主要成果
ドイツのアンハルト応用科学大学とフラウンホーファーCSPの研究チームは、圧縮応力緩和測定(CSRM)を用いることで、PVモジュール内のポリマー劣化を非破壊で追跡できることを明らかにしました。研究の結果、特に湿熱試験(DH)において、封止材の初期架橋状態がPVモジュールの出力劣化と相関していることが判明しました。また、試験の最終段階では封止材とバックシートの両方が劣化し、CSRMの応答値が低下することが確認されています。
技術・詳細
CSRMは、通常はラミネート後の封止材の架橋度を評価する製造品質管理に用いられる非破壊手法です。具体的には、モジュールの背面からチップを押し込み、押し込み深さを一定に保った状態で、加わる力がどのように減少するかを測定します。この応答が封止材とバックシートの機械的特性を反映します。
本研究では、以下の条件で検証が行われました。
- 試験サンプル:PERC太陽電池、エチレン酢酸ビニル(EVA)封止材、ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート(PET)バックシートで構成された200 mm × 200 mmのミニモジュール。
- 測定条件:測定箇所を89 ℃に加熱し、4 mmのスチールチップを背面から約100 µm押し込み、20 N未満の力を印加して力の低下を記録。
- 加速劣化試験:
- 湿熱(DH)試験:85 ℃、相対湿度85%で最大3,500時間。
- 複合試験(DH+UV):85 ℃、相対湿度60%、放射照度227 W/m2で最大2,000時間。
250時間間隔でCSRMによる機械的変化のモニタリングと電気的性能の測定を実施し、溶剤テストや熱分析を併用することで、封止材の架橋変化とバックシートの劣化を切り分けて分析しました。
背景・業界の文脈
PVモジュールの長期的な信頼性を確保するには、封止材やバックシートといったポリマー材料の劣化挙動を正確に把握することが不可欠です。従来の分析手法では材料を破壊して検査する必要がありましたが、CSRMのような非破壊手法を劣化モニタリングに適用できれば、より効率的な品質評価が可能になります。
今後の展望
研究チームは、複合的なDH+UV試験において、最初の250時間で後架橋(post-cross-linking)が発生し、サンプル間の架橋状態の差が消失したことを指摘しています。これにより、封止材の化学的な差異が打ち消され、結果として同様の出力劣化として現れました。この結果から、現実的な信頼性予測を行うためには、過剰な加速試験を避けるべきであると結論付けています。
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