COMPANY PROFILE / 光通信・フォトニクス
GlobalFoundries
― 光の製造を「買って、束ねて、米国で育てる」ファウンドリ
GlobalFoundries(GF)は、最先端の微細化競争から距離を置いた米国のファウンドリです。 その会社が2025年11月から1年足らずの間に、シンガポールのシリコンフォトニクス専業ファウンドリAMFを4億5,300万ドルで買収し、 光通信チップの設計会社を買い、CPO(光電融合パッケージ)向けの「SCALE」を発表し、 米商務省から3億ドルの研究開発助成を受ける意向表明を交わしました。 さらに光源となるインジウムリン(InP)のレーザーを載せる受託サービスを、オランダのSMART Photonicsと組んで打ち出しています。 本稿では、会社全体の規模は1つの表にとどめ、光のために何を買い、誰と組み、どこまで作れるのかを、 米国SEC提出書類とGFおよび提携相手の公式発表だけで整理します。
- 30秒でわかるGlobalFoundriesと、光通信・フォトニクスでの立ち位置
- ロゴと社名の表記について
- 光通信・フォトニクスの世界で、この会社はどこにいるか
- 会社の規模(会社全体は簡潔に)
- 光通信・フォトニクスにかけているリソース
- これまでの取り組み
- 今後の計画
- この会社は光通信・フォトニクスで何を目指しているか
- 光通信・フォトニクス分野の提携マッピング
- 提供している技術・製品・サービス
- この企業が抱えるリスク
- 用語集/出典/主張と出典の対応表
1. 30秒でわかるGlobalFoundriesと、光通信・フォトニクスでの立ち位置
マルタ400 Stonebreak Road Extension
4億5,300万ドルシンガポールのシリコンフォトニクス専業。2025年11月
(意向表明の段階)米商務省CHIPS研究開発室。2026年7月
光通信に関わる企業は、大きく光部品・光モジュールの会社/半導体・ファウンドリ/通信装置・通信事業者の3種類に分かれます。 GFは半導体・ファウンドリで、顧客が設計した光のチップ(PIC)を受託製造する側です 事実。
GFの特徴は、光のチップだけでなく、光の信号を電気に戻す高速アナログ回路(SiGe)、 パッケージ、そして2026年9月からはシリコンでは作れない光源(InPレーザー)を載せる工程まで、 光の送受信に必要な部品を1社の工場群でそろえようとしている点です。 20-Fはシリコンフォトニクスを6つの差別化製品群の1つと位置づけ、2026年8月の決算発表でCEOは 「AIデータセンター内の光ネットワーク」を戦略的な成長の柱に挙げています。
2. ロゴと社名の表記について
GlobalFoundriesのロゴは同社の商標です。本稿では生成画像による再現を行わず、
公式サイトのページに埋め込まれているロゴのSVGをそのまま取り出して img/globalfoundries_logo.svg として設置しています。
表記の注意:法定開示上の社名は大文字の GLOBALFOUNDRIES Inc.、ロゴと一般の表記は GlobalFoundries、会社自身は略して GF と書きます。 本稿では初出を「GlobalFoundries(GF)」とし、以後はGFと表記します。 買収したAdvanced Micro Foundry(AMF)は、略称がAMDと似ていますが別の会社です。
公式サイト:https://gf.com/3. 光通信・フォトニクスの世界で、この会社はどこにいるか
図1の中央の枠の説明は「スイッチ・GPUの出口を持つ」ですが、これはNVIDIAやBroadcomのような自社製品を持つ半導体会社に当てはまる性質で、 GFには当てはまりません。GFは出口を持たず、出口を持つ会社や光モジュール会社から製造を請け負う立場です 未確定/将来。 その代わり、GFが扱う光の範囲は広く、公式の技術ページは差し込み式の光トランシーバー(長距離のコヒーレント光を含む)、LPO、NPO、CPOのすべての形に対応するとしています 事実。 それぞれの方式の違いは、本シリーズの技術解説「光トランシーバー」「NPOとLPO」「Co-packaged Optics」で扱っています。
4. 会社の規模(会社全体は簡潔に)
会社全体は本稿の主題ではないので、規模と、光が含まれる市場区分の売上だけを押さえます 事実。
| 指標(百万ドル) | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,392 | 6,750 | 6,791 |
| うち「通信インフラ・データセンター」向け | 863(12%) | 577(9%) | 745(11%) |
| 研究開発費 | ― | 496(売上比7.3%) | 518(売上比7.6%) |
| 従業員数(12月31日) | ― | ― | 約14,000人(うち研究開発 約1,600人) |
「―」は本稿で使った2025年12月期20-Fの該当箇所に数値がないもの。
「通信インフラ・データセンター」には、光のほかに無線基地局(5G・6G)、衛星通信、タイミングICなどが含まれます。 20-Fは2025年にこの区分が29.1%伸びた理由を「シリコンフォトニクスの光ネットワークと衛星通信の成長」と書いていますが、 シリコンフォトニクス単独の売上高は開示していません 未確定/将来。 買収したAMFは、2025年の連結売上の1%未満、総資産の約1%とされています(買収が11月だったため、連結されたのは約1か月半分です)。 「GFのシリコンフォトニクス売上が2026年に倍増」といった数字は報道や調査会社によるもので、本稿では採用しません。
5. 光通信・フォトニクスにかけているリソース
手順として「人・金・外部への出資や買収・大学や公的資金」の4点を確認しました。GFは4点すべてに具体的な記述があります。
| リソースの種類 | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 人(専任組織) | 公式発表に「Photonics & RF businesses」担当の上級副社長と、シリコンフォトニクス事業のシニアフェローの肩書きが登場し、光を担う事業組織があることが分かる。光の専任人員数は非公表。会社全体の研究開発人員は約1,600人 | 事実 |
| 人(買収で得た技術者) | AMFの人材(15年超の製造経験)と、InfiniLinkのエジプト拠点の設計技術者。InfiniLinkはSerDes・光トランシーバー用チップセット・モノリシックのシリコンフォトニクスの設計に強みを持つと説明 | 事実 |
| 金(買収) | AMF:4億5,300万ドル(現金)/InfiniLink:4,800万ドル。いずれも2025年11月 | 事実 |
| 金(研究開発費・設備) | 会社全体の研究開発費は5億1,800万ドル(2025年)。光向けの内訳と、光向けの設備投資額は非公表 | 非公表 |
| 公的資金 | 米商務省のCHIPS研究開発室が3億ドルを助成する意向表明(LOI)を2026年7月に締結。対象は次世代の光材料、ウェーハ技術、3次元ハイブリッド接合を含む先端パッケージ。別の合意で商務省がGF株式の約1%を受け取る | 事実(助成は未確定) |
| 研究機関 | シンガポールにシリコンフォトニクスの研究開発拠点(CoE)を設け、政府系研究機関A*STARと400Gbps向けの次世代材料を研究する計画 | 事実(計画) |
| 拠点 | 米国ニューヨーク州マルタとシンガポールで300mm・200mmのシリコンフォトニクスを製造。マルタに「Advanced Photonics & Packaging Center」を置き、パッケージの米国内移管を計画。SiGeは米国バーモント州バーリントン | 事実 |
CHIPS助成の意向表明は、対象の最初に「次世代の光材料(novel optical materials)」を挙げています 事実。 シリコンは光を通す導波路としては優秀ですが、電気で光を変調する効果が弱く、光を出すこともできません。 そのため1レーンあたりの速度を200Gから400Gへ上げる段階では、 シリコンより強い電気光学効果を持つ材料を導波路に組み合わせる研究が各社で進んでいます(本シリーズの技術解説「光変調と変調方式」「薄膜ニオブ酸リチウム」を参照)。 GFがどの材料を使うかは公表されていません 未確定/将来。 ただ、シンガポールでA*STARと研究するのも「400Gbps向けの次世代材料」であり、 材料の置き換えが次の世代の焦点だと会社が見ていることは、2つの発表の書きぶりから読み取れます。
6. これまでの取り組み
| 時期 | できごと | 意味 |
|---|---|---|
| 〜2025年 | GFは自らを「シリコンフォトニクスで10年以上の技術と製造の蓄積がある」と説明。第1世代(1波長あたり最大100G)、第2世代(同200G)の製造プロセスを提供 | 現在の差し込み式トランシーバー向けの土台 |
| 10年以上前〜 | Marvellとの協業が始まる(2026年9月の発表は「10年以上の協業」と説明)。GFは先端SiGeを10年以上製造している | 光の「電気側」の部品でも長い取引がある |
| 2025年11月14日 | InfiniLinkを4,800万ドルで買収。ハイパースケールデータセンター向けの光データ接続チップの設計会社 | 社内に光のチップ設計力を持った |
| 2025年11月 | AMFを4億5,300万ドルで買収。GFは「売上で最大のシリコンフォトニクス専業ファウンドリになった」と主張 | 米国に加えシンガポールの200mmラインを得た。買収完了日は20-Fの中でも11月14日と11月18日の2通りの記載がある |
| 2025年通期 | 「通信インフラ・データセンター」の売上が前年比29.1%増の7億4,500万ドル。理由としてシリコンフォトニクスの光ネットワークを挙げる | 光が数字に表れ始めた(単独の金額は非開示) |
| 2026年3月 | OFC 2026で、SENKOとウェーハ段階で着脱できる光ファイバー接続を実演。Corning・EXFOとCPOの一連の技術を展示。Siluxtekが200G/レーンのシリコンフォトニクス受光チップをGFで製造する提携を発表 | CPOの量産で課題になる「ファイバーをどう付けて、どう検査するか」に手を打った |
| 2026年5月4日 | CPO向けの光モジュール技術SCALEを発表。OCI MSAの仕様を上回る初のプラットフォームと主張 | 光エンジンの形で顧客に提示できる製品を持った |
| 2026年7月29日 | 米商務省と3億ドルのCHIPS研究開発助成の意向表明。AMD・Broadcom・Cisco・Corning・Lumentum・Marvell・Meta・Microsoft・NVIDIA・Qualcommの幹部が支持コメント | 米国内での光の量産を国が後押しする形になった |
| 2026年8月5日 | 第2四半期決算で、CEOが「AIデータセンター内の光ネットワーク」を戦略的な成長の柱の1つに挙げる | 経営の優先順位として公言 |
| 2026年9月17日 | Marvellと複数年契約を拡大。バーリントン工場のSiGe生産能力を増強し、差し込み式・NPO・CPO向けの光接続に供給。現行技術は200G/レーンに対応 | 光の電気側の部品で、大口顧客の需要を取り込んだ |
| 2026年9月21日 | SMART Photonicsと、シリコンとInPを組み合わせたオープンアクセスの受託サービスを発表。GFのシリコンに作った凹部に、SMART PhotonicsのレーザーとSOAをフリップチップで実装。一般提供は2027年下半期の予定 | シリコンでは作れない光源を、自社の工程に取り込む道を作った |
7. 今後の計画
400G/波長への道筋早期アクセスを提供中。量産時期は非公表
電力効率5倍現行世代比。CHIPS発表に書かれた目標値
公式の技術ページには、チップ上のレーザー(開発中)への対応や、マルタのAdvanced Photonics & Packaging Centerへのパッケージの米国内移管の計画も書かれています 事実。 CHIPS助成の意向表明は、NPOとCPOの量産を米国内で実現する道筋を作ることを目的に掲げ、マルタとバーリントンの既存設備を使うとしています。
次はいずれもGFの公式資料・SEC提出書類に記載がありません 未確定/将来。
シリコンフォトニクスの売上高と成長目標/光向けの設備投資額と生産能力/ CHIPS助成の最終合意の時期と支払い条件/SCALEの最初の顧客名と量産開始時期/ 「新しい光材料」の具体的な材料名/シンガポールの300mm化の時期。 なお2026年9月3日に米商務省向けの株式発行契約が6-Kで開示されていますが、同じ時期に量子分野の助成(3億7,500万ドル)の意向表明もあり、 この株式発行がどの助成に対応するかは書類に書かれていないため、本稿では光の助成と結び付けません。
8. この会社は光通信・フォトニクスで何を目指しているか
ここは会社が直接には述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。
| 読み取れること | 根拠となる一次情報 | 区分 |
|---|---|---|
| 光の送受信に必要な部品を1社の工場群でそろえる「光の総合ファウンドリ」 | シリコンフォトニクス(AMF買収で拡大)、SiGe(Marvellとの契約拡大)、パッケージ(SCALE・ハイブリッド接合)、光源(SMART PhotonicsのInPレーザー)、設計(InfiniLink)を1年足らずでそろえた | 推測 |
| 米国とシンガポールの2拠点で、調達先を分けたい顧客を取り込む | AMF買収の発表が「複数の地域から調達できる」ことを利点に挙げ、CHIPS発表は「米国に拠点を置く量産への道」を強調している。Metaは支持コメントで「複数の供給者・地理的に分散した供給網」が最善だと述べた | 推測 |
| 業界の共通仕様(OCI MSA)に合わせ、特定の顧客に縛られない製品にする | SCALEを「OCI MSAに対応した初のプラットフォーム」と位置づけ、ファイバーを着脱できる方式と良品チップの事前検査を強調している | 推測 |
| 当面の稼ぎ頭はCPOではなく差し込み式トランシーバー | CHIPS発表が「GFのシリコンフォトニクスは今日の差し込み式光配線を支えている」と書き、NPO・CPOは「移行を可能にする」と将来形で書いている。SMART Photonicsとの受託サービスも「今日の差し込み式トランシーバー」の効率化をうたう | 推測 |
| 光は全社の成長戦略の柱 | 2026年8月の決算発表でCEOが「AIデータセンター内の光ネットワーク」を戦略的な成長の柱に挙げた | 事実 |
シリコンフォトニクスの最大の弱点は、シリコンが光を出せないことです。 光源のレーザーはInPなどの化合物半導体で別に作り、何らかの方法で光のチップにつなぐ必要があります。 GFの技術ページは「チップ上のレーザー」を開発中と書き、 2026年9月にはSMART Photonicsと組んで、GFのシリコンに作った凹部にInPのレーザーと光増幅器をフリップチップで埋め込む受託サービスを発表しました 事実。 両社は「寸法の適合と効率的な光結合」の要求を満たすため、1年以上の共同開発を行ったと書いています。 GFのシニアフェローは「顧客は能動部品がシリコンフォトニクスに継ぎ目なく統合されることを求めている」と述べました。 ここから本稿は、GFが光のチップの受託製造から一歩進んで、光源まで含めた「光エンジン一式」を顧客に渡せる形を目指していると読みます 未確定/将来。 光源の実装については本シリーズの技術解説「半導体レーザー」「光集積回路とインジウムリン」を参照してください。
9. 光通信・フォトニクス分野の提携マッピング
10. 提供している技術・製品・サービス
| 項目 | 公式資料の記述 | 量産かデモか |
|---|---|---|
| 第1世代プロセス | 1波長あたり最大100G。帯域55GHz、チャネル間隔100〜400GHz | 量産(会社は「広く採用された」と説明) |
| 第2世代プロセス | 1波長あたり最大200G。帯域65GHz超、チャネル間隔200GHz | 「実証済み」と記載 |
| 第3世代プロセス | 1波長あたり400Gへの道筋 | 早期アクセス(開発) |
| SCALE(CPO向け) | CWDMとDWDMを使い、1本のファイバーで双方向に送受信。8波長・16波長の双方向DWDMを実証。着脱式ファイバーで片方向4波長から8波長以上へ拡張可能。EICは1桁ナノメートル世代の先端プロセスで統合 | 波長多重は実証段階。目標は400Gb/s・電力効率5倍 |
| 認定済みの光素子 | 50Gbps・100Gbpsのマイクロリング変調器、結合リング共振器、集積フォトダイオード | 「完全に認定済み(fully-qualified)」と記載 |
| 波長フィルター | 温度依存のないCWDMフィルター:挿入損失1dB未満、リップル0.2dB未満、クロストーク−30dB未満 | 「実証済み」と記載 |
| パッケージ | TSV、銅パッドのピッチ110μm〜45μm未満(有機基板からシリコンインターポーザまでの2.5D/3D積層)、着脱式ファイバー接続 | 提供中 |
| SiGe(電気側) | 光トランシーバーの高速アナログ回路向け。現行技術は200G/レーンに対応 | 量産(Marvell向けに能力拡大) |
| 光源の実装 | SMART PhotonicsのInPレーザーとSOAを、GFのシリコンの凹部にフリップチップで実装する受託サービス。別にチップ上のレーザーを開発中 | 一般提供は2027年下半期の予定 |
「OCI MSAに対応した業界初のプラットフォーム」「OCI MSAの要求を上回る」はGF自身の主張です 事実。 OCI MSA(Optical Compute Interconnect Multi-Source Agreement)側がGFの製品を適合と認めたことを示す資料は、本稿では確認できませんでした 未確定/将来。 波長多重とマイクロリングの仕組みは、本シリーズの技術解説「波長多重とマイクロリング」「シリコンフォトニクス」で扱っています。
SMART Photonicsとの受託サービスは、シリコンのウェーハに掘った凹部(キャビティ)に、InPのレーザーを上下逆さまに載せて接合する方式です 事実。 レーザーの出射口とシリコンの導波路は、どちらも幅が数マイクロメートル以下の光の通り道なので、 高さ方向と横方向の位置が1マイクロメートル以下の精度でそろわないと光がほとんど入りません。 凹部の深さ、接合材(はんだ)の厚み、接合後の収縮まで含めて寸法を合わせ込む必要があり、 両社が「寸法の適合と効率的な光結合」のために1年以上共同開発したと書いているのはこのためだと考えられます 未確定/将来。 さらにInPとシリコンは熱膨張係数が違うため、レーザーの発熱と温度の繰り返しで接合部に応力がかかります。 光源を外付けにせずパッケージの中に取り込むほど、接合材と熱設計の材料選びが製品寿命を決めることになります。
11. この企業が抱えるリスク
| リスク | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 助成が確定していない | 3億ドルは意向表明(LOI)の段階で、最終的な助成契約ではない | 事実 |
| 光の規模がまだ小さい可能性 | 光を含む「通信インフラ・データセンター」は2025年に7億4,500万ドルで、売上全体の11%。シリコンフォトニクス単独の売上は非開示。AMFは連結売上の1%未満 | 事実 |
| 会社全体の伸び悩み | 2025年の売上は前年比0.6%増にとどまり、最大の市場であるスマートフォン向けは12.1%減。光に成長を託す構図になっている | 事実 |
| 買収の統合 | AMF(シンガポール)、InfiniLink(エジプト拠点)、SMART Photonicsとの協業と、国と会社をまたぐ統合を短期間に進めている | 推測 |
| CPOの普及ペース | SCALEはCPO向けだが、会社自身が「今日の主力は差し込み式」と書いている。CPOの普及が遅れれば、SCALEへの投資の回収も遅れる | 推測 |
| 支配株主の存在 | 過半数株主のMubadalaが会社に大きな支配力を持ち続けると20-Fに記載。光に限らない全社的な事項 | 事実 |
| 他のファウンドリとの競争 | 本シリーズで扱うTSMC(COUPE)、Tower Semiconductor、UMCもシリコンフォトニクスの受託製造を公式に打ち出している | 本稿による整理 |
12. 用語集
- シリコンフォトニクス
- シリコンのウェーハの上に、光の通り道(導波路)や変調器・受光器を半導体の製造工程で作り込む技術。
- CPO/NPO/LPO
- CPOは光の送受信部をチップと同じパッケージに、NPOはそのすぐ近くに置く方式。LPOは信号処理用のDSPを省いた差し込み式。
- OCI MSA
- Optical Compute Interconnect Multi-Source Agreement。AIの計算機どうしを光でつなぐための業界の共通仕様。
- CWDM/DWDM
- 1本のファイバーに複数の波長の光を通す波長多重。CWDMは波長の間隔が粗く、DWDMは細かい。
- SiGe
- シリコンゲルマニウム。高速のアナログ回路に使い、光トランシーバーではレーザーの駆動や受光信号の増幅を担う。
- InP
- インジウムリン。光を出せる化合物半導体で、通信用レーザーの主要な材料。
- フリップチップ
- チップを上下逆さにして、はんだなどで基板や別のチップに直接接合する実装方法。
- LOI(意向表明)
- 最終契約の前に、当事者が条件の大枠と意向を示す書面。法的な拘束力は最終契約より弱い。
13. 出典
- GLOBALFOUNDRIES Inc. Form 20-F for the fiscal year ended December 31, 2025(米国SEC提出、2026年2月27日)。6つの製品群、市場別売上、研究開発費、従業員数、AMF・InfiniLinkの買収対価と完了日、拠点、Mubadalaによる支配。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1709048/000170904826000022/gfs-20251231.htm
- GLOBALFOUNDRIES Inc. 2025年第4四半期・通期決算発表(Form 6-K 添付資料、2026年2月11日)。AMFとInfiniLinkの買収の説明。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1709048/000170904826000012/globalfoundries4q2025earni.htm
- GLOBALFOUNDRIES Inc. 2026年第1四半期決算発表(Form 6-K 添付資料、2026年5月5日)。SCALEの発表、OFC 2026でのSENKO・Corning・EXFO・Siluxtekとの発表。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1709048/000170904826000111/globalfoundries1q2026earni.htm
- GLOBALFOUNDRIES Inc. 2026年第2四半期決算発表(Form 6-K 添付資料、2026年8月5日)。CEOの光ネットワークに関する発言、CHIPS助成の意向表明、量子分野の助成の意向表明。 https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1709048/000170904826000218/globalfoundries2q2026earni.htm
- GlobalFoundries プレスリリース「GlobalFoundries Acquires Advanced Micro Foundry, Accelerating Silicon Photonics Global Leadership and Expanding AI Infrastructure Portfolio」(2025年11月17日付、同18日掲載)。AMFの200mmライン、300mm化の計画、A*STARとの研究拠点。 https://gf.com/news-and-events/news/globalfoundries-acquires-advanced-micro-foundry-accelerating-silicon-photonics-global-leadership-and-expanding-ai-infrastructure-portfolio/
- GlobalFoundries プレスリリース「GlobalFoundries accelerates adoption of co-packaged optics for advanced AI data centers with SCALE optical module solution」(2026年5月4日)。SCALEの構成と光素子。 https://gf.com/news-and-events/news/globalfoundries-accelerates-adoption-of-co-packaged-optics-for-advanced-ai-data-centers-with-scale-optical-module-solution/
- GlobalFoundries プレスリリース「GlobalFoundries signs letter of intent with the U.S. Department of Commerce for a $300 million award to accelerate U.S. silicon photonics leadership」(2026年7月29日)。助成の対象、SCALEの目標値、商務省の株式取得、10社の支持コメント。 https://investors.gf.com/news-releases/news-release-details/globalfoundries-signs-letter-intent-us-department-commerce-300
- GlobalFoundries プレスリリース「GlobalFoundries and Marvell expand collaboration for next-generation optical connectivity」(2026年9月17日)。SiGeの生産能力拡大、200G/レーン対応、Photonics & RF事業担当上級副社長のコメント。 https://gf.com/news-and-events/news/globalfoundries-and-marvell-expand-collaboration-fornext-generation-optical-connectivity/
- SMART Photonics プレスリリース「SMART Photonics Partners with GlobalFoundries to Offer Industry’s First Open Access Foundry Service for Integrated Silicon and Indium Phosphide Photonics Products」(2026年9月21日)。InPレーザーとSOAのフリップチップ実装、1年以上の共同開発、2027年下半期の一般提供。 https://www.smartphotonics.nl/knowledge-hub/smart-photonics-partners-with-globalfoundries
- GlobalFoundries 技術ページ「Silicon photonics」。対応する光の形態、第1〜第3世代の仕様、CWDMフィルター、製造拠点、チップ上のレーザー(開発中)、SENKO・Corningとの協業。 https://gf.com/technologies/silicon-photonics/
- GlobalFoundries 公式サイト(社名表記とロゴの取得元)。 https://gf.com/
14. 主張と出典の対応表
最終更新:2026年9月26日/Troy Technical
本稿の数値はすべてGLOBALFOUNDRIES Inc.が米国証券取引委員会(SEC)に提出した書類、同社の公式発表・技術ページ、および提携相手の公式発表に基づきます。調査会社の推計値・報道ベースの数値は使用していません。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。