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Daiichi Sankyo|創薬・DDS 企業解説

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COMPANY PROFILE / 創薬・DDS

第一三共
― 自社開発の「DXd ADC」1つの技術基盤で、がん領域の世界トップ5を狙う製薬企業

創薬・DDSの話題で第一三共の名前が出るのは、抗体薬物複合体(ADC)という「薬を運ぶ仕組み」を自社で作り、それを主力製品に育てたからです。 2025年度(2026年3月期)の売上収益2兆1,230億円のうち、同社がDXd ADCと呼ぶ5品目の売上収益は9,253億円に達しました。 一方で2026年5月には、ADCの需要見通しを見直した結果、製造委託先(CMO)への損失補償と、小田原工場のADC関連投資の中止を発表しています。 本稿では会社全体の規模は簡潔にとどめ、ADCという技術に何を投じ、誰と組み、どこで躓き、次に何を狙っているかに絞ります。

構成:第一三共の2025年度決算および第6期中期経営計画 説明会資料(2026年5月11日)、2026年度第1四半期 決算説明会資料・決算補足資料(2026年7月)、2025年度連結業績予想修正説明会資料(2026年5月8日)、提携・承認に関する公式リリース、米国FDAの承認書類、ClinicalTrials.govを一次情報として使用/最終更新 2026年9月

この記事でわかること
  1. 30秒でわかる第一三共と、創薬・DDSでの立ち位置
  2. ロゴと社名の表記について
  3. 創薬・DDSの世界で、この会社はどこにいるか
  4. 会社の規模(会社全体は簡潔に)
  5. 創薬・DDSにかけているリソース
  6. これまでの取り組み
  7. 今後の計画
  8. この会社は創薬・DDSで何を目指しているか
  9. 創薬・DDS分野の提携マッピング
  10. 提供している技術・製品・サービス
  11. この企業が抱えるリスク
  12. 用語集/出典/主張と出典の対応表

1. 30秒でわかる第一三共と、創薬・DDSでの立ち位置

正式名称第一三共株式会社英文名 Daiichi Sankyo Company, Limited
本社日本・東京都中央区三共と第一製薬の経営統合で誕生
上場東証プライム 4568会計年度は4月〜翌3月(IFRS)
この分野での区分製薬企業
(抗体・ADCが中心)
探索から承認・販売まで自社で担う
中核の技術DXd ADC自社のペイロード(DXd)と薬物リンカー
2025年度 売上収益2兆1,230億円前年度比12.6%増
DXd ADC 5品目の売上収益9,253億円2025年度。一時金・マイルストン収入を含む
主な提携先アストラゼネカ
米国メルク
いずれもADCの製造・供給は第一三共が担う
まず押さえるべき1点

創薬・DDSに関わる企業は、大きく製薬企業・創薬バイオテック・受託開発製造(CDMO/CRO)の3種類に分かれます。 第一三共はこのうち製薬企業ですが、中心にあるのは特定の病気ではなく「DXd ADC」という1つの技術基盤です 事実。 ADCは、がん細胞の表面にある目印(抗原)に結合する抗体に、リンカーを介して強い薬物(ペイロード)をつないだ薬で、 抗体を「運び屋」にして薬物をがん細胞へ届ける、DDS(ドラッグデリバリーシステム)の代表例です。 同社は抗体を替えるだけで同じペイロードと薬物リンカーを使い回し、エンハーツ(抗HER2)、ダトロウェイ(抗TROP2)など5品目を開発してきました。 会社自身もこの考え方を「BGT(Breakthrough Generating Technology)=複数の新薬を生む中核技術」と呼び、DXd ADCをその第1号と位置づけています。

この記事の読み方

本稿は企業の技術戦略と事業を解説するもので、医療上の助言ではありません。 特定の薬の使用を勧めたり、他社の薬と効き目を比べたりする意図はありません。 臨床試験の結果は、会社が公表した数字を比較対照・評価時点とともに紹介するにとどめます。 治療については必ず医師にご相談ください。

2. ロゴと社名の表記について

第一三共のロゴは同社の商標です。本稿では生成画像による再現を行わず、 公式サイトから取得した画像を img/daiichi_sankyo_logo.png として設置しています。

表記の注意:法人名は「第一三共株式会社」、英文では Daiichi Sankyo Company, Limited。 提携先の「米国メルク」は Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(北米以外ではMSD)のことで、ドイツのMerck KGaAとは別の会社です。 第一三共自身も資料で「米国メルク」と書き分けているため、本稿もそれに従います。

公式サイト:https://www.daiichisankyo.co.jp/

3. 創薬・DDSの世界で、この会社はどこにいるか

創薬・DDSに関わる企業の3つの類型 同じ「薬の会社」でも、薬づくりのどこを担うかがまったく違う 製薬企業 創薬バイオテック 受託開発製造・研究 探索から承認・販売まで自社で担う 新しいモダリティや手法で候補を作る 他社の薬の開発・製造を請け負う Eli Lilly/Novo Nordisk 第一三共/Pfizer ほか Alnylam/Arvinas Moderna/Insilico ほか Lonza/Samsung Biologics WuXi AppTec ほか 後期臨床と販売網の資金力 特定の技術基盤の深さ 設備と規制対応の量産力 特許切れで売上が急減しうる 後期開発の資金を提携に頼る 顧客の開発中止・政策の影響 第一三共はこの左端にいて、自社開発のDXd ADC技術を事業の中核に据える製薬企業 海外の開発・販売はアストラゼネカ、米国メルクと分担するが、ADCの製造と供給は契約上すべて第一三共が担う
図1 創薬・DDSに関わる企業の3類型と、第一三共の位置づけ。区分は本稿によるもので、企業名は本シリーズで扱う企業から例示しています 本稿の計算。モダリティの中心は抗体・ADCで、ほかに低分子、mRNA(LNP製剤のワクチン)、siRNA、標的タンパク質分解誘導剤、多重特異性抗体の研究を公表しています。ADCの製造・供給を第一三共が担うことは、アストラゼネカ・米国メルクとの提携リリースに基づきます。

本シリーズの技術解説『抗体医薬とADC』で扱う「抗体+リンカー+ペイロード」の3要素を、1社で全部持っている点がこの会社の特徴です。 会社の採用サイトの研究者インタビューによれば、抗体は三共時代からのノウハウ、ペイロードの元になった化合物DX-8951は第一製薬時代の研究成果で、経営統合によって両社の研究成果が重なったと説明されています 事実。

4. 会社の規模(会社全体は簡潔に)

会社全体の規模は1つの表にとどめます 事実。 なお第一三共は2026年7月31日に2025年度の決算を訂正しており(販売費・一般管理費を290億円減額)、下表の2025年度の営業利益と当期利益は訂正後の値です。売上収益と研究開発費は訂正の対象外です。

指標(億円)2024年度2025年度2026年度 予想(7月公表)
売上収益18,86321,23023,400
研究開発費(一過性の費用を除く)4,3294,6215,000(新定義)
営業利益3,3192,580(訂正後)3,200
当期利益(親会社帰属)2,9582,797(訂正後)―
設備投資(工事ベース)―1,3542,000
要員数(連結・年度末)―20,171人2026年6月末 20,468人
ここで注意

第一三共は2026年度から「コア営業利益」の定義を変えています。 研究開発費は2025年度まで「一過性の費用を除く」値、2026年度予想は新定義(コア外の費用を除く)の値で、厳密には同じ物差しではありません。 新定義で組み替えた2025年度の研究開発費は4,616億円と開示されています 事実。 また2025年度の営業利益が前年度より下がったのは、主にADCの供給計画見直しに伴う一過性の費用1,530億円によるものです(第6章)。

5. 創薬・DDSにかけているリソース

第一三共は研究開発費の内訳をモダリティ別には開示していませんが、 増えた分の大半がDXd ADCに向かっていることは会社自身が説明しています (2025年度の研究開発費の増加294億円の理由を「5DXd ADCsの研究開発投資の増加」としている) 事実。

リソースの種類内容区分
人(研究拠点・人員)連結の要員数は20,171人(2026年3月末。日本9,531人、北米4,098人、欧州3,468人、その他3,074人)。2030年度に向けた研究体制のロードマップとして、品川の研究機能の拡張、ボストン・ミュンヘン・サンディエゴのリサーチインスティテュートの運用、サンディエゴのスマートリサーチラボ開設を掲げる。創薬研究やADCに従事する人数は非開示事実
金(研究開発費)2025年度4,621億円(売上収益の約21.8%)。2026年度予想5,000億円。増加の理由は5DXd ADCsの研究開発投資事実
金(製造設備)2017年に国内3工場でADC生産ラインを増設(初期投資約150億円、バイオ医薬品の生産規模を2021年までに3倍以上)。2025年度の設備投資は全社で1,354億円、2026年度予想2,000億円。ADC設備に限った投資額は非開示。2026年5月に小田原工場のADC関連設備投資を中止事実
製造の外部委託ADCの商用生産でCMO(製造受託機関)を活用。長期契約で最低購入義務と専用ラインの確保を約束しており、需要見通しの見直しで損失補償が発生。CMOの社名は非開示事実
5年間の投資枠2026〜2030年度の成長投資(研究開発費・設備投資・戦略投資)に約2.9兆円を配分する方針事実
外部への出資・買収・導入米国メルクからMK-6070(DLL3を標的とする三重特異性T細胞エンゲージャー)の共同開発・販売権を契約時一時金1億7,000万ドルで取得(2024年8月)。大型の買収は資料に記載なし事実
外部への導出(ライセンスアウト)自社研究所で生まれた低分子(ROS1阻害剤taletrectinib、IDH1変異阻害剤safusidenibなど)を他社に導出し、マイルストン・ロイヤルティの受領を見込む。導出先の社名は説明資料に記載なし事実
大学・研究機関・公的資金アカデミアとの創薬共同研究の公募プログラムTaNeDSを運用。mRNAワクチン(ダイチロナ)の開発は日本医療研究開発機構(AMED)と厚生労働省の事業の支援を受けて実施事実
提携が「資金源」にもなっている

第一三共はADCの共同開発・販売の対価として、2026年3月末までに アストラゼネカから計6,851億円、米国メルクから計6,978億円を受け取っています(契約時一時金・開発マイルストン・販売マイルストン等の受領済対価) 事実。合計すると約1兆3,829億円で、2025年度の研究開発費の約3年分にあたります 本稿の計算。 その代わり、日本を除く地域での利益は提携先と折半で、2025年度には「DXd ADC製品のプロフィット・シェア」として3,056億円を提携先に支払っています 事実。

6. これまでの取り組み

時期できごと意味
経営統合前第一製薬時代にカンプトテシン系のDX-8951を開発し臨床試験まで進めたが中止。糖鎖ポリマーに結合させたDE-310も開発中止後にADCのペイロード(DXd)の元になる化合物系統の蓄積
2017年4月国内3工場にADCの生産ラインを増設する設備投資(初期投資約150億円)を発表当時は臨床2品目・前臨床4品目の段階で、先回りして製造能力を確保
2019年3月アストラゼネカとエンハーツ(DS-8201)のグローバル提携。最大69億ドル(契約一時金13.5億ドル)日本を除く全世界で利益・費用を折半。製造・供給は第一三共
2019年12月20日米国FDAがエンハーツを承認(抗HER2療法を2レジメン以上受けたHER2陽性の切除不能・転移性乳がん)DXd ADCとして最初の承認。米国では迅速承認の枠組み
2020年3月日本でエンハーツを承認(条件付き早期承認制度)添付文書の「警告」欄に間質性肺疾患(ILD)を記載
2020年7月アストラゼネカとダトロウェイ(DS-1062)のグローバル提携。最大60億ドルアストラゼネカとの2本目のADC提携
2023年8月日本でmRNAワクチン「ダイチロナ」を承認(追加免疫)国産初のmRNAワクチン。自社のLNP技術を使用し、冷蔵(2〜8℃)で流通可能
2023年10月米国メルクとHER3-DXd・I-DXd・R-DXdのグローバル提携。最大220億ドル(契約時一時金40億ドルほか)DXd ADCの3品目をまとめて共同開発へ。製造・供給は第一三共
2024年8月米国メルクとの契約にMK-6070(T細胞エンゲージャー)を追加ADC以外のモダリティを導入。I-DXdとの併用を評価する計画
2024年12月日本でダトロウェイを世界初承認(HR陽性かつHER2陰性の乳がん)DXd ADCの2品目目が上市
2025年1月米国FDAがダトロウェイを承認(同じ乳がんの適応)米国で2番目のDXd ADC
2025年5月EGFR変異の非小細胞肺がんを対象としたHER3-DXdの米国承認申請を自主的に取り下げ5品目のすべてが順調ではないことを示す出来事
2025年10〜11月新モダリティのヒト初回投与試験を開始:NMD阻害剤DS5361、STINGアゴニストをペイロードにしたADC DS3610、標的タンパク質分解誘導剤DS9051ADCの次の技術基盤の候補が臨床段階へ
2026年3月日本でエンハーツがHER2陽性の複数の固形がんで一部変更承認臓器を問わず「HER2陽性」で使える適応
2026年5月8日ADC供給計画の見直しを発表。CMOへの損失補償と小田原工場のADC関連設備投資の中止などを一過性の費用として計上需要予測を「リスク調整なし」で組んだ製造計画の修正(第11章)
2026年5月米国でエンハーツがHER2陽性早期乳がんの術前療法(DESTINY-Breast11)・術後療法(DESTINY-Breast05)を承認。ダトロウェイがトリプルネガティブ乳がん1次治療(TROPION-Breast02)を承認転移がんから早期がんへ適応が広がった
2026年6月欧州でエンハーツがHER2陽性の固形がんを承認日米欧の3極で臓器横断の適応がそろった

承認の根拠になった主な臨床試験

試験(NCT番号)フェーズ・対象主要評価項目会社が公表した結果(比較対照・評価時点)
DESTINY-Breast11(NCT05113251)第3相。高リスクのHER2陽性早期乳がんの術前療法病理学的完全奏効(pCR)率エンハーツ投与後にTHP療法を行う群で、ddAC-THP療法群と比べpCR率が11.2ポイント改善(95%信頼区間4.0〜18.3)。データカットオフ2025年3月12日、ESMO 2025で発表
DESTINY-Breast05(NCT04622319)第3相。術前療法後に浸潤性の残存病変があるHER2陽性乳がんの術後療法浸潤性疾患のない生存期間(IDFS)T-DM1(トラスツズマブ エムタンシン)と比べ、統計学的に有意なIDFSの改善を示したと会社が発表。数値は本稿で確認した資料に記載なし
TROPION-Breast02(NCT05374512)第3相。PD-1/PD-L1阻害剤の対象とならない転移性トリプルネガティブ乳がんの1次治療無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)化学療法と比べ、PFS中央値が5.3か月、OS中央値が5.0か月延長。確定奏効率62.5%対29.3%。解析の時点(データカットオフ日)は本稿で確認した資料に記載なし
IDeate-Lung01(NCT05280470)第2相(単群)。前治療歴のある進展型小細胞肺がん客観的奏効率(ORR)I-DXd 12mg/kgの全参加者で確定ORR 48.2%。比較対照群のない単群試験。データカットオフ2025年3月3日、WCLC 2025で発表

I-DXdはこのデータで米国の承認申請が受理され、審査終了目標日は2026年10月10日です。承認されるかどうかは現時点で決まっていません 未確定/将来。

7. 今後の計画

2030年度の計数目標売上収益3兆円以上
営業利益6,000億円以上
第6期中期経営計画(2026〜2030年度)
がん領域の売上収益2兆3,000億円超
(2030年度)
2025年度は9,540億円
2035年の姿がん領域で
グローバルトップ5
年間70万人以上の対象患者に届ける
次の技術基盤2030年度までに
複数の「Next BGT」
DXd ADCに続く中核技術を特定する
次の技術基盤の候補(BGT候補と新規ADC)モダリティ会社が示した段階・時期
抗体改変型ADCADC(腫瘍選択性を高める抗体改変)2027年度に第1相試験開始予定
免疫療法(IO)ペイロードADC(STINGアゴニストを載せる)DS3610が第1相試験中
新規の細胞傷害性ペイロードADC(DXd ADCへの耐性を克服する)2027年度に第1相試験開始予定
マルチスペシフィック抗体抗体(T細胞エンゲージャーなど)DS2243が第1相試験中
標的タンパク質分解誘導(TPD)低分子(創薬化学とAI創薬を連動)DS9051が第1相試験中
siRNA核酸(新規化学修飾+LNP・ADCで培ったデリバリー技術)2026年度に第1相試験開始予定
抗CD25 ADC(DS1025)ADC(制御性T細胞を除去する)2026年度上半期にヒト初回投与試験開始予定

製造については、2026年5月の見直しで方針を変えました。 これまでは「自社とCMOで生産量を割り当てる」形でしたが、今後は自社はプロセス開発から初期の商用生産までを担い、CMOを商用生産の基盤能力として使う「自社+CMOのフレキシブル協業体制」に移すとしています 事実。研究面では、AIによる分子デザインや研究のデジタル化(リサーチDX)、品川の研究機能の拡張を掲げています。

確認できなかったこと

次はいずれも本稿で確認した一次資料に記載がありません 未確定/将来。

ADC関連設備に限った投資額と生産能力/委託先CMOの社名と最低購入義務の総額/研究開発費のモダリティ別内訳/siRNAやTPDの標的・対象疾患(DS9051は去勢抵抗性前立腺がん等の固形がんと開示)/ I-DXd・R-DXdの承認時期。「第一三共が○年に○億ドル」といった報道ベースの売上予測は採用しません。 なお会社は「DXd ADCは3兆円以上のピークセールスのポテンシャルを持つ」と説明していますが、これは会社自身の見通しであり実績ではありません。

8. この会社は創薬・DDSで何を目指しているか

ここは会社が直接には述べていない部分を含みます。一次情報から読み取れる範囲の推測として、根拠とともに書きます。

読み取れること根拠となる一次情報区分
次の中核技術も、当面はADCの延長線上に置いている中計資料が示したBGT候補6つのうち3つ(抗体改変型ADC、IOペイロード、新規の細胞傷害性ペイロード)がADC。2026年7月には新たな抗CD25 ADC(DS1025)も公表。抗体・リンカー・ペイロードの蓄積を再利用できる推測
提携で利益を折半する形から、自社単独で開発・販売できる割合を増やしたい中計が「パイプライン進捗に応じた自社単独ケイパビリティの確立」を掲げ、2027年度にグローバルの商業化組織を新設するとしている。2025年度のプロフィット・シェアは3,056億円推測
がん以外は選択と集中で縮める第一三共ヘルスケアの株式をサントリーHDへ段階的に譲渡(2,465億円)、欧州のスペシャルティ事業の再編費用を計上。中計は経営資源を「イノベーティブ医薬品事業に集中」と説明事実
核酸(siRNA)とTPDはADCの次の次を狙う布石いずれも第1相の段階か開始前。会社は2030年代中盤以降の持続的成長のための投資と位置づけている推測
mRNA・LNPの技術は感染症ワクチンからsiRNAのデリバリーへ転用しようとしているsiRNAの説明に「LNPやADCで培ったデリバリー技術を融合」とあり、ダイチロナで自社のLNP技術を確立したと説明している推測
推測の根拠を1つだけ詳しく

2026年5月の中計資料は、2030年度に向けて克服すべき課題としてリクシアナの特許満了、エンハーツの販売マイルストン受領の終了、鉄剤ビジネスの収益減少を挙げ、 2035年度に向けてはエンハーツの特許満了を挙げています 事実。 つまり会社自身が、今の稼ぎ頭であるエンハーツが2030年代に特許切れを迎えることを前提に計画を組んでいます。 それまでに「DXd ADCに続く新BGTが事業貢献する」状態を作れるかが第6期中計の核心で、 候補の半分がADCの改良型であることから、本稿は「ADCで築いた抗体・リンカー・ペイロード・製造の資産を、次の世代でもう一度使う」戦略と読みます 未確定/将来。 ただしsiRNAやTPDのようにADCと無関係な候補も並べており、ADC一本足からの分散も同時に狙っていると考えられます。

9. 創薬・DDS分野の提携マッピング

第一三共を中心とした創薬・DDSの提携関係 決算説明資料と公式リリースに記載のある関係のみ。報道ベースの関係は含まない 共同開発・共同販売 製造受託 株式譲渡(点線) 公的支援・共同研究 第一三共 製薬企業 アストラゼネカ エンハーツ(2019年契約) ダトロウェイ(2020年契約) 米国メルク HER3-DXd・I-DXd・R-DXd(2023年) MK-6070を追加(2024年) アカデミア(TaNeDS) 創薬共同研究の公募 AMED・厚生労働省 mRNAワクチン開発を支援 CMO(社名は非開示) ADCの商用生産を受託 サントリーHD 第一三共ヘルスケア株式を譲渡 アストラゼネカ・米国メルクとの契約では、ADCの製造と供給は第一三共が担う(MK-6070は米国メルクが製造)
図2 第一三共を中心とした創薬・DDSの提携関係。出典:アストラゼネカとの提携リリース(2019年3月・2020年7月)、米国メルクとの提携リリース(2023年10月・2024年8月)、2025年度連結業績予想修正説明会資料(CMO)、第6期中期経営計画資料(TaNeDS、第一三共ヘルスケアの株式譲渡)、ダイチロナ承認リリース(AMED・厚生労働省)。CMOは複数社との契約の存在が開示されていますが社名は非開示のため、枠だけを置いています。第一三共ヘルスケアの譲渡は創薬そのものではありませんが、経営資源をイノベーティブ医薬品に集中させる施策として会社が説明しているため点線で示しました。導出品の導出先は説明資料に社名がないため含めていません。

10. 提供している技術・製品・サービス

品目・技術モダリティ/標的状況
エンハーツ(トラスツズマブ デルクステカン)ADC/HER2承認済み。95以上の国・地域で承認、がん領域で10以上の適応。2025年度のグローバル製品売上6,984億円(会社開示。アストラゼネカが計上する地域を含む)
ダトロウェイ(ダトポタマブ デルクステカン)ADC/TROP2承認済み(日本・米国ほか)。2025年度のグローバル製品売上476億円
I-DXd(イフィナタマブ デルクステカン)ADC/B7-H3開発中(米国で承認申請受理、審査中)
R-DXd(ラルドタツグ デルクステカン)ADC/CDH6開発中(第2相など)。米国で卵巣がんの画期的治療薬指定
HER3-DXd(パトリツマブ デルクステカン)ADC/HER3開発中(第3相)。肺がんの米国申請は2025年5月に自主取り下げ
ダイチロナ筋注mRNAワクチン(自社LNP)日本で承認済み(2023年8月、追加免疫)
ヴァンフリタ(キザルチニブ)、エザルミア(バレメトスタット)低分子承認済み。ヴァンフリタは2026年6月に中国で承認
DXd ADCの設計要素会社資料の記述(2017年の技術説明資料)
ペイロード自社独自のDXd(エキサテカン誘導体)。DNAトポイソメラーゼIを阻害。酵素阻害のIC50は0.31μMで、イリノテカンの活性代謝物SN-38(2.78μM)より強い
リンカー酵素で切断されるテトラペプチド(Gly-Gly-Phe-Gly)を含む薬物リンカー。血中で安定し、がん細胞内で薬物を放出する設計
結合様式抗体の鎖間システイン残基にチオエーテル結合で薬物リンカーを結合
薬物抗体比(DAR)1抗体あたり7〜8個。前世代のADC(3.5〜4)の約2倍
その他の特徴放出された薬物が周囲の細胞にも作用する「バイスタンダー効果」、遊離した薬物の血中からの速い消失(非臨床での結果)
素材技術者の視点:DAR 8を実現した「リンカーのわずかな違い」

ADCでは、抗体1個に載せる薬物を増やすほど効きは強くなりますが、薬物リンカーは疎水性が高いため、 載せすぎると抗体どうしが凝集し、血中からすぐ消えてしまうという壁があります。 第一三共の2017年の資料には、抗体と薬物の間にはさむ短いスペーサー(つなぎの部分)の構造を7通り比べた表が載っています 事実。 スペーサーのないものは凝集体が26%、炭素鎖を伸ばしたものは2〜20%でDARは2.5〜3.8にとどまったのに対し、 エーテル結合を含むスペーサー(-NH-CH2OCH2-C(=O)-)ではDAR 7.7で凝集体0.6%を達成しています。 つまりDXd ADCの差別化は、ペイロードの強さだけでなく「疎水性の薬物を8個載せても凝集しないリンカー設計」という高分子化学・プロセス化学の成果でもあります。

製造面では、抗体(バイオ医薬品の培養・精製)と薬物リンカー(多段階の有機合成)という性格の違う2つの工程を最後に結合させる必要があり、 高活性の薬物を扱う封じ込め設備も要ります。2026年のCMO問題は、こうした専用ラインを長期契約で押さえる製造の難しさの裏返しでもあります。 また、ダイチロナで確立したLNP(脂質ナノ粒子)の技術を、siRNAのデリバリーに転用すると会社は説明しており、脂質の設計・製剤化の技術が次の世代でも効いてくる見込みです 未確定/将来。本シリーズの技術解説『脂質ナノ粒子』『核酸医薬』も参照してください。

11. この企業が抱えるリスク

リスク内容区分
ADCへの集中2025年度の売上収益2兆1,230億円のうち、DXd ADC 5品目が9,253億円(約43.6%)を占める本稿の計算
製造委託の最低購入義務会社は「新供給計画とCMOへの最低購入義務の間に差異が発生」と説明し、短期分を引当てた。中長期の差異は不確実性が高いため引当てていないと明記し、将来の追加引当の可能性をリスクとして挙げている事実
特許満了会社自身が、2030年度に向けてリクシアナの特許満了、2035年度に向けてエンハーツの特許満了を「克服すべき課題」としている事実
提携先との利益折半日本を除く地域の利益は提携先と折半。エンハーツの販売マイルストン受領も終了に向かうと会社が説明している事実
開発の不確実性HER3-DXdは肺がんの米国申請を自主取り下げた。I-DXdの米国審査結果は2026年10月の見込みで未確定事実
安全性エンハーツとダトロウェイは日本の添付文書の「警告」欄に間質性肺疾患(ILD)が記載されている。適応が早期がんへ広がるほど、安全性管理の重みは増す事実
財務報告の訂正2026年7月に2025年度決算を訂正した(販売費・一般管理費の290億円減額)。訂正の経緯の詳細は本稿で確認した資料には書かれていない事実
次の技術基盤が育つかBGT候補の多くは第1相か開始前で、2030年までにどれが事業に貢献するかは決まっていない推測

12. 用語集

ADC(抗体薬物複合体)
抗体に、リンカーを介して強い薬物(ペイロード)を結合させた薬。抗体を運び屋にして、薬物をがん細胞に届ける。
ペイロード
ADCに載せる薬物本体。第一三共のDXdはDNAトポイソメラーゼIを阻害する化合物。
リンカー
抗体と薬物をつなぐ化学構造。血中では外れず、がん細胞の中で外れることが求められる。
DAR(薬物抗体比)
抗体1個あたりに結合している薬物の数。多いほど強力だが、凝集や血中消失が起きやすくなる。
LNP(脂質ナノ粒子)
mRNAやsiRNAを包んで細胞内に届ける、脂質でできた微粒子。
BGT
Breakthrough Generating Technology。第一三共が使う言葉で、複数の新薬を生み出せる自社独自の中核技術のこと。
CMO
Contract Manufacturing Organization。医薬品の製造を受託する企業。
PDUFA date
米国FDAが承認審査を終える目標日。承認されることを意味するものではない。
概念図:1つの薬物リンカー技術に、標的の異なる複数の抗体を付け替えて、ADCを次々に生み出していく構造AI生成による概念図
図3 第一三共のADCプラットフォームの考え方の概念図(AI生成による概念図。実際の分子構造や製造設備を写したものではありません)。

13. 出典

  1. 第一三共 2025年度決算および第6期(2026-2030年度)中期経営計画説明会資料(2026年5月11日)。2025年度の業績、5DXd ADCsの売上収益、提携の受領済対価、プロフィット・シェア、BGT候補、研究拠点、TaNeDS、導出品、2030年度目標、キャッシュ・アロケーション、第一三共ヘルスケアの株式譲渡、特許満了などの課題。 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/investors/library/quarterly_result/2025/FY2025%20Financial%20Results%20and%205Year%20Business%20Plan%20Presentation_J.pdf
  2. 第一三共 2026年度第1四半期 決算説明会資料(2026年7月)。2025年度決算の訂正、2026年度業績予想の修正、2026年5〜6月の米国・欧州の承認、TROPION-Breast02の結果、DS1025。 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/investors/library/quarterly_result/2026/FY2026Q1_Financial_Results_Presentation_J.pdf
  3. 第一三共 2026年度第1四半期 決算補足資料。要員数、設備投資、研究開発費。 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/investors/library/quarterly_result/2026/FY2026Q1_Reference_Data_J.pdf
  4. 第一三共 2025年度 連結業績予想修正説明会資料(2026年5月8日)。ADC製造・供給戦略の見直し、CMOへの損失補償、小田原工場ADC関連設備投資の減損、最低購入義務のリスク。 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/investors/library/materials/2026/Revision%20of%20the%20FY2025%20Consolidated%20Financial%20Results%20Forecast%20_J.pdf
  5. 第一三共 プレスリリース「トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)に関するアストラゼネカとのグローバル開発及び販売提携のお知らせ」(2019年3月29日)。 https://www.daiichisankyo.co.jp/media/press_release/detail/index_5623.html
  6. 第一三共 プレスリリース「DS-1062に関するアストラゼネカとのグローバル開発及び販売提携のお知らせ」(2020年7月27日)。 https://www.daiichisankyo.co.jp/media/press_release/detail/index_5545.html
  7. 第一三共 プレスリリース「DXd-ADC 3製品に関するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAとのグローバル開発及び販売提携のお知らせ」(2023年10月20日)。 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202310/20231020_J.pdf
  8. 第一三共 プレスリリース「MK-6070に関するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAとのグローバル開発及び販売提携のお知らせ」(2024年8月7日)。 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202408/20240807_J.pdf
  9. 第一三共 プレスリリース「抗体薬物複合体(ADC)の生産設備投資について」(2017年4月27日)。 https://www.daiichisankyo.co.jp/media/press_release/detail/index_5785.html
  10. 第一三共 技術説明資料「第一三共のADC」(2017年、シティグループ証券主催「世界をリードする技術シリーズ」)。DXdペイロード、GGFGリンカー、システイン結合、DAR、スペーサー構造と凝集体の比較、旧第一製薬のカンプトテシン研究。 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/ir/pdf/005355/%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E8%B3%87%E6%96%99.pdf
  11. 米国FDA ENHERTU Approval Package(BLA 761139、承認日2019年12月20日)。 https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/nda/2019/761139Orig1s000Approv.pdf
  12. 第一三共 プレスリリース「抗悪性腫瘍剤『エンハーツ®』の国内製造販売承認取得のお知らせ」(2020年3月25日)。 https://www.daiichisankyo.co.jp/media/press_release/detail/index_5573.html
  13. 第一三共 プレスリリース「抗悪性腫瘍剤『ダトロウェイ®』の日本における製造販売承認取得のお知らせ」(2024年12月27日)。 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202412/20241227_J.pdf
  14. 第一三共 プレスリリース「DATROWAY®(ダトポタマブ デルクステカン)の米国における販売承認取得のお知らせ」(2025年1月20日)。 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202501/20250120_J.pdf
  15. 第一三共 プレスリリース「『ダイチロナ®筋注』の追加免疫における国内製造販売承認取得のお知らせ」(2023年8月2日)。 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202307/20230802_J.pdf
  16. 第一三共 プレスリリース「『エンハーツ®』の日本におけるHER2陽性の複数の固形がんに係る一部変更承認取得のお知らせ」(2026年3月23日)。 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202603/20260323_J2.pdf
  17. ClinicalTrials.gov DESTINY-Breast11(NCT05113251)。 https://clinicaltrials.gov/study/NCT05113251
  18. ClinicalTrials.gov DESTINY-Breast05(NCT04622319)。 https://clinicaltrials.gov/study/NCT04622319
  19. ClinicalTrials.gov TROPION-Breast02(NCT05374512)。 https://clinicaltrials.gov/study/NCT05374512
  20. ClinicalTrials.gov IDeate-Lung01(NCT05280470)。 https://clinicaltrials.gov/study/NCT05280470
  21. 第一三共 採用サイト特集「『がん治療』への願い_研究者が語るADC技術とその未来」。三共時代の抗体研究と第一製薬時代のDX-8951がDXd ADCで重なった経緯。 https://www.daiichisankyo.co.jp/recruit/graduate/special/adc/
  22. 第一三共 公式サイト(社名表記とロゴ画像の取得元)。 https://www.daiichisankyo.co.jp/

14. 主張と出典の対応表

本文の主張区分出典
売上収益(2024年度18,863億円・2025年度21,230億円)、研究開発費、2025年度の一過性の費用1,530億円事実出典1 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/investors/library/quarterly_result/2025/FY2025%20Financial%20Results%20and%205Year%20Business%20Plan%20Presentation_J.pdf
2025年度決算の訂正(営業利益2,580億円・当期利益2,797億円)と2026年度予想(売上収益23,400億円・営業利益3,200億円)事実出典2 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/investors/library/quarterly_result/2026/FY2026Q1_Financial_Results_Presentation_J.pdf
要員数20,171人と地域別内訳、設備投資1,354億円・2026年度予想2,000億円事実出典3 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/investors/library/quarterly_result/2026/FY2026Q1_Reference_Data_J.pdf
5DXd ADCsの売上収益9,253億円、エンハーツ6,984億円・ダトロウェイ476億円のグローバル製品売上事実出典1 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/investors/library/quarterly_result/2025/FY2025%20Financial%20Results%20and%205Year%20Business%20Plan%20Presentation_J.pdf
提携の受領済対価(アストラゼネカ6,851億円・米国メルク6,978億円)とプロフィット・シェア3,056億円事実出典1 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/investors/library/quarterly_result/2025/FY2025%20Financial%20Results%20and%205Year%20Business%20Plan%20Presentation_J.pdf
受領済対価の合計約1兆3,829億円が研究開発費の約3年分、ADC売上の比率約43.6%、研究開発費の売上比約21.8%本稿の計算出典1の数値を本稿が合算・割り算したもの
アストラゼネカとのエンハーツ提携(最大69億ドル、利益・費用の折半、製造・供給は第一三共)事実出典5 https://www.daiichisankyo.co.jp/media/press_release/detail/index_5623.html
アストラゼネカとのダトロウェイ提携(最大60億ドル)事実出典6 https://www.daiichisankyo.co.jp/media/press_release/detail/index_5545.html
米国メルクとのDXd ADC 3製品の提携(最大220億ドル、製造・供給は第一三共)事実出典7 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202310/20231020_J.pdf
MK-6070の追加(契約時一時金1億7,000万ドル、製造は米国メルク)事実出典8 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202408/20240807_J.pdf
2017年のADC生産設備投資(国内3工場、初期投資約150億円)事実出典9 https://www.daiichisankyo.co.jp/media/press_release/detail/index_5785.html
CMOへの損失補償、小田原工場ADC関連設備投資の中止、最低購入義務のリスク、自社+CMOの新体制事実出典4 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/investors/library/materials/2026/Revision%20of%20the%20FY2025%20Consolidated%20Financial%20Results%20Forecast%20_J.pdf
DXdペイロード、GGFGリンカー、鎖間システイン結合、DAR 7〜8、スペーサー構造と凝集体の比較事実出典10 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/ir/pdf/005355/%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E8%B3%87%E6%96%99.pdf
エンハーツの米国承認(2019年12月20日)と適応事実出典11 https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/nda/2019/761139Orig1s000Approv.pdf
エンハーツの日本承認(2020年3月、条件付き早期承認、ILDの警告)事実出典12 https://www.daiichisankyo.co.jp/media/press_release/detail/index_5573.html
ダトロウェイの日本承認(2024年12月、世界初)と米国承認(2025年1月)事実出典13・14 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202501/20250120_J.pdf
ダイチロナの日本承認(2023年8月、国産初のmRNAワクチン、冷蔵流通、AMED・厚生労働省の支援)事実出典15 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202307/20230802_J.pdf
エンハーツのHER2陽性固形がんの日本承認(2026年3月)事実出典16 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202603/20260323_J2.pdf
2026年5〜6月の米国承認(DESTINY-Breast11・05、TROPION-Breast02)と欧州承認、TROPION-Breast02の結果事実出典2 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/investors/library/quarterly_result/2026/FY2026Q1_Financial_Results_Presentation_J.pdf
DESTINY-Breast11のpCR改善11.2ポイントとデータカットオフ、IDeate-Lung01の確定ORR 48.2%、HER3-DXd申請取り下げ事実出典1 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/investors/library/quarterly_result/2025/FY2025%20Financial%20Results%20and%205Year%20Business%20Plan%20Presentation_J.pdf
各試験のNCT番号・フェーズ・主要評価項目事実出典17〜20 https://clinicaltrials.gov/study/NCT05113251
DESTINY-Breast05のIDFS改善の数値、TROPION-Breast02の解析時点未確定/将来本稿で確認した会社資料に記載なし。本稿では数値を補わない https://clinicaltrials.gov/study/NCT04622319
I-DXdの米国審査結果(審査終了目標日2026年10月10日)未確定/将来出典1。承認の可否は未定 https://clinicaltrials.gov/study/NCT05280470
BGT候補(抗体改変型ADC、IOペイロード、新規ペイロード、マルチスペシフィック抗体、TPD、siRNA)と時期事実出典1 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/investors/library/quarterly_result/2025/FY2025%20Financial%20Results%20and%205Year%20Business%20Plan%20Presentation_J.pdf
2030年度目標、がん領域売上収益2兆3,000億円超、成長投資約2.9兆円、特許満了などの課題事実出典1 https://www.daiichisankyo.co.jp/files/investors/library/quarterly_result/2025/FY2025%20Financial%20Results%20and%205Year%20Business%20Plan%20Presentation_J.pdf
DXd ADCのピークセールス3兆円以上のポテンシャル未確定/将来出典1。会社の見通しであり実績ではない https://www.daiichisankyo.co.jp/files/investors/library/quarterly_result/2025/FY2025%20Financial%20Results%20and%205Year%20Business%20Plan%20Presentation_J.pdf
ADC設備に限った投資額・生産能力、CMOの社名と最低購入義務の総額、研究開発費のモダリティ別内訳未確定/将来出典1〜4に記載なし。本稿では推計しない https://www.daiichisankyo.co.jp/files/investors/library/materials/2026/Revision%20of%20the%20FY2025%20Consolidated%20Financial%20Results%20Forecast%20_J.pdf
抗体は三共時代のノウハウ、DX-8951は第一製薬時代の成果で、統合により重なったこと。DX-8951は臨床試験後に開発中止事実出典21 https://www.daiichisankyo.co.jp/recruit/graduate/special/adc/
創薬・DDSの3類型の区分(製薬企業/創薬バイオテック/受託開発製造・研究)本稿の計算本稿による整理。企業名は本シリーズで扱う企業から例示
次の中核技術もADCの延長線上に置いているという読み推測BGT候補の内訳からの本稿の解釈
自社単独で開発・販売できる割合を増やしたいという読み推測自社単独ケイパビリティの方針とプロフィット・シェアの規模からの本稿の解釈
siRNA・TPDはADCの次の次を狙う布石、LNP技術をsiRNAに転用するという読み推測BGT候補の段階と説明文からの本稿の解釈
次の技術基盤が育つかどうかのリスク推測BGT候補の多くが第1相以前であることからの本稿の解釈

最終更新:2026年9月26日/Troy Technical
本稿の数値はすべて第一三共が公表した決算説明資料・決算補足資料・プレスリリース、米国FDAの承認書類、ClinicalTrials.govの登録情報に基づきます。調査会社の推計値・報道ベースの数値は使用していません。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈であり、会社の公表内容ではありません。本稿は医療上の助言ではありません。