リハート|iPS細胞由来心筋シートの保険適用後の実用化、世界2例目の手術事例

読売新聞(Yahoo!ニュース配信) 日本
概要
九州大学病院が、iPS細胞から作製した再生医療製品「リハート」を用いた心臓病治療の手術を実施した。本製品は2026年9月に保険適用されたばかりであり、今回の手術は世界で2例目の事例となる。重症心不全患者に対し、心臓移植や補助心臓に代わる低侵襲な治療選択肢を提供することが期待される。
詳細

主要成果

九州大学病院は2026年10月27日、iPS細胞を用いて心機能の改善を図る再生医療製品「リハート」を用いた移植手術を実施した。リハートは同年9月に保険適用が決定したばかりの製品であり、今回の手術は世界で2例目の実施例となる。手術を受けたのは重症心不全を発症した50歳代の男性で、術後の容体は安定しているという。

技術・詳細

リハートは、iPS細胞から分化させた心筋細胞をシート状に加工した再生医療製品である。本手術では、直径3センチほどの薄いシート3枚を心臓の表面に貼付しており、手術時間は1時間程度で終了した。この心筋シートからは血管の再生を促す物質などが分泌されるため、これにより心機能の改善が期待される仕組みとなっている。

対象となった患者は、心筋梗塞などで心機能が低下した重症心不全の状態にあり、薬物療法やペースメーカーによる治療では効果が不十分で、歩行が困難な状態であった。

背景・業界の文脈

iPS細胞を用いた実用的な製品の治療への適用は、極めて新しい段階にある。2026年9月末に大阪市で世界初の手術が実施されており、実用化されたiPS細胞製品が実際の治療に用いられる事例は、世界的に見ても極めて稀である。従来の重症心不全治療においては、心臓移植や補助心臓の装着が検討されるが、これらは患者への身体的負担が大きいことが課題であった。

今後の展望

本治療法は、カテーテル治療やバイパス手術を施行しても心機能が回復しない患者にとって、心臓移植や補助心臓に至る前の段階で選択できる「低侵襲な治療」という新たな選択肢となり得る。執刀した塩瀬明教授は、これまで治療手段がなかった患者にとっての新たな希望になると述べており、今後の再生医療の普及と実用化の加速が期待される。

元記事: https://news.yahoo.co.jp/articles/56ca1ba5ac6976346c13ed66a9d208d8b5a70f45

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