主要成果
Airbus Netherlandsは、Ariane 6のBlock 2アップグレードの一環として、軽量化されたVulcain Aft Bayの初号機(Flight Model 16: FM16)を出荷した。このコンポーネントはロッテルダム経由でフランスのArianeGroupへ輸送される。Airbus Netherlandsの社長であるRob Postma氏によると、このアップグレード版は2027年のAriane 6ミッションで初めて使用される見込みである。
技術・詳細
Vulcain Aft Bayは、Ariane 6のメインステージ底部に固定される構造アセンブリであり、Vulcain 2.1ロケットエンジンを支持し、エンジンが発生させた推力をロケットのメイン構造に伝達する役割を担う。現在、このアセンブリの重量は約5トンである。
新設計の構造体には以下の変更が加えられている。
- 全長が従来よりも55ミリメートル短縮された。
- Vulcain Aft Bayの構造体自体の質量が、従来比で880kg削減された。これは、2024年7月に同社の戦略・販売・事業開発ディレクターであるFrank Meiboom氏が掲げた目標値800kgを上回る数値である。
- Airbus Netherlandsから出荷された完成済みアセンブリ全体の重量は、Block 1の従来品よりも400kg軽くなっている。
また、供給体制にも変更がある。Block 1ではAirbus Netherlandsが基本的な構造体のみを供給し、その後の統合プロセスでArianeGroupが追加コンポーネントを組み込んでいた。しかしBlock 2では、Airbus Netherlandsがより大きな役割を担い、完全に統合されたアセンブリとして納入する形式となった。追加コンポーネントを含めた状態で400kgの軽量化を実現している点が技術的なポイントとなる。
背景・業界の文脈
今回の軽量化は、Ariane 6 Block 2における進化の一環である。Block 2では、より強力なP160C固体ロケットブースターの採用も含まれており、このブースターは2026年6月のAriane 64ロケットで既に初使用されている。欧州宇宙機関(ESA)は、Ariane 6の性能向上と競争力強化を実現するための残るアップグレード項目の一つとして、この軽量Vulcain Aft Bayを特定していた。
今後の展望
Ariane 6の性能向上に向けた取り組みが進む一方で、次なるアップグレード案であった「Block 3」については、ESAが「プログラム上の必要性や正当性がない」として、追求しない方針を確定させている。今後は、Block 2で導入される軽量構造体や強力なブースターによる性能向上が、実運用における競争力にどう寄与するかが注目される。
元記事: https://europeanspaceflight.com/airbus-ships-first-lightweight-vulcain-aft-bay-for-ariane-6-block-2/
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