Henkel Adhesive Technologies ドイツ
概要
Henkelがアルミニウム陽極酸化処理(アノダイジング)の各工程を最適化するBONDERITE®ポートフォリオの最新技術を公開した。脱脂、エッチング、封孔処理の各ステップにおいて、工程の簡素化、 bath安定性の向上、および毒性の低減を実現している。これにより、軽量かつ審美性の高いアルミニウム部品製造における生産性の最大化とサステナビリティの両立を目指す。
詳細
主要成果
Henkelは、アルミニウム陽極酸化処理の主要3工程である「脱脂」「エッチング」「封孔処理(シーリング)」において、生産性と環境負荷を改善する新製品を投入した。特に、封孔処理におけるニッケルフリー化の実現や、ホットシーリングの生産性を最低20%向上させる新添加剤の開発が大きな成果となっている。
技術・詳細
各工程における具体的な技術ソリューションは以下の通りである。
- 脱脂工程:高光沢の審美部品向けに、1液型の脱脂剤「BONDERITE® C AK 62115」を開発。従来の2液型と比較してハンドリングが簡素化され、表面の残留ブラシペーストを高い信頼性で除去できる。
- エッチング工程:長寿命エッチング添加剤「BONDERITE® C AK 62250」を提供。材料の一部を除去して表面欠陥を排除する高度なエッチング(E6仕上げ)を実現しつつ、優れた浴安定性、ドラッグアウトの低減、および無発泡性を兼ね備えている。
- 封孔処理(ホットシーリング):新添加剤「BONDERITE® M ED 11011」により、封孔済み部品の標準寿命を少なくとも2倍に延ばし、単一ステップのホットシーリングの生産性を最低20%向上させた。標準処理時間は3 min/µmで固定され、浴の補充量を50%以上削減することでCO2フットプリントの低減とコスト削減を実現している。
- 封孔処理(コールドシーリング):「BONDERITE® M ED 11150/11151」は、従来のコールドシーリングで課題となっていたニッケルによる毒性問題を解決した完全ニッケルフリーの添加剤である。処理時間や封孔品質を損なうことなく、QUALANODの承認を取得している。
背景・業界の文脈
アルミニウムは未処理の状態では空気中の酸素や気象影響により、不規則で審美性に欠ける酸化層が形成される。これを防ぐために電鍍(ガルバニックコーティング)が用いられることもあるが、これは重量を増加させる。対して陽極酸化処理は、最外層を制御された薄く滑らかな酸化皮膜(通常5〜25 µm)に変換することで、腐食から表面を保護する手法である。業界では軽量化と審美性の需要が高まっており、コスト効率の高い陽極酸化ソリューションが求められている。
今後の展望
陽極酸化技術は登場から100年が経過しているが、Henkelは脱脂、エッチング、封孔処理の各プロセスにおいて、依然として生産性とサステナビリティを大幅に改善する余地があることを示した。今後も化学的な前処理から電解着色、封孔に至る全工程の最適化を通じて、製造プロセスの効率化を推進する。
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