低軌道衛星MIMO/IoT技術|NTTとJAXAによる通信容量2倍以上の実証と性能

Impress Watch 日本
概要
NTTとJAXAが、低軌道衛星を用いたMIMOおよびIoT技術の実証実験に成功し、通信容量を従来比で2倍以上に拡大できることを確認した。また、地上の圏外にあるIoTデバイスを大規模に収容する仕組みも確立している。これにより、高精細な観測データの高速伝送や、超広域な衛星IoTプラットフォームの実現が可能になる。
詳細

主要成果

NTTとJAXAは、低軌道衛星におけるMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)およびIoT技術の実証実験を行い、通信容量を従来の単一アンテナを用いた通信と比較して2倍以上に拡大できることを確認した。あわせて、地上の通信圏外に位置するIoT機器を大規模に収容するための「衛星センシング技術」についても、その有効性を実証した。

技術・詳細

今回の実証に用いられたのは、2025年12月に打ち上げられたJAXAの革新的衛星技術実証4号機(RAISE-4)に搭載されたMIMO/IoT技術「LEOMI」である。2026年4月からの軌道上実験を通じて、以下の技術的成果が得られた。

  • 低軌道衛星MIMO技術: 複数のアンテナを用いることで、地上局との間の通信容量を2倍以上に大容量化。これにより、気象・海洋観測や災害予測に不可欠な高精細画像やレーダーデータの高速伝送が可能となる。また、この技術は低軌道衛星のみならず、HAPS(高高度プラットフォーム固定翼機)や気球などの飛翔体への搭載も可能とされている。
  • 伝送容量の最適化: シミュレーション値と実測値の分析により、伝送容量の変動パターンを高精度に推定することに成功。不安定になりやすい低軌道衛星の運用最適化に寄与する。
  • 衛星センシング技術: 920MHz帯の既存LPWA規格を用いる地上のIoT機器を対象に、異なる2点から同一周波数で同時に送信された信号を、衛星経由で地上局側で正常に分離して処理できることを確認した。

背景・業界の文脈

低軌道衛星を用いた通信において、時間や周波数が重なる「同時衝突」の問題は、多数のデバイスを収容する際の大きな課題であった。今回の実証で信号の分離が可能になったことで、地上の広範囲な圏外エリアにあるIoT機器を効率的に収容する「超広域衛星IoTプラットフォーム」の構築に向けた技術的ハードルが解消されることになる。

今後の展望

本プロジェクトは2027年3月まで定常運用が行われ、2026年度内での技術確立を目指している。実用化については、実際のサービス提供用衛星の機体に組み込む必要があるため、具体的な時期は未定となっている。

元記事: https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/2150343.html

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