主要成果:LONGi、ペロブスカイト-シリコンタンデムで35.5%の世界最高効率を達成し、100MWパイロット生産開始を承認
中国の太陽電池大手LONGiは、ペロブスカイト-シリコンタンデム太陽電池において、ESTI(欧州太陽エネルギー試験機関)認証済みの世界最高変換効率35.5%を達成しました。これは過去15ヶ月間で3度目の記録更新となり、次世代太陽電池技術開発における同社の主導的地位を明確に示しています。この画期的な成果は、ペロブスカイト太陽電池と既存のシリコン技術を組み合わせることで、従来の限界を大きく超える発電効率を実現する可能性を裏付けています。
技術および商業化の詳細
この世界記録の達成は2026年7月14日に発表され、単一セルの効率向上だけでなく、モジュールレベルでの実用性も示されました。具体的には、0.17平方メートルサイズのタンデムモジュールで31.4%の認証効率、さらに実用的な1.7平方メートルサイズでは29.4%の認証効率を達成しています。これらのモジュール効率は、研究室レベルの成果が大規模生産に近づいていることを示唆しており、特に大面積モジュールでの29.4%という効率は、今後の商業展開において極めて重要です。このような高効率モジュールは、限られた設置面積でより多くの電力を生成できるため、土地利用効率が向上し、太陽光発電システムのコストパフォーマンスを大きく改善する可能性があります。
LONGiはこれらの技術的ブレークスルーを受けて、2026年8月14日には100MW規模のペロブスカイト-シリコンタンデム生産パイロットラインの建設を承認しました。このパイロットラインは、大規模生産技術の検証と最適化を目的としており、ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた重要なマイルストーンとなります。100MWという規模は、研究開発段階から量産化への移行を加速させ、技術の成熟度を示すものです。
背景と業界文脈
太陽光発電業界では、従来のシリコン太陽電池の理論限界に近づく中で、さらなる効率向上を目指し、ペロブスカイト太陽電池が次世代技術として注目されています。特に、ペロブスカイトとシリコンを積層するタンデム構造は、異なる波長の太陽光を効率的に吸収できるため、理論的な変換効率の限界がシリコン単独よりもはるかに高いとされています。LONGiの今回の記録は、このタンデム技術が単なる研究テーマではなく、近い将来の商業製品となる可能性が高いことを示しています。これは、世界のエネルギー転換目標達成に向けて、太陽光発電の競争力と普及をさらに加速させる要因となります。
今後の展望
LONGiによるパイロットラインの稼働は、ペロブスカイト-シリコンタンデム太陽電池の量産技術の確立に貢献し、将来的な大規模な商業展開への道を開きます。この技術が市場に導入されれば、太陽光発電の設置コスト(LCOE: Levelized Cost of Energy)がさらに低減され、再生可能エネルギーの普及が加速すると期待されます。また、他の太陽電池メーカーも追随し、高効率タンデム技術の開発競争が激化することで、業界全体のイノベーションが促進されるでしょう。これは、研究者、エンジニア、そして投資家にとって、太陽光発電市場の新たな成長フェーズを予感させる動きです。
元記事: https://www.solar-stack.com/en/blog/most-efficient-solar-panels-2026
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