東レの複合繊維|リサイクル素材93%以上のポリエステル・ナイロン、量産時期と用途

Impressions アメリカ
概要
東レが、質量比でリサイクル素材を93%以上含むポリエステル・ナイロン複合繊維を開発した。同社のポリマー設計と複合紡糸技術により、高リサイクル率でありながらプレミアムアパレルに求められる外観と性能を維持している。これにより、サステナビリティと高い意匠性・機能性を両立した次世代のテキスタイル提供が可能になる。
詳細

主要成果

東レ株式会社は、質量比でリサイクル素材を93%以上含有するポリエステル・ナイロン複合繊維を開発した。このリサイクル率の数値は、最終的な生地や衣類ではなく、新たに開発された原糸の総重量に適用されるものであり、ポリエステルとナイロンの両方の成分にリサイクル原料が組み込まれている。

技術・詳細

異なるポリマーを組み合わせる複合繊維の開発において、リサイクル素材を高比率で配合すると品質の安定性を維持することが技術的な課題となる。東レは、同社のリサイクル繊維ブランド「&+」で培った技術に加え、ポリマー設計および複合紡糸技術を適用することで、プレミアムテキスタイルに必要な特性を維持したまま、両方の繊維成分にリサイクル素材を組み込むことに成功した。

この複合繊維を用いた新しいテキスタイルコレクション「ARTIROSA CX」も合わせて導入された。このコレクションは、東レの複合紡糸技術と、日本の繊維産地で培われた製織、編立、染色、仕上げ技術を融合させたものである。特徴は以下の通りである。

  • 高密度できめ細やかな表面と、洗練された外観を実現するシャリ感のある風合い。
  • 素材の選択や設計、仕上げによって、防水性、耐久撥水性、防風性などの機能性を付与可能。
  • 撥水剤において、PFAS(ペルおよびポリフルオロアルキル物質)に分類される物質を意図的に使用していない。

背景・業界の文脈

ファッション業界ではリサイクル素材への関心が高まっているが、特に生地の外観、ドレープ、質感、耐久性が不可欠なカテゴリーにおいては、高い性能維持が求められていた。ARTIROSA CXは、従来のパフォーマンス素材よりもクリーンで現代的な外観を目指して設計されており、テクニカルな機能性と日常的なスタイリングを融合させたアパレルへの適用を想定している。

今後の展望

東レは、ARTIROSA CXの商業的な展開を2027年秋冬シーズンに予定しており、初年度の販売目標を200,000メートルとしている。商用化に向けては、引き続き技術の精緻化と生産スケールアップの評価を行う計画である。

想定される用途は、メンズ・ウィメンズのアウターウェア、アーバンアウトドアウェア、プレミアムカジュアルウェアである。今後は、デザインの可能性を広げるため、ナイロンブレンドや天然繊維との組み合わせ、さらなる仕上げ技術の検討も進めるとしている。また、複合繊維におけるリサイクル素材の含有率をさらに高める研究も継続する方針である。

元記事: https://impressionsmagazine.com/news/toray-recycled-polyester-nylon-fiber-artirosa-cx/170803/

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