主要成果
JAXAと三菱重工業が打ち上げたH3ロケット10号機は、火星衛星探査機「MMX」を所定の軌道に投入し、ミッションを成功させた。今回の成功により、H3ロケットの成功率はちょうど80%(10機中8機)に達した。また、直近の3機(6号機、9号機、10号機)で連続成功を達成しており、ロケットとしての信頼性が着実に向上していることが示された。
技術・詳細
10号機では、国産フェアリングを採用した最強形態「24L」が初めてフライト実証された。これにより、固体ロケットブースタを使用しない安価な「30S」形態から、大型静止衛星や小型衛星コンステレーションに対応する「24L」形態まで、すべての形態の実証が完了した。残る課題である「LE-9」エンジンタイプ2の完成についても、まもなくになるとされている。
運用面では、H3ロケットとして初めて延期なしの打ち上げ(ジャストオンタイム)を実現した。種子島宇宙センターにおける延期なしの打ち上げは、H-IIAロケット43号機以来、約6年ぶりの快挙となる。また、今回はH3ロケットにとって初となる惑星間軌道への打ち上げであり、最長のミッションとなったが、打ち上げシーケンスの誤差は数秒ほどと極めて順調に進行し、打ち上げから1時間11分13秒後にMMXの分離に成功した。
背景・業界の文脈
H3ロケットは初号機の失敗や、5機連続成功後の8号機の失敗など、開発過程で波折があった。しかし、失敗からわずか半年で飛行を再開し、直近3機で異なる形態(30S、22S、24L)を成功させたことで、柔軟性の高いロケットとしての地位を確立しつつある。三菱重工業の江口雅之常務執行役員は、連続成功が顧客への強い訴求力となり、昨年や一昨年に比べて衛星打ち上げの受注に向けた問い合わせが増えていると述べている。
今後の展望
火星衛星探査機「MMX」は、今後3カ月ほどかけて搭載機器のチェックアウトを行う。最大の山場は2027年8月に予定されている火星周回軌道への投入であり、タイミングを逃すと火星を通り過ぎてしまうため、一発勝負の減速操作が求められる。MMXは打ち上げ重量4,480kgのうち、推進剤が3,030kg(往路1,840kg、復路1,190kg)を占めており、ロケット側のマージンを削減して推進剤を積み増したことで、よりロバストなミッション構成となっている。2031年7月の地球帰還を目指し、5年間の旅路が続く。
元記事: https://news.mynavi.jp/techplus/article/H3F10_MMX-4/
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