次世代バイオ接着剤|POSTECHらが解明したムール貝の水中接着メカニズムと設計

NEWSIS 韓国
概要
POSTECHと江原大学の研究チームが、ムール貝の接着タンパク質の電荷配列を模倣した新しいバイオ接着剤を開発しました。分子レベルで水中での強力な接着原理を解明し、相分離流動性とナノ界面接着メカニズムを同時に特定することに成功しています。この成果は、止血剤や生体組織の接合など、医療分野への応用が期待されます。
詳細

主要成果

POSTECH(浦項科技大学校)化学工学科・融合大学院の車亨準(チャ・ヒョンジュン)教授研究チームと、江原大学校化学科の鄭英美(ジョン・ヨンミ)教授研究チームが、ムール貝の接着タンパク質が持つ電荷配列を模倣した新しい接着タンパク質を設計し、水中において強力な接着力を発揮する原理を分子レベルで明らかにしました。

技術・詳細

本研究では、ムール貝が水中で岩などの表面に強固に付着する仕組みに着目し、その鍵となるタンパク質の電荷配列を再現した設計を行いました。研究チームは、以下の2つのメカニズムを同時に解明したとしています。

  • 相分離流動性:タンパク質が特定の条件下で相分離を起こし、接着に適した状態へと変化する挙動の制御。
  • ナノ界面接着メカニズム:ナノレベルの界面において、どのように表面と結合し、接着力を強化させるかというプロセス。

具体的には、両性イオン性の電荷パターニングを用いることで、水中接着タンパク質の相変化を制御し、表面への接着力を強化させるメカニズムを構築しました。これにより、水分が存在する環境下でも分子レベルで強固な結合を維持することが可能になります。

背景・業界の文脈

水中での接着は、従来の化学接着剤では困難な課題であり、特に生体内で利用可能な安全なバイオ接着剤の開発は、医療工学における重要なテーマとなっています。ムール貝のような海洋生物が分泌する接着タンパク質は、天然のバイオ接着剤として古くから注目されてきましたが、その詳細な分子メカニズムの解明と、それを模倣した人工的な設計の両立は技術的なハードルが高い領域でした。

今後の展望

今回、電荷配列の制御による水中接着の原理が分子レベルで特定されたことで、実用的なバイオ接着剤の開発が加速すると見られます。研究チームは、この技術を止血剤や生体組織の接合など、人体への適用が求められる医療分野での活用を目指しています。水中という過酷な環境で機能する特性を活かし、次世代の医療用接着材料としての展開が期待されます。

元記事: https://www.newsis.com/view/NISX20261028_0003844655

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