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Intersolar Europe|ペロブスカイト太陽電池 機関解説

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INSTITUTION PROFILE / ペロブスカイト太陽電池

Intersolar Europe
― ペロブスカイトの記録と新製品が発表されるミュンヘンの展示会

Intersolar Europeは、年に1回ドイツのミュンヘンで開かれる太陽光発電の展示会と会議です(2026年は6月23〜25日)。 規格を決めたり効率を認定したりする機関ではありません。それでも本シリーズで取り上げるのは、 LONGiやOxford PVがペロブスカイトの記録や新しいモジュールを発表する場として選んできたからです。 本稿では、Intersolar Europeがペロブスカイト太陽電池にどこまで影響を持つのかに絞って整理します。

構成:Intersolar Europeの公式サイト(開催概要・出展区分・プレスリリース・アワード)、出展企業と研究機関の公式発表を一次情報として使用/最終更新 2026年9月

この記事でわかること
  1. 30秒でわかるIntersolar Europe
  2. どんな機関か ― 影響力の「型」
  3. ペロブスカイト太陽電池で何をしているか
  4. 影響力の範囲(権限と地域)
  5. 関わっている企業・組織
  6. 今後の見通し
  7. 用語集/出典/主張と出典の対応表

1. 30秒でわかるIntersolar Europe

正式名称Intersolar Europe展示会群「The smarter E Europe」を構成する4展示会の1つ
国・地域ドイツ会場はミュンヘン見本市会場(Messe München)と国際会議場ICM
機関の種類国際展示会・会議主催はSolar Promotion GmbH(プフォルツハイム)とFWTM(フライブルク)
設立30年以上前公式サイトの表記。創設年の記載はない
人数規模出展2,650社・来場約10万5,000人2026年のThe smarter E Europe全体。出展は52か国、来場は163か国から
会議の規模参加3,000人超2026年。4つの専門会議と併設行事の合計
ペロブスカイト太陽電池への関与発表・展示・商談の場規格・認定・補助金の権限はない
影響が及ぶ範囲出展者の66%超が海外ドイツ開催だが、世界の企業が欧州の買い手に向けて発表する場
まず押さえるべき1点

Intersolar Europeの影響力は「どこで発表するか」を企業に選ばせる力です。 LONGiは2023年の会期初日にペロブスカイト/シリコンのタンデムセルで33.5%を、2024年にはM6サイズのウエハーでの30.1%を、いずれもこの会場で発表しました 事実。 一方で、2024〜2026年のThe smarter E AWARDの太陽光部門の受賞に、ペロブスカイトの製品は入っていません 本稿の計算。 つまり、ペロブスカイトにとってIntersolar Europeは「賞をもらう場」より「記録と新製品を見せる場」です。

2. どんな機関か ― 影響力の「型」

ペロブスカイト太陽電池の記事に出てくる「機関」は、企業と違って自分では太陽電池を作りません。 その代わりに、どういう経路で業界に影響を与えるかで4つの型に分けられます。

ペロブスカイト太陽電池を動かす「機関」の4つの型 機関は自分では太陽電池を作らない。どの経路で業界に影響を与えるかで4つに分かれる 資金を出す 政策・規制を決める 標準を決める 場をつくる 研究開発に予算を配る 戦略・補助金・法律 試験方法・効率の認定 展示会・学会 NEDO/DOE 経済産業省/DOE IEC/NLR・ISE・HZB Intersolar Europe 何を研究させるか 何を国内で作らせるか どう測り、どう比べるか 誰が誰に会うか 届く範囲=自国の予算 届く範囲=自国の領域 届く範囲=加盟国・利用者 届く範囲=参加者 Intersolar Europeは右端の「場をつくる」型。規格や認定の権限はなく、発表と商談の舞台を提供する ペロブスカイトの記録や新製品は、企業がこの場を選んで世界の買い手と競合に向けて発表している
図1 ペロブスカイト太陽電池に関わる機関の4つの型と、Intersolar Europeの位置。区分は本稿によるもので、機関名は本シリーズで扱う機関から例示しています 本稿の計算。Intersolar Europeは機関というより展示会ですが、ペロブスカイトの記録や製品の発表の場として業界に影響するため、本シリーズでは「場をつくる」型として扱います。

3. ペロブスカイト太陽電池で何をしているか

Intersolar Europe自身は研究も認定もしません。ペロブスカイトとの関わりは、展示・会議・賞・企業の発表の4つの場を通じたものです 事実。

場中身ペロブスカイトとの関係
展示会出展区分に「太陽電池」「結晶系モジュール」「薄膜モジュール」と、セル・モジュール・薄膜の製造装置、材料・部材、計測技術を含む「PV製造技術」がある。出展者には研究開発機関と認証機関も含まれるペロブスカイト専用の出展区分はなく、セル・モジュール・製造装置・材料の各区分で出展される
会議(Intersolar Europe Conference)市場・技術・資金調達を扱う。2026年は6月22〜23日、2027年は6月7〜8日に開催2026年の会議でペロブスカイトをどう扱ったかは、本稿では公式サイトから確認できなかった
The smarter E AWARD太陽光・蓄電・EV・統合エネルギー・優秀プロジェクトの5部門。世界各地の同系列展示会の出展者が応募できる2023年(当時はIntersolar AWARD)の受賞者Wavelabsの測定装置は、ペロブスカイト/シリコンのタンデムも測れると紹介された
企業・研究機関の発表の場会期に合わせて企業や研究機関が新記録・新製品を発表し、展示するLONGiの記録発表(2023年・2024年)、Oxford PVの初出展(2024年)、Oxford PVとFraunhofer ISEの新モジュールの初披露(2026年)
素材技術者の視点:展示会の「発表」をどう読むか

展示会で発表された数字は、誰が認定したかを必ず確かめます。LONGiの33.5%はESTI(欧州太陽光試験施設)、30.1%はFraunhofer ISEの認定と、LONGi自身が書いています 事実。 展示会は数字を認定する場ではなく、認定済みの数字を、買い手と競合が集まる場で見せる場です。 認定の仕組みは本シリーズのNLR(旧NREL)とFraunhofer ISEの機関解説、技術解説「変換効率と評価指標」で扱っています。

4. 影響力の範囲(権限と地域)

観点Intersolar Europeが持っているもの持っていないもの
権限出展・会議のプログラム・賞の運営。The smarter E AWARDの受賞者は審査員が選ぶ規格・効率の認定・規制・補助金を決める権限
地域会場はドイツ。2026年は出展者の66%超が海外、来場者は163か国から。同じ主催者がインド・北米・南米・中東・アフリカなどでIntersolarを開いている出展しない企業や、来場しない市場への直接の影響
ペロブスカイトへの影響記録と新製品の発表のタイミングと場所を集める力ペロブスカイトの研究開発・量産を方向づける権限
規模出展2,650社・来場約10万5,000人(The smarter E Europe全体、2026年)Intersolar Europe単独の数字や、ペロブスカイト関連の出展社数は公表されていない
数字の読み方の注意

2,650社・約10万5,000人は、Intersolar Europe、ees Europe(蓄電)、Power2Drive Europe(EV充電)、EM-Power Europe(エネルギー管理)の4展示会の合計です 事実。 太陽光だけ、ましてペロブスカイトだけの出展社数や来場者数は公表されていません 未確定/将来。

5. 関わっている企業・組織

Intersolar Europeを舞台にしたペロブスカイトの発表 数字の認定は外部の試験機関が行い、展示会はそれを世界の買い手と競合に見せる場になる 主催者 Solar Promotion GmbH・FWTM Intersolar Europe ドイツ ミュンヘン・年1回開催 記録の発表(LONGi) 2023年:タンデムセル 33.5% 認定はESTI 2024年:M6サイズで 30.1% 認定はFraunhofer ISE 製品の披露(Oxford PV) 2024年:初出展 60セルのモジュール 26.9% 2026年:Fraunhofer ISEと 共同開発のモジュール 25.6% を両者のブースで初公開 賞(アワード) 2023年:Wavelabsの測定装置 (タンデムも測れる) 2024〜2026年:太陽光部門に ペロブスカイト製品の受賞なし
図2 Intersolar Europeを舞台にしたペロブスカイトの発表。出典:LONGi・Oxford PV・Fraunhofer ISEの公式発表、Intersolar Europeのアワードの発表(2023〜2026年)。「受賞なし」は、本稿が各年の太陽光部門の受賞者の説明文を確認した結果です 本稿の計算。

本シリーズの企業解説との関係

企業Intersolar Europeとの関係(一次情報に記載のあるもの)このシリーズとの関係
LONGi2023年6月14日の会期初日に、商用のCZシリコンウエハーを使ったタンデムセルで33.5%(ESTIの認定)を会場で発表。2024年6月19日には、M6サイズのウエハーでのタンデムセル30.1%(Fraunhofer ISEの認定)を会場で発表LONGiの企業解説
Oxford PV2024年に初めて出展し、同じ6月19日に60セルのモジュールで効率26.9%(Fraunhofer CalLabの認定)を発表。2026年にはFraunhofer ISEと共同開発したマトリクス・シングル接続のモジュール(効率25.6%)を、Fraunhofer ISEとOxford PVのブースで初めて展示Oxford PVの企業解説

6. 今後の見通し

読み取れること根拠となる一次情報区分
ペロブスカイトの展示は、記録の発表から、屋根用・発電所用の製品の商談へ重心が移るOxford PVは2024年の出展を「最初の商用出荷の前」と位置づけ、2026年には屋根用と地上設置用(両面受光)の2種類のモジュールを展示推測
ペロブスカイト製品が賞に入るのは、量産品として出展されるようになってからになる2024〜2026年の太陽光部門の受賞は、建材一体型の屋根材、施工の自動化、インバーター、設計ソフトなど、すでに市場にある製品や仕組みが中心推測
次の発表の舞台は2027年6月8〜10日の会期公式サイトが2027年の日程を公表。記録発表が行われるかは各社の判断で未定推測

7. 用語集

The smarter E Europe
Intersolar Europe、ees Europe、Power2Drive Europe、EM-Power Europeの4展示会と会議をまとめた催しの名前。
The smarter E AWARD
The smarter E Europeの前夜に発表される業界賞。太陽光など5部門で、各部門3社が受賞する。
ESTI
欧州の太陽光試験施設(European Solar Test Installation)。効率を認定する機関の1つ。
M6
シリコンウエハーの大きさの規格名の1つ。研究用の小さなセルと違い、量産で使われる大きさ。

8. 出典

  1. Intersolar Europe Legal Notice(主催はSolar Promotion GmbH(プフォルツハイム)とFreiburg Wirtschaft Touristik und Messe GmbH & Co. KG)。 https://www.intersolar.de/legal-notice
  2. Intersolar Europe Exhibition Quick Facts(30年以上の歴史、The smarter E Europeの一部、2027年6月8〜10日、出展者の種類に研究開発機関・認証機関)。 https://www.intersolar.de/exhibition-quick-facts
  3. Intersolar Europe Exhibition Segments(太陽電池、結晶系・薄膜モジュール、PV製造技術の出展区分)。 https://www.intersolar.de/exhibition-segments
  4. Intersolar Europe Conference Quick Facts(会議の内容、2027年6月7〜8日、ICM)。 https://www.intersolar.de/conference-quick-facts
  5. Intersolar Europe プレスリリース「Fossil Fuels Are a Thing of the Past; The Future Is Renewable: The Smarter E Europe Concludes With a Clear Message」(2026年6月25日。出展2,650社・52か国、海外66%超、来場約10万5,000人・163か国、会議参加3,000人超)。 https://www.intersolar.de/press-release/post-show
  6. Intersolar Europe Global Events(主催者が世界各地で開くIntersolarの一覧)。 https://www.intersolar.de/global-events
  7. Intersolar Europe The smarter E AWARD(5部門、世界の同系列展示会の出展者が応募可能)。 https://www.intersolar.de/for-exhibitors/awards
  8. Intersolar Europe プレスリリース「The smarter E AWARD 2026: Clever, Bold, Visionary – The Winners Have Been Chosen」(2026年6月22日。会期6月23〜25日、各部門3社、審査員による選定)。 https://www.intersolar.de/press-release/award-winners-2026
  9. Intersolar Europe プレスリリース「The smarter E AWARD 2025」の受賞者発表。 https://www.intersolar.de/press-release/award-winners-2025
  10. Intersolar Europe プレスリリース「The smarter E AWARD 2024」の受賞者発表(初めて5部門で授与)。 https://www.intersolar.de/press-release/award-winners-2024
  11. Intersolar Europe プレスリリース「Intersolar AWARD 2023: Innovative Solar Technologies Honored」(2023年6月13日。WavelabsのSINUS-360 ADVANCEDがペロブスカイト/シリコンのタンデムも測定可能)。 https://www.intersolar.de/news/intersolar-award-2023-innovative-solar-technologies-honored
  12. LONGi ニュースリリース(2023年6月14日。Intersolar Europe 2023の会場で33.5%を発表、ESTIの認定)。 https://www.longi.com/en/news/new-conversion-efficiency/
  13. LONGi ニュースリリース(2024年6月19日。Intersolar Europe 2024でM6サイズの30.1%を発表、Fraunhofer ISEの認定)。 https://www.longi.com/en/news/is-m6-wafer-silicon-perovskite-tandem-cells-new-efficiency-record/
  14. Oxford PV プレスリリース「Oxford PV debuts residential solar module with record-setting 26.9% efficiency」(2024年6月19日。Intersolar Europe 2024への出展)。 https://www.oxfordpv.com/press-releases/oxford-pv-solar-sustainability-initiative
  15. Oxford PV プレスリリース「Oxford PV to bring its state-of-the-art tandem PV panels to Intersolar Europe 2024」(2024年5月29日。初めての出展、最初の商用出荷の前の出展)。 https://www.oxfordpv.com/press-releases/oxford-pv-solar-technology-award
  16. Fraunhofer ISE プレスリリース「Perovskite-silicon solar cells meet matrix shingled interconnection」(2026年6月18日。The smarter E / Intersolarで初展示、屋根用と両面受光の地上用)。 https://www.ise.fraunhofer.de/en/press-media/press-releases/2026/perovskite-silicon-solar-cells-meet-matrix-shingled-interconnection.html

9. 主張と出典の対応表

本文の主張区分出典
主催がSolar Promotion GmbHとFWTM事実出典1 https://www.intersolar.de/legal-notice
30年以上の歴史、The smarter E Europeの一部、会場、2027年の会期、出展者の種類事実出典2 https://www.intersolar.de/exhibition-quick-facts
出展区分(太陽電池、結晶系・薄膜モジュール、PV製造技術)事実出典3 https://www.intersolar.de/exhibition-segments
会議の内容と2027年の日程、会場ICM事実出典4 https://www.intersolar.de/conference-quick-facts
2026年の出展2,650社・52か国、海外66%超、来場約10万5,000人・163か国、会議参加3,000人超、4展示会の合計であること、2026年の会議日程事実出典5 https://www.intersolar.de/press-release/post-show
主催者が世界各地でIntersolarを開いていること事実出典6 https://www.intersolar.de/global-events
The smarter E AWARDの5部門と応募資格事実出典7 https://www.intersolar.de/for-exhibitors/awards
2026年の会期、各部門3社、審査員による選定、太陽光部門の受賞者事実出典8 https://www.intersolar.de/press-release/award-winners-2026
2025年の太陽光部門の受賞者事実出典9 https://www.intersolar.de/press-release/award-winners-2025
2024年の太陽光部門の受賞者事実出典10 https://www.intersolar.de/press-release/award-winners-2024
2023年のWavelabsの受賞と、タンデムも測定できること事実出典11 https://www.intersolar.de/news/intersolar-award-2023-innovative-solar-technologies-honored
2024〜2026年の太陽光部門の受賞にペロブスカイト製品がないこと本稿の計算出典8〜10の受賞者の説明文を本稿が確認した結果
LONGiが2023年の会場で33.5%を発表、ESTIの認定事実出典12 https://www.longi.com/en/news/new-conversion-efficiency/
LONGiが2024年の会場でM6サイズの30.1%を発表、Fraunhofer ISEの認定事実出典13 https://www.longi.com/en/news/is-m6-wafer-silicon-perovskite-tandem-cells-new-efficiency-record/
Oxford PVが2024年に初めて出展し、最初の商用出荷の前と位置づけたこと事実出典15 https://www.oxfordpv.com/press-releases/oxford-pv-solar-technology-award
Oxford PVの2024年の出展と26.9%のモジュール、Fraunhofer CalLabの認定事実出典14 https://www.oxfordpv.com/press-releases/oxford-pv-solar-sustainability-initiative
2026年にOxford PVとFraunhofer ISEのモジュール(25.6%)をIntersolarで初展示、屋根用と地上用事実出典16 https://www.ise.fraunhofer.de/en/press-media/press-releases/2026/perovskite-silicon-solar-cells-meet-matrix-shingled-interconnection.html
機関の4つの型の区分とIntersolar Europeの位置づけ本稿の計算本稿による整理
2026年の会議でのペロブスカイトの扱い、ペロブスカイト関連の出展社数未確定/将来出典2〜5に記載なし。本稿では推計しない
第6章の見通し3項目推測出典2・8〜10・14〜16からの本稿の解釈

最終更新:2026年9月25日/Troy Technical
本稿の数値はIntersolar Europeの公式サイトとプレスリリース、出展企業と研究機関の公式発表に基づきます。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈です。