主要成果
Siesling社は、Ruthmann製の75m高所作業車「T 750 HF」を水素燃料電池技術を用いてゼロエミッション仕様に転換した。この車両は、1回の充填で少なくとも450kmの走行が可能であり、充填時間は約20分という短時間で完了する。これにより、実用性を損なうことなく、ディーゼル車と同等のパフォーマンスで高所作業を行うことが可能となった。
技術・詳細
本プロジェクトでは、水素専門企業のHolthausen社と協力し、従来の燃焼エンジンを燃料電池システムに置き換えた。システム構成は以下の通りである。
- 水素貯蔵:1基あたり約5kgの水素タンクを9基搭載し、合計45kgの容量を確保。
- 電力変換:燃料電池で水素を電気に変換し、3基のバッテリーに蓄電。この電力が車両の走行とプラットフォームの動作の両方を駆動する。
- 重量の変化:元のディーゼル仕様車は総重量(GVW)33トンであったが、転換後の車両はフルロード状態で約36.5トンとなった。
また、重量配分の変更に伴い、製造元のRuthmann社が再計測と動作特性のテストを実施し、作業範囲(ワーキング・エンベロープ)の図面を修正した。その結果、一部の領域では作業範囲が約1メートル拡大するという予期せぬ成果が得られたほか、電気パワートレインに合わせて制御システムも再プログラミングされた。
背景・業界の文脈
高所作業車の電動化における最大の課題は「重量」である。Siesling社は当初、7.5トンシャシーの30m車両での転換を検討したが、水素タンクや燃料電池、バッテリーの重量がディーゼルエンジンと燃料タンクの削減分を上回り、重量制限を超えることが判明した。特にオランダでは、アムステルダム・スキポール空港やNatura 2000保護区などのゼロエミッション限定区域において、重量制限が厳しい制約となる。このため、十分なスペースと重量余裕を持つ75mシャシーの採用へと方針を転換した。
今後の展望
本車両はすでに実運用に入っており、フローニンゲン・フォーラムの点検・清掃やマルティニ教会の修復作業などに投入されている。初期段階では冷却システムの漏れやプログラミングエラーなどの課題が見られたが、全体的な性能は良好であるという。インフラ面では、オランダ国内で水素ステーションが約75km間隔で整備されつつあるが、現在は自社拠点ではなく外部のステーションを利用している。バッテリー電気自動車(BEV)では250kmの航続距離を得るために6〜8時間の充電時間を要する場合があるが、水素燃料電池は長距離走行と短時間充填を両立させる現実的な解となることが示された。
元記事: https://www.accessbriefing.com/news/how-to-convert-a-75m-truck-mount-to/8133569.article
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