主要成果
欧州宇宙機関(ESA)のCelesteプログラムにおいて、低軌道(LEO)PNTの実証衛星が送信した航法信号を、地上のレシーバーで正常に追尾および復号することに成功した。GMV社のCarlos Catalán氏は、ION GNSS+ 2026にて、同社が手がけるCeleste LEO-PNT実証システムのエンドツーエンドでの初の検証結果を報告した。
技術・詳細
実証衛星「IOD1」は、2026年3月28日にニュージーランドからRocket Lab社のElectronロケットで打ち上げられ、高度510kmの近極太陽同期軌道に投入された。この打ち上げでは、GMV社とThales Alenia Space France社がそれぞれ主導する並行契約に基づき、2基の実証衛星が放出されている。
IOD1に搭載されたペイロードは、GNSS観測と航法データを用いて自律的に軌道を決定し、Galileoシステム時刻(Galileo System Time)にタイミングを同期させる機能を備えている。その後、E5バンドおよびSRバンド(RNSS S-band割り当て内)で航法メッセージを生成し、信号を送信する。
検証プロセスでは、まずオランダにあるESAのESTEC施設にて、高利得アンテナ、スペクトラムアナライザ、信号記録装置を用いて送信信号の特性評価が行われた。その結果、E5およびSRバンドの電力スペクトルは期待される波形と密接に一致し、実効等方輻射電力(EIRP)もペイロードのリンクバジェットと整合していることが確認された。また、レシーバーの追尾性能に関わる相関損失やSカーブバイアスなどのパラメータも検証され、信号が予測通りの形状とレベルで送信されていることが証明された。
受信側では、Celeste専用のテストユーザーレシーバーが両信号を継続的に追尾し、観測値の生成と航法メッセージの復号に成功した。さらに、Septentrio社が開発した代表的なユーザーレシーバーにおいても、無指向性アンテナを用いて信号の捕捉と追尾が確認され、GMV社の専用設備以外でも受信可能であることが実証された。
背景・業界の文脈
本実証システムは、衛星本体に加え、サービスとしての地上セグメント、テストユーザーセグメント、およびエンドツーエンド検証のための実験セグメントを組み合わせて構成されている。低軌道(LEO)からの信号伝送は、従来の中軌道(MEO)に位置する衛星航法インフラに新たな能力を付加できる可能性を秘めている。
今後の展望
今後は、ユーザー相当のレンジエラー(距離誤差)および測位性能の評価を行う計画である。また、さらなる機能拡張と追加の周波数帯域の導入を目的として、後続の実証衛星であるIOD3、IOD5、IOD7、IOD9の4基の打ち上げが予定されている。
元記事: https://insidegnss.com/esas-celeste-demonstrates-end-to-end-leo-pnt-in-orbit/
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