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Open Compute Project|光通信・フォトニクス 機関解説

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INSTITUTION PROFILE / 光通信・フォトニクス

Open Compute Project
― データセンターの「買い手」が仕様を公開し合う非営利団体

Open Compute Project(OCP)は、2011年にFacebook(現Meta)が始めたプロジェクトを母体とする米国の非営利法人です。 サーバー、ラック、電源、冷却、ネットワーク機器などのデータセンター機器の仕様を公開し、共同で改良することを目的にしています。 理事会にはMeta・Microsoft・GoogleといったAIデータセンターの大口の買い手と、NVIDIA・AMD・Intelなどの半導体メーカーが並びます。 本稿では、OCPが光通信・フォトニクスにどこまで影響を持つのかに絞って整理します。

構成:OCPの公式サイト(組織概要、会員種別と会費、理事会、光回線スイッチと短距離光インターコネクトのプロジェクトページ、グローバルサミットのページ)と細則(Bylaws)を一次情報として使用。公式サイトは自動取得が遮断されるため、Internet Archiveの2026年5〜9月の保存版で内容を確認/最終更新 2026年9月

この記事でわかること
  1. 30秒でわかるOCP
  2. どんな機関か ― 影響力の「型」
  3. 光通信・フォトニクスで何をしているか
  4. 影響力の範囲(権限と地域)
  5. 関わっている企業・組織
  6. 今後の見通し
  7. 用語集/出典/主張と出典の対応表

1. 30秒でわかるOCP

正式名称Open Compute Project Foundation略称 OCP
国・地域米国(デラウェア州の非営利法人)地域コミュニティは日本・中国本土・台湾・韓国・欧州など
機関の種類非営利の業界団体米国内国歳入法501(c)(6)の目的で組織された非営利・非株式法人
設立2011年Facebook(現Meta)が始めたプロジェクトが起点
人数規模2025年サミット参加 10,835人米国サンノゼで開催。会員数の最新の公式集計は本稿で確認できず
会費(企業会員)年5,000〜50,000ドルBronze・Silver・Gold・Platinumの4段階。スタートアップ枠あり
光通信・フォトニクスへの関与の形仕様の公開と要件の整理光回線スイッチ(OCS)と短距離光インターコネクト(SROI)
影響が及ぶ範囲仕様を採用する企業法的拘束力はない。認定マークも任意
まず押さえるべき1点

OCPはデータセンターの機器を使う側(買い手)が中心になって仕様を公開する場です。 OCPは「アイデア、仕様、知的財産を公開して共有することが技術革新を最大化する」と掲げ、貢献物には効率・影響・公開性・拡張性・持続可能性の5つの原則のうち3つ以上を満たすことを求めています 事実。 光通信の分野では、光トランシーバーの電気・光仕様そのもの(OIFやIEEE 802.3の領域)ではなく、光回線スイッチ(OCS)のオープン仕様や、短距離の光I/Oに求める要件づくりに関わっています。

2. どんな機関か ― 影響力の「型」

光通信・フォトニクスの記事に出てくる「機関」は、企業と違って光部品を製品として売りません。 その代わりに、どういう経路で業界に影響を与えるかで4つの型に分けられます。

光通信・フォトニクスを動かす「機関」の4つの型 機関は光部品を製品として売らない。どの経路で業界に影響を与えるかで4つに分かれる 資金を出す 政策・規制を決める 標準を決める 場をつくる 研究開発に予算を配る 戦略・補助金・法律 仕様・規格・勧告 学会・展示会・業界団体 NICT/AIM Photonics 総務省/米国防総省 OIF/IEEE 802.3/ITU-T OFC/IOWN GF/OCP 何を研究させるか 何を国内で作らせるか どうつなぎ、どう測るか 誰が誰に会うか 届く範囲=自国の予算 届く範囲=自国の領域 届く範囲=採用した企業 届く範囲=参加者 OCPは「標準」と「場」の2つの型。機器の仕様を公開し、買い手と作り手が集まる場を運営する 光通信では、光回線スイッチ(OCS)の仕様づくりと、短距離の光I/Oの要件整理を進めている
図1 光通信・フォトニクスに関わる機関の4つの型と、OCPの位置。区分は本稿によるもので、機関名は本シリーズで扱う8機関と、その資金の出し手である政府機関から例示しています 本稿の計算。OCPは米国の非営利法人で、仕様の公開(標準)と、会員制度やサミット(場)の両方を持つため、2つの型を強調しています。

3. 光通信・フォトニクスで何をしているか

OCPのプロジェクトのうち、光通信・フォトニクスに関わるものは次のとおりです 事実。

活動位置づけ中身対象外(明記されているもの)
Optical Circuit Switching(OCS)Networkingプロジェクトのサブプロジェクト光回線スイッチのハード・ソフトのオープン仕様、SDNとの連携、テレメトリー、データセンターとAIクラスターでの実証、標準化団体と協力した互換性の確保特定企業の独自方式、長距離の通信事業者向け用途、インターフェース以外の物理層部品の設計
Short Reach Optical Interconnect(SROI)将来技術イニシアティブ(FTI)の作業部会プロセッサ間、プロセッサとメモリ間の帯域を短距離の光で改善するための要件と指標を定め、OCPの要件文書にまとめる―
OCP Accepted™・OCP Inspired™製品の認定制度承認済みのOCP仕様に準拠した製品を認定。設計ファイルを提供したものがAccepted、提供していないものがInspired光部品の認定例は本稿では確認していない
グローバルサミット年次の会合2025年は10,835人が参加。2026年は10月12〜15日に米国サンノゼで開催―
素材技術者の視点:「要件」を先に決めるのが買い手の団体

SROIは製品の仕様ではなく、短距離の光I/Oに何を求めるか(要件と指標)を定める作業部会です。 OIFやIEEE 802.3が「どうつなぐか」を決めるのに対し、OCPは買い手の立場から「どういう条件を満たしてほしいか」を先に示す役割になります。 光部品や実装材料を供給する立場からは、OCPの要件文書が、ハイパースケーラーの調達条件を読むための手がかりになります(本稿の見方)。

4. 影響力の範囲(権限と地域)

観点OCPが持っているもの持っていないもの
権限仕様と設計を公開し、貢献物を受け入れ、準拠製品に認定マークを与える権限仕様を守らせる権限、規制、研究資金の配分
地域法人は米国。地域コミュニティはアジア太平洋・中国本土・欧州中東アフリカ(EMEA)・日本・韓国・台湾特定の国の制度への組み込み
意思決定理事会が運営。運営委員会の選挙で持てる票は会員種別で0〜3票(Silver 1票、Gold 2票、Platinum 3票、StartupとBronzeは0票)1社1票の平等な投票(OIFとは違う)
公開性OCSの会議は録画され、資料・提案・議事録はWikiで公開される(細則と知的財産方針による)非公開の標準化交渉の場
光の仕様との関係OCSの範囲に「標準化団体と協力して互換性を確保する」と明記光トランシーバーの電気・光インターフェースの規格(OIF・IEEE 802.3の領域)
数字の読み方の注意

OCPの理事会のページには、理事長のコメントとして「約300の企業会員」という記述がありますが、コメントの時期が書かれていません。 会員一覧のページは本稿の方法では内容を取得できなかったため、本稿では最新の会員数を示していません 未確定/将来。 規模の目安として、2025年のグローバルサミットの参加者10,835人を使っています。

5. 関わっている企業・組織

OCPを中心にした関係図 大口の買い手と半導体メーカーが理事会を構成し、仕様の公開・認定・サミットを運営する 理事会(2026年7月時点) Meta(議長)/Microsoft/Google/NVIDIA AMD/Intel/Arm/個人1名/OCPのCEO OCP Foundation(米国) 501(c)(6)の非営利法人 光に関わるプロジェクト OCS(Networking) SROI(将来技術) SONiC・SAI・ONIE 公開と認定 仕様とWikiの議事資料 OCP Accepted™ OCP Inspired™ 場 グローバルサミット 2025年は10,835人 地域コミュニティ
図2 OCPを中心にした関係図。出典:OCPの理事会のページ(2026年7月の保存版)、組織概要、OCSとSROIのプロジェクトページ、会員名簿ページの認定制度の説明、グローバルサミットのページ 事実。

本シリーズの企業解説との関係

企業(本シリーズの対象候補)OCPでの立場(一次情報の表記)
NVIDIA理事(Rob Ober氏)
AMD理事(Robert Hormuth氏)
Intel理事(Jeff McVeigh氏)

※理事会以外の会員企業は、会員一覧のページを本稿の方法で取得できなかったため確認していません。ほかの対象候補企業が会員であるかどうかは未確認です 未確定/将来。

6. 今後の見通し

読み取れること根拠となる一次情報区分
光回線スイッチ(OCS)が特定企業の独自方式から、複数社が参入できる形に移っていくOCSサブプロジェクトは、独自方式を対象外とし、ベンダーに依存しないオープン仕様と標準化団体との協力を掲げる推測
短距離の光I/Oでは、買い手が示す要件と指標が、部品メーカーの開発目標の目安になるSROIはプロセッサ間・プロセッサとメモリ間の光I/Oの要件と指標を定め、OCPの要件文書をつくると明記推測
大口の買い手と半導体メーカーが主導する構造は当面続く理事会はMeta(議長)・Microsoft・Google・NVIDIA・AMD・Intel・Armと個人1名、OCPのCEOで構成推測

7. 用語集

OCS(光回線スイッチ)
光信号を電気に変えずに、光の経路をそのまま切り替えるスイッチ。AIクラスターの配線の組み替えに使われる。
SROI
Short Reach Optical Interconnect。プロセッサやメモリの間を短距離の光でつなぐ技術の要件を整理するOCPの作業部会。
OCP Accepted™/Inspired™
OCPの仕様に準拠した製品の認定マーク。設計ファイルを提供したかどうかで区別する。
501(c)(6)
米国内国歳入法で、業界団体などの非営利組織の区分。

8. 出典

  1. OCP About(2011年の設立、Facebookのデータセンター設計が起点、情報の公開と共有、5つの原則、OCP Accepted™)。Internet Archiveの2026年9月7日保存版で確認。 https://www.opencompute.org/about
  2. OCP Membership(企業会員の4段階と会費、運営委員会の投票数、スタートアップ枠)。Internet Archiveの2026年6月1日保存版で確認。 https://www.opencompute.org/membership
  3. OCP Board of Directors(理事の氏名と所属、理事長コメント)。Internet Archiveの2026年7月2日保存版で確認。 https://www.opencompute.org/about/board-of-directors
  4. OCP Optical Circuit Switching(Networkingプロジェクトのサブプロジェクト、目的・範囲・対象外、会議資料の公開)。Internet Archiveの2026年5月21日保存版で確認。 https://www.opencompute.org/community/optical-circuit-switching
  5. OCP Short Reach Optical Interconnect(将来技術イニシアティブの作業部会、目的と範囲)。Internet Archiveの2026年5月21日保存版で確認。 https://www.opencompute.org/community/short-reach-optical-interconnect
  6. OCP 2026 OCP Global Summit(2026年10月12〜15日、サンノゼ。2025年の参加者10,835人)。Internet Archiveの2026年9月20日保存版で確認。 https://www.opencompute.org/summit/global-summit
  7. OCP Membership Directory(OCP Accepted™とOCP Inspired™の定義)。Internet Archiveの2026年5月21日保存版で確認。 https://www.opencompute.org/membership/membership-directory
  8. OCP Bylaws of Open Compute Project Foundation(2025年4月10日改定。デラウェア州の非営利・非株式法人、501(c)(6)の目的)。Internet Archiveの2025年10月29日保存版で確認。 https://www.opencompute.org/documents/bylaws

9. 主張と出典の対応表

本文の主張区分出典
2011年の設立、情報の公開と共有、5つの原則のうち3つ以上、地域コミュニティ事実出典1 https://www.opencompute.org/about
企業会員の会費と運営委員会の投票数事実出典2 https://www.opencompute.org/membership
理事の構成、理事長コメントの「約300の企業会員」(時期の記載なし)事実出典3 https://www.opencompute.org/about/board-of-directors
OCSサブプロジェクトの目的・範囲・対象外、会議資料の公開事実出典4 https://www.opencompute.org/community/optical-circuit-switching
SROIの目的と範囲事実出典5 https://www.opencompute.org/community/short-reach-optical-interconnect
2025年サミットの参加者10,835人、2026年サミットの日程事実出典6 https://www.opencompute.org/summit/global-summit
OCP Accepted™とOCP Inspired™の定義事実出典7 https://www.opencompute.org/membership/membership-directory
デラウェア州の非営利・非株式法人、501(c)(6)事実出典8 https://www.opencompute.org/documents/bylaws
機関の4つの型の区分、要件文書が調達条件の手がかりになるという見方本稿の計算本稿による整理
最新の会員数、理事以外の対象候補企業の会員状況未確定/将来出典1〜8で確認できず。本稿では推計しない
第6章の見通し3項目推測出典3〜5の内容からの本稿の解釈

最終更新:2026年9月26日/Troy Technical
本稿の記述はOCPの公式サイトと細則に基づきます(公式サイトは自動取得が遮断されるため、Internet Archiveの保存版で内容を確認しました)。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈です。