LEO衛星MIMO|NTTとJAXAが実証した通信容量の拡大効果と性能

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概要
NTTとJAXAは、低軌道(LEO)衛星におけるMIMO技術の実証実験に成功し、通信容量を大幅に拡大させた。3×3構成において、従来のSISO伝送比で約2.67倍の平均伝送容量を達成している。この成果により、衛星通信の周波数利用効率が向上し、高精細画像やレーダーデータの高速伝送、広域IoT接続の低コスト化が期待される。
詳細

主要成果

NTTとJAXAは、低軌道(LEO)衛星を用いたMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)技術の軌道上実証を行い、通信容量の拡大を確認した。小型実証衛星4号に搭載されたLEO衛星MIMO/IoT伝送装置「LEOMI」を用いた実験の結果、アンテナ数に応じて容量利得が増加することが実証された。具体的には、従来の1送信・1受信アンテナを用いるSISO伝送と比較して、2×2 MIMO構成では平均約1.94倍、3×3 MIMO構成では平均約2.67倍の伝送容量を達成した。

技術・詳細

本実証では、複数のアンテナから同一周波数で異なる信号を送信し、地上局でこれらを分離するMIMO技術の有効性を検証した。LEO衛星の通信チャネルは常に変動しており、地上局ごとに信号到達時間やドップラーシフトが異なるため、重なり合った信号の正確な分離が困難という課題がある。これに対し、NTTとJAXAは以下の3つの技術を組み合わせて解決を図った。

  • 時間・周波数非同期干渉キャンセル
  • チャネルモデリング
  • 制御キャリアレスMIMO復調

また、衛星センシング技術の実証として、免許不要な920MHz帯のLPWA(低消費電力広域ネットワーク)信号を用いた実験も実施した。2つの異なる地上地点にあるIoT端末から同一周波数・同時刻に送信された信号を衛星側で受信し、信号処理と復調処理によって効果的に分離・復調することに成功した。これにより、遠隔地のコンパクトで低消費電力な端末同士が同時に通信できることが確認された。

背景・業界の文脈

LEO衛星通信の商用化は世界的に加速しており、Amazonの衛星通信システムや、総務省のJ-LEOプログラムにおいて楽天グループとAST SpaceMobileのコンソーシアムが補助金採択者として選定されるなど、競争が激化している。NTTは、自社の宇宙ビジネスブランド「NTT C89」の下、この技術を「Space Integrated Computing Network」コンセプトにおける超広域衛星センシングプラットフォームの核として位置づけている。

今後の展望

2025年12月14日に打ち上げられ、2026年3月に通常運用に入った実証衛星を用い、今後約1年間にわたり、異なるアンテナ数や多様な衛星パス条件下で統計的な容量拡大効果を評価する計画である。本技術による周波数利用効率の向上は、観測衛星が取得する高精細画像やレーダーデータの高速伝送を可能にし、気象情報の精度向上や災害予測、海洋観測に寄与するとされる。また、地上局を介さない衛星センシングにより、山岳地帯や海洋などの通信未整備地域におけるインフラ点検や環境モニタリングといったIoTサービスの低コストな広域展開が期待される。

元記事: https://finance.biggo.com/news/cc76f437-986e-4635-9863-2c955b16961a

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