示します。これにより、従来の2D培養や既存の高度な皮膚モデルとのギャップを埋め、開発初期段階での薬剤や製品候補のハイスループットスクリーニングを実現し、皮膚科学研究と製品開発を加速させることが期待されます。
詳細

主要成果

LonzaとEntropic社の共同開発による96ウェルプレート対応の3Dヒト皮膚オルガノイドモデルが、皮膚バリア機能と損傷スクリーニングを画期的に加速させることが明らかになりました。ZYRALIX™プラットフォームを用いて迅速に生成されるこの自己組織化型皮膚オルガノイドは、in vivoの皮膚構造とバリア機能を高精度で模倣し、従来のモデルでは困難であった早期段階でのハイスループットスクリーニングを可能にします。この技術は、皮膚科学研究、創薬、そして化粧品・化学製品開発において、時間とコストを大幅に削減する可能性を秘めています。

技術・臨床詳細

  • 96ウェル対応スケーラビリティ: この3D皮膚オルガノイドモデルは、96ウェルプレートフォーマットに最適化されており、ハイスループットスクリーニングに必要な高い処理能力と自動化への適合性を備えています。これにより、一度に多数の化合物や条件を効率的に評価できます。
  • ZYRALIX™プラットフォームの活用: Entropic社のZYRALIX™プラットフォームは、自己組織化型の皮膚オルガノイドを迅速かつ標準化された方法で生成するための基盤技術です。これにより、バッチ間の一貫性が確保され、実験の再現性が向上します。
  • 構造的成熟とバリア機能の再現: 開発された皮膚オルガノイドは、表皮、真皮、付属器などのヒト皮膚の主要な構造を再現するだけでなく、タイトジャンクション形成や水分蒸散抵抗などのバリア関連機能も示します。これは、物質の皮膚透過性や刺激反応を正確に評価する上で不可欠です。
  • 皮膚損傷モデルとしての応用: 火傷、紫外線損傷、化学物質暴露などの様々な皮膚損傷をin vitroでモデリングすることが可能です。これにより、創傷治癒プロセスの研究や、損傷に対する保護・修復効果を持つ薬剤・製品候補のスクリーニングが行えます。
  • 従来のモデルとのギャップ解消: 従来の2D細胞培養は単純すぎて生体内の皮膚を再現できず、完全な3D皮膚モデルは作製に時間とコストがかかるという課題がありました。この96ウェル対応オルガノイドモデルは、両者のギャップを埋める、中間的かつ実用的なソリューションを提供します。

背景・業界文脈

皮膚科学研究、医薬品開発、化粧品および化学製品の安全性評価において、動物実験の倫理的・科学的限界が認識される中、よりヒトに特異的で予測性の高いin vitroモデルへの需要が高まっています。3Dヒト皮膚モデルは、このニーズに応えるものとして開発が進められてきましたが、スケーラビリティやハイスループットスクリーニングへの適合性が課題でした。LonzaとEntropicの共同開発は、これらの課題を克服し、業界標準となる可能性を秘めたソリューションを提供します。

今後の展望

このスケーラブルな3Dヒト皮膚オルガノイドモデルは、皮膚関連疾患の新規治療薬発見、経皮吸収型薬剤の開発、化粧品や家庭用品の安全性評価など、幅広い分野で革新をもたらすでしょう。特に、開発早期段階での高効率なスクリーニングは、製品開発のサイクルを大幅に短縮し、市場投入までのコストを削減します。将来的には、患者由来のiPSCから作製された皮膚オルガノイドを用いて、個別化された皮膚疾患治療薬の開発にも貢献する可能性があります。研究者、エンジニア、投資家は、このプラットフォームが持つ高い市場価値と応用可能性に注目すべきです。

元記事: https://www.scientist.com/webinar/advancing-skin-research-a-scalable-3d-human-skin-organoid-model-for-skin-barrier-function-and-injury-screening

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