主要成果
Resonac Holdings(レゾナック・ホールディングス)は、2026年9月15日に300mm(12インチ)のSiC(炭化ケイ素)単結晶の製造と、それに続く基板加工を成功裏に完了したことを発表しました。この成果は、日本企業としては初の快挙であり、次世代パワー半導体や高周波デバイスの基板として注目されるSiCにおいて、大口径化と高品質化に向けた極めて重要な技術的マイルストーンとなります。これにより、レゾナックはSiC基板市場におけるグローバルな競争力を大幅に強化しました。
技術・臨床詳細
SiCは、従来のシリコン(Si)に比べて優れた物理的・電気的特性を持つ化合物半導体材料であり、特に高耐圧、低損失、高速スイッチング能力が要求されるパワー半導体分野での応用が期待されています。今回の12インチSiC単結晶の製造成功は、
- 大口径化: 従来の6インチや8インチ基板と比較して、一度に製造できるチップ数を大幅に増加させ、生産コストの削減と効率向上に貢献します。
- 高品質化: 単結晶の欠陥密度を低減し、均一性を向上させることで、最終的な半導体デバイスの性能と信頼性を飛躍的に高めます。
- 熱放散特性: SiCは熱伝導率が高いため、AIサーバーや高性能コンピューティング(HPC)半導体において発生する大量の熱を効率的に管理する熱放散基板としても優れています。
- 先端パッケージングへの応用: 高出力・高発熱のAIチップを効率的にパッケージングするための先端パッケージング基板としての可能性も拡大します。
レゾナックの今回の成功は、これらの特性を大規模かつ高精度で実現できることを実証しています。
背景・業界文脈
AIデータセンターの急速な拡大と、それに伴うAIアクセラレータや高性能プロセッサの需要増は、半導体材料に新たな要件を課しています。特に、高電力消費に伴う発熱は深刻な課題であり、これを効率的に管理できる熱放散材料や、信頼性の高いパッケージング材料が不可欠です。SiCは、その優れた熱特性と電気特性から、パワー半導体だけでなく、AIサーバー・HPC半導体における熱放散基板や先端パッケージング基板として、新たな応用分野を切り開いています。レゾナックは、2026年ビジョンレポートでAI関連のバックエンド半導体材料が年平均2桁の成長率(CAGR)で拡大すると予測しており、高純度溶剤、基板材料、NCF(Non-Conductive Film)、熱界面材料(TIM)まで、幅広いポートフォリオでこの成長市場に対応しています。
今後の展望
レゾナックによる12インチSiC単結晶基板の製造成功は、SiC産業における生産性向上とコスト削減の道を大きく開くものです。これにより、SiCベースのパワー半導体やAI関連デバイスの普及が加速し、電気自動車、再生可能エネルギーシステム、そしてAIデータセンターなどの分野で革新的な進展が期待されます。レゾナックは、先端材料のリーディングカンパニーとして、今後もSiC技術のさらなる研究開発を進め、AI時代における持続可能な社会の実現に不可欠な高性能半導体材料の供給を担っていくでしょう。この成果は、日本の材料技術が世界の半導体産業をリードする可能性を示すものです。
元記事: https://www.semicone.com/article-542.html
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