LiMn0.7Fe0.3PO4/C/CNTs|CNT被覆リチウム正極の100C超急速充電性能

Bioengineer.org(Journal of Materials Science の論文紹介)
概要
カーボンナノチューブ(CNT)で被覆したリチウムマンガン鉄リン酸塩(LMFP)正極材料が、100Cという超高レートでの充電・放電においても高い容量を維持することが示されました。100Cのレートで1000サイクル後も67.5%(102.1 mAh g−1)の容量保持率を達成しています。CNTによる導電パスの形成が、急速充放電時の構造安定性と電子輸送効率を大幅に向上させています。
詳細

主要成果

リチウムイオン電池向けに開発されたLiMn0.7Fe0.3PO4(LMFP)とカーボン、およびカーボンナノチューブ(CNT)を組み合わせた複合材料が、超高レートでの充放電性能を実現しました。電気化学テストにおいて、0.1Cでは168.5 mAh g−1、1Cでは156.2 mAh g−1、10Cでは142.9 mAh g−1の容量を記録し、さらに100Cという極めて高いレートにおいても96.7 mAh g−1の容量を維持することに成功しました。

技術・詳細

本材料は、パワーリチウムイオン電池への適用を目的とした球状のマイクロメートルサイズ粒子として合成されています。合成プロセスは以下の2段階で構成されています。

  • 共沈法:鉄とマンガンが固溶体構造を形成するMn0.7Fe0.3CO3前駆体を生成します。
  • スプレードライおよび高温焼結:前駆体を最終的な球状のLMFP/C/CNT粒子へと変換します。

この2段階のアプローチは、急速サイクル中にリチウムイオンと電子が正極内を移動する速度を左右する重要な要因である「粒子形態」を制御するために設計されました。特にCNTは中心的な役割を担っており、CNTを中心とした複合構造が一次粒子の過剰な成長を抑制し、材料全体にわたって高導電性のパスを供給します。

背景・業界の文脈

急速充放電における耐久性の評価では、100Cレートで1000サイクル走行後、容量は102.1 mAh g−1(保持率67.5%)を維持しました。研究チームは、この安定性の要因として、LMFP粒子間におけるCNTの「導電ブリッジ効果」を挙げています。CNTが粒子間の電子輸送と全体的な電気伝導性を高めることで、一次粒子同士の結合が密接になり、繰り返しのサイクルにおいても構造的な安定性が向上したと考えられています。

今後の展望

本研究の結果は、特定の合成条件およびテスト環境下での測定値であり、商用セルでの性能を保証するものではありません。実用化に向けては、パックレベルでの検証や、異なる温度条件下での動作確認などのバリデーションが必要となります。本成果は、Jishun Yang、Yuan Ping、Hongjiang Yu、Jiyang Deng、Cuilin Yu、Gang Yangらによる研究チームによって発表され、Journal of Materials Science誌に掲載されました。

元記事: https://bioengineer.org/carbon-nanotube-wrapped-lithium-cathode-holds-charge-at-100c-rates/

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