COMPANY PROFILE / 光通信・フォトニクス
新易盛(Eoptolink)
― タイ工場を主力に、売上の96%を中国国外で稼ぐ高速光モジュールメーカー
新易盛は、四川省成都に本社を置く光モジュール(光トランシーバー)専業の会社です。 2025年の売上高は248億4,200万元(人民元)で前年のほぼ3倍になり、そのうち96.16%が中国国外向けでした。 生産の主力はタイの子会社で、その売上だけで219億元に達します。 2026年3月の展示会OFC 2026では、12.8Tの液冷プラガブル「XPO」や、自社開発のMEMSミラーを使った光回路スイッチ(OCS)を発表し、 光モジュールの外側にも手を広げ始めました。 本稿では、深圳証券取引所に提出された年次報告・半期報告と同社の公式リリースだけを使い、 この会社が光通信・フォトニクスに何を投じ、誰と組み、どこへ向かおうとしているかを整理します。
- 30秒でわかる新易盛と、光通信・フォトニクスでの立ち位置
- ロゴと社名の表記について
- 光通信・フォトニクスの世界で、この会社はどこにいるか
- 会社の規模
- 光通信・フォトニクスにかけているリソース
- これまでの取り組み
- 今後の計画
- この会社は光通信・フォトニクスで何を目指しているか
- 光通信・フォトニクス分野の提携マッピング
- 提供している技術・製品・サービス
- この企業が抱えるリスク
- 用語集/出典/主張と出典の対応表
1. 30秒でわかる新易盛と、光通信・フォトニクスでの立ち位置
股份有限公司英文名 Eoptolink Technology Inc., Ltd
光通信・フォトニクスに関わる企業は、大きく光部品・光モジュール/半導体・ファウンドリ/通信装置・通信事業者の3種類に分かれます。 新易盛はこのうち光部品・光モジュールの会社で、売上の99.72%が「光互聯製品」(光モジュールなど)です 事実。 年次報告は産業チェーンを「上流=光チップ・電気チップ・PCB・構造部品の供給者」「中流=光互聯の解決方案提供者」と整理し、 自社を中流に置いています。上流から買ったチップを「精密な実装と封止」で光エンジン・光モジュールに組み上げるのが本業です。 注目すべきは、年次報告の将来戦略に「光チップの研究開発、光部品の実装、光モジュール製造の全工程をカバーする垂直統合」が掲げられている点です。 現時点ではチップを買う側ですが、チップまで手を伸ばす意思を明言しています。
2. ロゴと社名の表記について
新易盛のロゴは同社の商標です。本稿では生成画像による再現を行わず、
年次報告に記載された同社の公式サイトから取得した画像を img/eoptolink_logo.png として設置しています(元画像が小さいため表示も小さめです)。
表記の注意:中国語の正式名称は成都新易盛通信技術股份有限公司、英文名は Eoptolink Technology Inc., Ltd、英文略称は「Eoptolink」です。 日本語では「新易盛(しんえきせい)」と書かれることが多く、本稿もそれに従います。 株式市場での略称も「新易盛」です。
公式サイト:https://www.eoptolink.com/3. 光通信・フォトニクスの世界で、この会社はどこにいるか
光のどの領域に関わるかで見ると、新易盛の製品は大部分がデータセンター内の光インターコネクト(AI計算クラスターとクラウドデータセンター)向けです。 ほかに通信網(伝送網、5G無線、FTTx固定アクセス)向けの中・低速品と、データセンター間を結ぶコヒーレント製品を持ちます 事実。
| 領域 | 主な製品(年次報告・半期報告の記載) | 位置づけ |
|---|---|---|
| データセンター内の光インターコネクト | 1.6T・800G・400G・200Gの光モジュール(OSFP・QSFP-DDなど)、LPO/LRO、XPO、NPO | 成長の中心。年次報告は400G以上を「中核製品で業績成長のエンジン」と表現 |
| データセンター内の光スイッチ | 光回路スイッチ(OCS)NX200・NX300 | 2026年3月に発表した新領域 |
| データセンター間(DCI) | 800G OSFPと400G QSFP-DDのコヒーレント品(OIFの800ZR・400ZRに準拠と記載) | 長距離(120km・480kmなど)にも対応と記載 |
| 通信網 | 200G・100Gの光モジュール(5Gの中間・後方伝送、固定アクセスなど) | 中・低速品 |
4. 会社の規模
新易盛は売上の99%以上が光通信製品なので、会社全体の数字がほぼそのまま光通信の事業規模です 事実。
| 指標(億元) | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年1〜6月 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 30.98 | 86.47 | 248.42 | 209.10 |
| うち光互聯製品 | ― | 85.99 | 247.71 | 208.83 |
| 上場会社株主に帰属する純利益 | 6.88 | 28.38 | 95.32 | 75.29 |
| 研究開発投入 | 1.34 | 4.03 | 7.02 | ― |
| 固定資産等の取得(設備投資) | ― | 14.76 | 13.20 | ― |
| 光互聯製品の数量(万個) | 生産能力 | 生産量 | 販売量 | 売上総利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年 | 1,095 | 984 | 877 | 44.85% |
| 2025年 | 1,747 | 1,634 | 1,603 | 47.81% |
| 2026年1〜6月 | 2,836 | 1,091 | 1,119 | 48.46% |
光互聯製品の売上を販売量で割ると、1個あたりの平均売上は2024年 約980元 → 2025年 約1,545元 → 2026年上半期 約1,866元と上がっています 本稿の計算。高速品の比率が上がっていることの表れと読めますが、製品別の価格ではありません。
なお2026年上半期の「生産能力2,836万個」は、半期報告の表にそのまま載っている数字です 事実。 同じ期間の生産量は1,091万個で、数字上は能力の4割弱しか使っていないように見えます。 ただし、この能力が年換算か半期分か、どの製品で数えた値かは報告に説明がなく、稼働率として読むのは避けるべきです 未確定/将来。
| 人員(2025年末) | 人数 | 研究開発人員の内訳 | 人数 |
|---|---|---|---|
| 生産 | 7,400 | 博士 | 11 |
| 技術(研究開発) | 805 | 修士 | 119 |
| 販売 | 57 | 学士 | 427 |
| 合計(在職) | 8,537 | 研究開発人員の比率 | 9.43% |
5. 光通信・フォトニクスにかけているリソース
本稿で扱う4つの観点(人/金/外部への出資・買収・合弁/大学・研究機関・公的資金)について、 確認できたことと、できなかったことを分けて示します。
| 観点 | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 人 | 研究開発人員805人(前年605人から33.06%増)。研究体制は電子回路設計、集積光学設計、熱解析、高密度実装、シリコンフォトニクスのチップ設計と集積、光部品の結合・試験までを含むと記載 | 事実 |
| 金(研究開発) | 研究開発投入7億214万元(2025年、売上高の2.83%。前年は4.66%)。資本化はゼロ。売上の伸びが速いため比率は下がった | 事実 |
| 金(設備投資) | 固定資産等の取得に13億1,970万元(2025年、前年14億7,634万元)。タイ工場の第2期が2025年初めに稼働し、生産能力を順次引き上げ中 | 事実 |
| 海外拠点 | タイ子会社(泰国新易盛、資本金46億6,100万バーツ)の2025年の売上は219億949万元、純利益は14億925万元。グループの持分は92.22% | 事実 |
| 買収 | 米国のAlpine Optoelectronics Inc.(研究開発)とその全額出資子会社の成都紫峰光電(製造)を、支配関係のない会社の合併(取得)として連結。取得時期と金額はこの年次報告の該当箇所には記載なし | 子会社であることは事実/取得の詳細は確認できず |
| 外部からの出資(子会社) | 2025年3月、シンガポールの子会社が社名非開示の投資者SPVにA種株式1,440万株を1,440万米ドルで発行。グループの持分は100%から92.22%へ | 事実(出資者名は非開示) |
| 公的資金 | 損益に計上した政府補助金は3,022万元(2025年)。どの事業・技術への補助かの内訳は記載なし | 金額は事実/内訳は確認できず |
| 大学・研究機関 | 年次報告は「大学・研究機関との技術交流と協力を強化」「産学研協力を強化」と書くが、相手の名前や契約内容は記載なし | 確認できず |
| 業界団体 | XPO MSAの創設メンバーとして参加。Open Compute Project(OCP)のOCSプロジェクトにも参加 | 事実(公式リリース) |
研究開発投入の売上高比は、2023年4.32% → 2024年4.66% → 2025年2.83%と下がりました 事実。 ただし金額は1億3,377万元から7億214万元へ約5.2倍に増えています 本稿の計算。 売上が3倍近くに伸びたため比率が下がった、というのが実態です。
光モジュールの会社の研究開発は、チップそのものを作る会社と違い、 光学設計、熱設計、高周波の基板設計、そして実装工程の開発が中心になります。 ウェーハ工場を持つ会社のような大型の設備投資を研究開発費として抱えない分、比率は低く出やすい構造です(一般的な解説)。 一方で新易盛は、年次報告の研究体制に「シリコンフォトニクスのチップ設計と集積」を挙げ、将来戦略で光チップの研究開発まで含む垂直統合を掲げています。 チップに踏み込むなら、この比率は上がっていくはずで、今後の研究開発費の動きはその本気度を測る指標になると本稿は考えます 未確定/将来。
6. これまでの取り組み
年次報告は、自社を「2019年以来、毎年業界をリードする新世代の光互聯製品を投入してきた」と説明しています。「業界初」「世界初」は会社自身の表現です。
| 時期 | できごと | 意味 |
|---|---|---|
| 時期は記載なし | 会社は「世界で最初にLPO光モジュールを投入し、量産した」「世界で最初期に1.6T光モジュールを量産・出荷した会社の1つ」と主張 | 低消費電力方式と1.6T世代への早い参入(会社の主張) |
| 2025年初め | タイ工場の第2期が正式稼働 | 中国国外での量産体制を拡大 |
| 2025年3月 | シンガポール子会社が投資者SPVにA種株式を発行(1,440万米ドル) | 海外事業の資本構成を変更 |
| 2025年 | 売上248億4,200万元(187.29%増)、純利益95億3,200万元(235.89%増)。中国国外向けが96.16%に | 国内売上は48.19%減り、海外に集中 |
| 2026年3月11日 | Broadcomの3nm・400G/レーン光DSP「Taurus BCM83640」の発表で、新易盛のCEOが同DSPを使った「業界初の448G/レーンのトランシーバー」に言及(同社サイトにも掲載) | 400G/レーン世代の部品を早期に確保 |
| 2026年3月12日 | 12.8TのXPOモジュールを発表し、XPO MSAに創設メンバーとして参加。同日、400G/波長の1.6T DR4を実演 | 液冷プラガブルという新しい形を業界標準化の側から推す |
| 2026年3月13日 | シリコンフォトニクスによる6.4TのNPOモジュールを発表 | CPO/NPO方向の製品 |
| 2026年3月16日 | 自社開発MEMSミラーによる光回路スイッチNX200(140ポート)・NX300(320ポート)を発表 | 光モジュール以外の製品領域へ |
| 2026年1〜6月 | 売上209億1,000万元(前年同期比100.34%増)、純利益75億2,900万元(90.98%増) | 成長率は鈍化したが規模は拡大 |
7. 今後の計画
生産能力の引き上げ年次報告の2026年経営計画
CPO・OCS研究開発と産業化を推進。時期は非公表
2拠点体制自動化・高精度装置への投資を継続
垂直統合光チップの研究開発・部品実装・モジュール製造の全工程
年次報告の将来戦略は、(1) AI計算の主流に照準を合わせた技術、(2) 大規模な供給能力による成長、(3) 北米・欧州・東南亜の販売網と中国・タイの製造拠点による全球供給、 (4) 大手顧客・上流の主要供給者との協力、(5) 人材、(6) 垂直統合、の6項目で構成されています 事実。 研究開発の個別プロジェクトとしては、12.8T XPO(2枚基板+液冷の一体構造を目標)、送受信を分けた6.4Tモジュール、 シリコンフォトニクスによる1.6T LPO、1.6T 4xDR4、1.6TのAEC(アクティブ電気ケーブル)などが挙がっています。
次はいずれも年次報告・半期報告・公式リリースに記載がありません 未確定/将来。
主要顧客・主要仕入先の社名/製品別(800G・1.6Tなど)の売上内訳/XPO・NPO・OCSの量産開始時期と受注/ 光チップ内製化の具体的な計画・投資額・時期/Alpine Optoelectronicsの取得時期と取得額/投資者SPVの正体。 年次報告・半期報告には調査会社(LightCounting、ICC)の市場予測が引用されていますが、会社自身の数値ではないため本稿では採用しません。
8. この会社は光通信・フォトニクスで何を目指しているか
ここは会社が直接には述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。
| 読み取れること | 根拠となる一次情報 | 区分 |
|---|---|---|
| いずれは光チップまで自社で持つ会社になろうとしている | 年次報告の将来戦略に「光チップの研究開発、光部品の実装、光モジュール製造の全工程をカバーする垂直統合」と明記。研究体制にシリコンフォトニクスのチップ設計・集積を含む | 事実(会社の戦略)/実現の見通しは推測 |
| プラガブルを延命させる形(XPO)を標準化で推している | 12.8T XPOを「前面から抜き差しできる保守性を保ちつつ、液冷で高密度化する」と説明し、XPO MSAに創設メンバーとして参加 | 推測 |
| 光モジュールの外側、ネットワーク機器(OCS)にも事業を広げたい | MEMSミラーを自社開発したOCSを発表し、SONiC準拠のOSを載せ、OCPのOCSプロジェクトに参加 | 推測 |
| 米国市場に最適化した供給体制を優先している | 中国国外向けが96.16%で、タイ子会社の売上が全社の約9割の規模。販売網として北米を筆頭に挙げている | 推測 |
AIの計算クラスターでは、スイッチの前面にどれだけの帯域を並べられるか(前面密度)が上限になりつつあります。 CPOはこの問題を「光をチップの横に入れる」ことで解きますが、壊れた光部品を1本だけ抜いて交換する、というプラガブルの保守性を失います。 新易盛のXPOのリリースは、12.8T(200G×64レーン)のモジュールで4Uの装置に204.8Tbpsを収め、現行の1.6T OSFPの4倍の密度になると説明し、 1モジュールあたり最大400Wを冷やせるコールドプレートを内蔵すると書いています 事実。 同社の営業担当副社長は「前面からの抜き差しという、運用者が頼りにしている保守性と導入の柔軟性を保てる」と述べています。 光モジュールを本業とする会社にとって、CPOに市場を奪われる前に「抜き差しできる形のまま、液冷で密度を上げる」選択肢を業界標準にしておくことは、 自社の事業領域を守ることと同じ意味を持つと本稿は読みます 未確定/将来。 一方で、同じ時期にNPOやOCSも発表しており、1つの方式に賭けているわけではありません。
9. 光通信・フォトニクス分野の提携マッピング
10. 提供している技術・製品・サービス
年次報告・半期報告の製品一覧と、OFC 2026の公式リリースから整理します。 性能の数値は、量産品か展示・デモかを明記しています。規格への準拠は会社の記載によるものです。
| 製品 | 内容(会社の記載) | 状態 |
|---|---|---|
| 1.6T OSFP | DR8・DR8-2・2xFR4・DR4に対応。OSFP MSAの最新標準に準拠、CMIS 5.0以上に対応と記載。200G/波長のFRO・LRO・LPO品もOFC 2026で展示 | 量産(会社は「最初期に量産・出荷した1社」と主張) |
| 1.6T DR4(400G/波長) | 8:4のPAM4 DSPで電気8×200Gを光4×400Gに変換。従来の1.6T DR8よりファイバー本数が50%少ない。現行の102.4Tスイッチで使える | OFC 2026での実演。技術者は「400G/レーンの実現性を検証した」と説明 |
| 800G・400G | OSFP・QSFP-DD(AOC、VR8、DR4、DR8、FR4、2LR4など)。800G OSFPのコヒーレント品はOIF-800ZR、400G QSFP-DDはOIF-400ZRに準拠と記載 | 量産 |
| LPO/LRO | DSPを省く(LPO)、または送信側だけ残す(LRO)低消費電力のプラガブル。会社は「LPOを世界で最初に投入し量産した」と主張 | 量産(主張の検証は不可) |
| 12.8T XPO | 200G×64レーン、4Uで204.8Tbps(1.6T OSFPの4倍の前面密度)。最大400Wを冷やせるコールドプレートを内蔵。リニア・ハーフリタイム・フルリタイムの各インターフェースに対応 | 発表と展示。年次報告では「前期サンプルの試験・評価を完了」 |
| 6.4T NPO | シリコンフォトニクスで200G×32レーン | 発表と展示 |
| 光回路スイッチ(OCS) | NX200(140ポート)・NX300(320ポート)。自社開発のMEMSミラーで光の向きを物理的に変える。SONiC準拠の自社OS | 発表と展示。出荷時期は非公表 |
| 通信網向け | 200G(QSFP56・QSFP28-DD・CFP2)、100G(QSFP28・SFP-DD)。5Gの中間・後方伝送、固定アクセス向け | 量産 |
今回新易盛が発表したOCSとXPOは、どちらも光学より機械・熱の要素が大きい製品です。 OCSは、シリコンを削って作った微小な鏡(MEMSミラー)を電気で傾け、光の向きを物理的に変えます 事実。 鏡の反射率、傾きの角度の再現性、何億回傾けても疲労しない梁(ばね)の材料設計、真空や気密の封止が性能と寿命を決めます(一般的な解説)。 光モジュールの実装とはまったく別の技術体系で、これを「自社開発」と明記した点は、同社の技術の幅が広がっていることを示します。
XPOは、1モジュールで最大400Wを冷やすコールドプレートを内蔵します 事実。 これは現在の800G光モジュール1本の消費電力の数十倍にあたる熱量で、空冷では扱えない領域です(一般的な解説)。 抜き差しできる部品に冷却水の配管をつなぐには、漏れない着脱式の継手と、モジュールとコールドプレートの間の熱界面材料の信頼性が鍵になります。 年次報告は研究開発目標に「2枚基板+液冷の一体構造と実装技術の突破」を挙げており、ここが開発の山場であることを会社自身も認めています。 本シリーズの技術解説「光回路スイッチ」「光トランシーバー」もあわせて参照してください。
11. この企業が抱えるリスク
| リスク | 内容 | 区分 |
|---|---|---|
| 顧客の集中 | 上位5社で売上の72.34%、最大顧客は22.97%(2025年)。社名は非開示 | 事実 |
| 仕入先の集中 | 最大の仕入先1社で年間仕入額の23.87%。上位5社で41.88% | 事実 |
| 特定地域への依存 | 売上の96.16%が中国国外向けで、国内売上は前年から48.19%減。会社自身が国際的な貿易摩擦をリスクに挙げている | 事実 |
| 原材料のひっ迫と在庫 | 半期報告は「産業チェーンの中核原材料は全体としてなお逼迫」と記載。年次報告は、調達期間の長い原材料を予測で先行手配するため、受注が外れれば在庫が滞留し評価損が出るリスクがあると明記 | 事実 |
| 技術の置き換え | 年次報告は「微小光学部品と集積フォトニクスが実用化されるにつれ、光モジュールがより集積度の高い光デバイスに置き換えられるリスク」を明記 | 事実 |
| 買収・対外拡張 | 同業や上流企業の買収・統合を行う方針で、その際の経験不足による失敗リスクを会社自身が挙げている | 事実 |
| 垂直統合の実行リスク | 光チップの内製は、組立中心の会社にとって設備・人材ともに別の事業になる。研究開発費率は2.83%にとどまる | 推測 |
12. 用語集
- 光モジュール(光トランシーバー)
- 電気信号を光に変えて送り、受けた光を電気に戻す部品。スイッチやサーバーに挿して使う。
- LPO/LRO
- LPOは信号処理用のDSPを省いたプラガブル光モジュール。LROは送信側だけにDSPを残す中間の方式。
- XPO
- 液冷を前提とした高密度のプラガブル光モジュールの新しい形。業界団体XPO MSAが仕様を定める。
- NPO
- Near-packaged Optics。光エンジンをスイッチのチップの近くに置く方式。
- 光回路スイッチ(OCS)
- 光を電気に戻さずに、光のまま経路を切り替える装置。
- MEMSミラー
- 半導体の加工技術で作る微小な可動鏡。電気で傾けて光の向きを変える。
- 400G/波長(400G/レーン)
- 光1本(1波長)あたり400Gb/sを送る方式。1.6Tを4本の光で送れる。
- SONiC
- データセンターのネットワーク機器向けのオープンソースのOS。
13. 出典
- 成都新易盛通信技術股份有限公司 『成都新易盛通信技術股份有限公司2025年年度報告』(中国語、深圳証券取引所の指定開示サイト巨潮資訊網で2026年4月24日公表)。会社情報、売上・利益(2023〜2025年)、製品一覧と規格、生産能力・生産量・販売量、地域別売上、上位5社の顧客・仕入先、研究開発投入・人員・研究プロジェクト、従業員数、特許数、タイ子会社、Alpine、シンガポール子会社への出資、設備投資、政府補助金、将来戦略・2026年計画・リスク。 https://static.cninfo.com.cn/finalpage/2026-04-24/1225172598.PDF
- 成都新易盛通信技術股份有限公司 『成都新易盛通信技術股份有限公司2026年半年度報告』(中国語、2026年8月25日公表)。2026年上半期の売上・利益・キャッシュフロー、生産能力・生産量・販売量、製品一覧、OCS NX200/300と3D MEMS、原材料のひっ迫に関する記述。 https://static.cninfo.com.cn/finalpage/2026-08-25/1225499406.PDF
- Broadcom Inc.(新易盛の公式サイトに掲載) 「Eoptolink is using Broadcom's Industry First 400G/lane Optical DSP for Next-Generation 1.6T transceivers」(原文はBroadcomのリリース、2026年3月11日)。Taurus BCM83640の概要と新易盛CEOのコメント。 https://www.eoptolink.com/news/13-new-products/363-eoptolink-is-using-broadcom-s-industry-first-400g-lane-optical-dsp-for-next-generation-1-6t-transceivers
- 成都新易盛通信技術股份有限公司 プレスリリース「Eoptolink Joins XPO MSA and Unveils Industry-First 12.8 Tbps Liquid-Cooled Pluggable Optics for AI Data Centers」(2026年3月12日)。XPOの仕様、XPO MSAへの創設メンバーとしての参加。 https://www.eoptolink.com/news/13-new-products/364-eoptolink-joins-xpo-msa-and-unveils-industry-first-12-8-tbps-liquid-cooled-pluggable-optics-for-ai-data-centers
- 成都新易盛通信技術股份有限公司 プレスリリース「Eoptolink Demos IMDD 400G per Lambda Based 1.6T DR4 Optical Transceiver Solution at OFC 2026」(2026年3月12日)。 https://www.eoptolink.com/news/13-new-products/365-eoptolink-demos-imdd-400g-per-lambda-based-1-6t-dr4-optical-transceiver-solution-at-ofc-2026
- 成都新易盛通信技術股份有限公司 プレスリリース「Eoptolink Unveils High-Density 6.4T NPO Solution at OFC 2026」(2026年3月13日)。 https://www.eoptolink.com/news/13-new-products/366-eoptolink-unveils-high-density-6-4t-npo-solution-at-ofc-2026
- 成都新易盛通信技術股份有限公司 プレスリリース「Eoptolink Demos its NX200 and NX300 Series Optical Circuit Switching (OCS) Solution at OFC 2026」(2026年3月16日)。ポート数、自社開発MEMSミラー、SONiC準拠OS、OCPのOCSプロジェクトへの参加。 https://www.eoptolink.com/news/13-new-products/367-eoptolink-demos-its-nx200-and-nx300-series-optical-circuit-switching-ocs-solution-at-ofc-2026
- 成都新易盛通信技術股份有限公司 公式サイト(年次報告に記載された会社のウェブサイト。社名表記とロゴ画像の取得元)。 https://www.eoptolink.com/
14. 主張と出典の対応表
最終更新:2026年9月26日/Troy Technical
本稿の数値はすべて成都新易盛通信技術股份有限公司が深圳証券取引所の指定開示サイトで公表した年次報告・半期報告(いずれも中国語)と、同社の公式リリースに基づきます。金額の「元」は人民元です。調査会社の推計値・報道ベースの数値は使用していません。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。