主要成果
住友ベークライトは、中国の蘇州およびシンガポールの製造拠点において、先端半導体パッケージに使用される封止材の生産能力を大幅に増強することを決定した。今回の投資により、MUF(mold underfill)材料の生産能力は約2倍に、圧縮成形粒子の生産能力は約3倍にまで拡大する見込みである。また、10月末に予定している京セラ株式会社の化学事業の買収を通じて、同社のMUF材料および圧縮成形粒子の生産能力もグループに加える計画となっている。
技術・詳細
増産対象となるのは、同社の「SUMIKON™」ブランドのEME MUF材料と圧縮成形粒子の2種類である。それぞれの拠点における導入計画は以下の通りである。
- 中国・蘇州拠点:2024年に完成した新工場を拡張し、MUF材料および圧縮成形粒子の新ラインを設置する。生産開始は2030年度を予定している。
- シンガポール拠点:既存工場内にMUF材料および圧縮成形粒子の新ラインを設置する。生産開始は2028年度末を予定している。
技術的な特徴として、MUF材料は微細な隙間への優れた充填性能と低反り特性を備えている。これにより、はんだ接合部の充填とパッケージ全体の封止を単一の成形プロセスで完結させることができ、高い信頼性と製造効率を同時に実現する。一方、圧縮成形粒子は、フィラーサイズ、樹脂粘度、粒度分布を最適に制御することで、狭い隙間への充填性能を高めている。これにより、大型パネルにおいても均一な成形と低反りを可能にし、先端半導体製造の生産性を向上させる。
背景・業界の文脈
今回の投資の背景には、生成AIや通信衛星などのアプリケーション向けに、先端半導体の需要が中国および東南アジアを中心に急増していることがある。半導体パッケージのトレンドは、さらなる高密度化、薄型化、そして大型化へと向かっており、これらに対応する封止材料への要求水準が高まっている。特に、微細な隙間を確実に埋め、かつ成形後の反りを抑える技術は、歩留まりと信頼性を確保する上で不可欠な要素となっている。
今後の展望
住友ベークライトは、自社拠点での能力増強と京セラ社の事業買収を組み合わせることで、日本、中国、東南アジアという主要な先端半導体製造地域における供給体制を強化する。グローバルな供給システムを構築することで、拡大する市場需要を確実に捉え、事業成長と市場シェアの拡大を図る方針である。
元記事: https://www.sumibe.co.jp/english/topics/2026/it-materials/1007_01/index.html
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