主要成果
韓国科学技術研究院(KIST)の全北先端材料研究所(Kim Nam-dong氏およびJung Hyun-su氏らが主導)は、全北大学、KAIST、康原大学との共同研究により、メートルスケールの繊維型亜鉛電池を連続的に製造する技術を開発した。特筆すべきは、長さ1メートルの電池を製造することに成功し、1万回の繰り返し屈曲後でも初期容量の89.8%を維持するという高い柔軟性と耐久性を実証した点である。
技術・詳細
本研究では、亜鉛電池の最大の課題である「デンドライト(亜鉛アノード表面に形成される樹枝状の結晶)」の成長を抑制するため、カーボンナノチューブに酸素官能基を導入した。これによりナノチューブを密に整列させ、亜鉛イオンを表面に均一に析出させることで、デンドライトの形成を抑制し、充放電時の水素発生や腐食反応を低減させた。フルセル試験では、800回の充放電サイクル後に初期容量の85%を維持している。
また、量産化に向けた製造プロセスの確立も同時に達成した。繊維の供給から亜鉛メッキ、洗浄、乾燥、巻き取りまでの全工程を自動的に連結した連続電気メッキシステムを開発した。これにより、従来の繊維型亜鉛電池の限界であった約10センチメートルという長さを大幅に超え、10倍の長さである1メートルの製造を実現した。
背景・業界の文脈
従来の角形や円筒形の電池とは異なり、繊維型電池は糸のように自由に曲げたり、布地に直接織り込んだりできる。特に水系電解質を使用する亜鉛電池は、火災や爆発のリスクが比較的低いため、次世代のウェアラブル電源として注目されている。研究チームは実用性の検証として、この繊維電池を柔軟な太陽電池および動作検知センサーと共に戦闘服に統合した。これにより、日中に太陽光で充電し、夜間にセンサーを動作させるシステムを構築した。
今後の展望
開発された電池は、必要な長さに切断したり、他の繊維と共に織り込んだりすることが可能である。スマートクロージングや電子皮膚だけでなく、ヒューマノイドロボットのフレーム内部や関節部分に配置する分散電源としての活用が見込まれている。商用化に向けては、生産速度の向上、長い電極全体への均一なメッキの実現、および汗への露出や繰り返しの洗濯といった実使用条件下での長期安定性の検証が今後の課題となる。
元記事: https://biz.heraldcorp.com/article/10918971
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