Hiringa Energy|豪州・NZでのグリーンアンモニア・水素供給網と量産計画

Ammonia Energy Association 国際
概要
Hiringa Energyがオーストラリアとニュージーランドにおいて、再生可能エネルギー由来の水素およびアンモニアのサプライチェーン構築を推進している。NSW州のGEGHAプロジェクトやNZのKapuniプロジェクトなど、肥料生産や燃料供給を目的とした商用規模の実証・量産化に着手した。これにより、肥料の輸入依存からの脱却(主権の確保)と、農業・輸送分野での低炭素化の両立を目指す。
詳細

主要成果

Hiringa Energyは、オーストラリアとニュージーランドにおいて「開発・所有・運営」モデルに基づいた再生可能アンモニアプロジェクトを推進している。特に注目されるのが、ニューサウスウェールズ(NSW)州の「Good Earth Green Hydrogen and Ammonia(GEGHA)」プロジェクトと、ニュージーランドの「Kapuni Green Hydrogen」プロジェクトである。前者は2025年に財務クローズに達し、後者は2026年初頭に財務クローズを迎えた。これらのプロジェクトを通じて、肥料、水素充填、グリーン燃料の供給体制を構築している。

技術・詳細

GEGHAプロジェクトは、NSW州のMoreeに位置し、年間4,500トンの再生可能アンモニアを生産する商用規模の実証プロジェクトである。設備構成は以下の通りである。

  • 太陽光発電:36 MW(既存9 MW、新設27 MW)
  • 蓄電池:51 MWh
  • アルカリ電解槽:15 MW(5 MWモジュール×3)
  • アンモニア製造技術:中国のKAPSOM社製

推定資本支出(CAPEX)は1億1,300万〜1億1,900万豪ドルで、NSW州政府の水素ハブ・イニシアチブ(3,580万豪ドル)およびネットゼロ製造イニシアチブ(940万豪ドル)から計4,520万豪ドルの資金提供を受けている。2027年第1四半期の稼働を予定している。

一方、ニュージーランドのKapuni Green Hydrogenプロジェクトでは、25.6 MWのピーク容量を持つ風力タービン4基を設置し、5 MWの電解槽で1日あたり約2,000 kgの水素を生産する。生産された水素は、Ballance Agri-Nutrients社のアンモニアプラントでの尿素製造や、Hiringa Energyの充填ネットワークに供給される。こちらは2027年第2四半期の稼働予定である。

背景・業界の文脈

オーストラリアは現在、肥料を輸入に依存しており、世界的な価格変動のリスクにさらされている。GEGHAプロジェクトは、Wathagar綿花ジン施設に隣接して肥料と燃料を生産し、Sundown Pastoral Companyが展開する「Good Earth Cotton」の生産を支援することで、肥料主権の確保と低炭素価値連鎖の構築を実証する。また、農業現場や重量輸送で消費されるディーゼル燃料の代替としての水素利用も想定されており、Sundown社が綿花生産で年間100万〜200万リットル消費するディーゼルの削減が見込まれる。

今後の展望

Hiringa Energyは、さらなる規模拡大によるコスト低減を図る。その一環として、NSW州のリベリーナ地域でWB Pastoral社と共に「Riverina Green Fertilizer Project」を計画している。このプロジェクトでは、100 MWの太陽光発電と85 MWhの蓄電池、100〜150 MWの電解容量を導入し、アンモニア約40,000トン、硝酸37,000トン、硝酸アンモニウム47,000トン、尿素アンモニウム硝酸塩100,000トンの生産を目指す。地域市場に適した規模を維持しつつ、量産化による経済性を追求する方針である。

元記事: https://ammoniaenergy.org/articles/hiringa-energy-renewable-hydrogen-ammonia-supply-chains-in-australia-and-new-zealand/

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