主要成果
Kyverna Therapeutics社は、進行性多発性硬化症(PMS)患者を対象としたmiv-cel(mivocabtagene autoleucel, KYV-101)の第1相試験における最新データを発表しました。主要な成果として、有効性データが得られた5名の患者全員において、拡張障害状態尺度(EDSS)スコアが維持または改善し、そのうち4名が1年後まで持続的な臨床的利益を示しました。特に、最初に治療を受けた患者では2年を超える持続的な効果が確認されており、4名の患者が1年以上の追跡期間において、慢性的な免疫療法を必要とせずに改善を維持しています。
技術・詳細
miv-celは、CD28共刺激因子を持つ完全ヒト由来の自律的CD19標的CAR T細胞療法です。本試験はスタンフォード大学が主導するオープンラベルの単一施設試験で、二次性進行性(SPMS)または一次性進行性(PPMS)の非再発性進行性多発性硬化症患者6名を対象に、33Mまたは100Mの用量をベンダムスチンによるリンパ球除去(LD)レジメンを用いて投与しました。
生物学的な解析では、末梢血でのCAR T細胞の強力な増殖に加え、脳脊髄液(CSF)への浸透が確認され、ピークは投与後約14日目に達しました。また、全参加者においてCD19陽性末梢B細胞の完全な除去が達成され、その後3ヶ月目からナイーブB細胞の出現に伴う再構築が始まりました。これは「免疫リセット」の証拠を裏付けるものであり、CSFオリゴクローナルバンドやカッパ遊離軽鎖などのバイオマーカーデータも、1年時点での良好な免疫学的影響を支持しています。
安全性に関しては、高グレードのサイトカイン放出症候群(CRS)は認められず、ICANS(免疫作動細胞関連神経毒性症候群)やIEC-HS(免疫作動細胞関連高症候群)の症例も報告されていません。
背景・業界の文脈
多発性硬化症は、B細胞が神経を保護する鞘を攻撃する自己抗体を産生し、T細胞を活性化させることで神経変性を引き起こす慢性的な自己免疫疾患です。特に進行性多発性硬化症においては、病状の経過を有意に変化させることができる治療法への未充足なニーズが依然として高く、単回投与で深いB細胞除去と免疫リセットを実現し、薬物投与のない寛解を目指すmiv-celのようなアプローチが期待されています。
今後の展望
miv-celは、非活動性二次性進行性多発性硬化症(naSPMS)の治療においてRMAT(再生医療高度治療)指定を受けています。Kyverna Therapeutics社は、FDA(米国食品医薬品局)と連携して開発計画を進めており、2027年初頭までに開発戦略に関する最新情報を公開する予定です。
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