主要成果
Xencor社が開発中のENPP3 x CD3 T細胞エンゲイジャー「XmAb819」の第1相試験において、静脈内投与の推奨第3相用量(RP3D)として400 mcg/kgが選定されました。この用量における有効性データは、確認された客観的奏効率(cORR)が45.5%、未確認を含む客観的奏効率(uORR)が55%、およびカプラン・マイヤー法による6ヶ月無増悪生存期間(PFS)の推定値が82%に達しています。これらの結果は、2026年10月にスペインで開催された欧州腫瘍学会(ESMO)会期中に発表されました。
技術・詳細
XmAb819は、固形腫瘍の悪性細胞を選択的に標的とする「XmAb 2+1」二重特異性抗体技術を用いて設計されており、ENPP3とCD3を同時に標的とするファーストインクラスの薬剤として開発されています。第1相試験では、合計119名の進行ccRCC患者が11の異なる静脈内投与用量レベルに割り当てられました。投与は、段階的に用量を上げるプライミングレジメンの後、維持用量を投与する形式で行われています。
特に評価対象となった拡大用量コホート(n=68)の患者は、中央値で3ラインの事前治療を受けた経験がある治療困難な集団であり、その94%がIMDCリスクモデルで中〜高リスクに分類されていました。また、全患者が少なくとも1回のPD-(L)1阻害剤およびVEGFR TKI(血管内皮増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤)の投与歴を持っており、うち63%は2種類以上のVEGFR TKI、34%は少なくとも1つのHIF2α阻害剤の投与歴がありました。奏効率は用量の増加に伴って上昇し、安全性については、治療関連有害事象(TEAE)による投与中止率は5.9%と低く、概ね良好な耐容性が示されました。ただし、グレード3以上のTEAEは72.1%に認められ、主な症状は肝酵素上昇(AST上昇35.3%、ALT上昇33.8%)、発疹(22.1%)、低血圧(7.4%)、サイトカイン放出症候群(CRS, 5.9%)でした。
背景・業界の文脈
現在の腎細胞がん治療の主流は、免疫チェックポイント阻害剤やVEGF軸を標的とした標的療法です。しかし、これらの治療に抵抗性を示す進行ccRCC患者にとって、全く異なる作用機序を持つ薬剤の導入は急務となっています。XmAb819が標的とするENPP3を介したT細胞エンゲイジャーというアプローチは、既存療法とは完全に異なるメカニズムであり、重度の事前治療を受けた患者集団において顕著な抗腫瘍活性を示した点は、臨床的に重要な意味を持ちます。
今後の展望
Xencor社は、2027年上半期に、特定のccRCC患者サブグループにおける加速承認パスウェイについてFDA(米国食品医薬品局)と協議する計画です。また、PD-(L)1阻害剤およびVEGFR TKI治療後のccRCC患者集団を対象に、XmAb819単剤とtivozanibを比較するグローバルなランダム化試験の実施を予定しています。同社は2029年までのキャッシュランウェイを確保しており、2027年末までに承認申請を可能にする開発計画を推進するとしています。
元記事: https://finance.yahoo.com/healthcare/articles/xencor-presents-phase-1-dose-083500804.html
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