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OFC|光通信・フォトニクス 機関解説

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INSTITUTION PROFILE / 光通信・フォトニクス

OFC(Optical Fiber Communication Conference and Exhibition)
― 光通信の研究と製品が毎年1週間に集まる「場」

OFCは、米国で毎年3月に開かれる光通信の国際会議と展示会です。 米国の光学系の学会Opticaが運営し、IEEEの通信学会(ComSoc)とフォトニクス学会が共催しています。 OFC 2026(ロサンゼルス)には約18,000人が参加し、706社が出展しました。 規格も資金も持たない「場」ですが、新しい光トランシーバー、CPO、光ファイバーの研究成果と製品が同じ週に発表されるため、業界の関心がどこに向かっているかを示す場になっています。 本稿では、OFCが光通信・フォトニクスにどこまで影響を持つのかに絞って整理します。

構成:OFCの公式サイト(トップページ、概要)と主催者のニュースリリース、Opticaの公式サイト、OIF・ITU-T・NICTの公表資料を一次情報として使用/最終更新 2026年9月

この記事でわかること
  1. 30秒でわかるOFC
  2. どんな機関か ― 影響力の「型」
  3. 光通信・フォトニクスで何をしているか
  4. 影響力の範囲(権限と地域)
  5. 関わっている企業・組織
  6. 今後の見通し
  7. 用語集/出典/主張と出典の対応表

1. 30秒でわかるOFC

正式名称Optical Fiber Communication Conference and Exhibition略称 OFC。名称はOpticaの登録商標
国・地域米国(ロサンゼルスで開催)2026〜2029年はロサンゼルス・コンベンションセンター
機関の種類学会が主催する国際会議・展示会Opticaが共催・運営、IEEE ComSocとIEEE Photonics Societyが共催
歴史50年以上主催者リリースの「50年以上」の記載
人数規模約18,000人・91か国OFC 2026の参加者(主催者発表)
出展706社(完売)展示面積は210,346平方フィート
光通信・フォトニクスへの関与の形査読付きの研究発表と展示会業界プログラム、標準化団体の実演やセッションの場にもなる
影響が及ぶ範囲参加者規格・規制・資金の権限はない
まず押さえるべき1点

OFCは何も決めない場です。規格をつくる権限も、研究資金を配る権限もありません。 それでも影響力があるのは、研究(査読付き論文)と製品(展示)と標準化団体の実演が同じ週に集まるからです。 OFC 2026では、OIFが40社の会員企業と相互接続の実演を行い、ITU-TのSG15も会期中にセッションを開きました 事実。 主催者は、OFC 2026の技術テーマとしてAIインフラ、224Gから448Gへのレーン速度の向上、1.6Tの商用化、CPO・NPO・光I/Oなどの低消費電力の光アーキテクチャを挙げています。

2. どんな機関か ― 影響力の「型」

光通信・フォトニクスの記事に出てくる「機関」は、企業と違って光部品を製品として売りません。 その代わりに、どういう経路で業界に影響を与えるかで4つの型に分けられます。

光通信・フォトニクスを動かす「機関」の4つの型 機関は光部品を製品として売らない。どの経路で業界に影響を与えるかで4つに分かれる 資金を出す 政策・規制を決める 標準を決める 場をつくる 研究開発に予算を配る 戦略・補助金・法律 仕様・規格・勧告 学会・展示会・業界団体 NICT/AIM Photonics 総務省/米国防総省 OIF/IEEE 802.3/ITU-T OFC/IOWN GF/OCP 何を研究させるか 何を国内で作らせるか どうつなぎ、どう測るか 誰が誰に会うか 届く範囲=自国の予算 届く範囲=自国の領域 届く範囲=採用した企業 届く範囲=参加者 OFCは「場をつくる」型。光通信の研究発表と製品展示が毎年1週間に集まる会議・展示会 規格も資金も持たない。研究者・部品メーカー・買い手が同じ場で成果と製品を見比べることが影響力の源
図1 光通信・フォトニクスに関わる機関の4つの型と、OFCの位置。区分は本稿によるもので、機関名は本シリーズで扱う8機関と、その資金の出し手である政府機関から例示しています 本稿の計算。OFCは米国の学会Opticaが運営し、IEEEの2つの学会が共催する会議・展示会です。規格や資金は持たないため「場」の型に置いています。

3. 光通信・フォトニクスで何をしているか

OFCのプログラムは大きく4つに分かれます。OFC 2026の内容は主催者のリリースによります 事実。

プログラム中身OFC 2026の例
技術会議(査読付き)研究発表、招待講演、チュートリアル。最終日には締め切り後の最新成果(ポストデッドライン論文)を発表招待・チュートリアル講演130件。ポストデッドライン論文にはシリコンフォトニクス上で1.6Tを可能にするチタン酸バリウムの研究など
展示会光部品・モジュール・装置・光ファイバー・試験機器のメーカーが製品を展示706社。CPOとスケールアップ向け光I/O、1.6T・3.2Tのコヒーレント伝送、光集積回路、800G・1.6Tの試験装置、中空コアファイバー
展示会場の業界プログラム市場動向、通信事業者、データセンターの3つの劇場での講演Market Watch、Network Operator Summit、Data Center Summitで計45件
標準化団体の実演・セッション標準化団体が会場で相互接続を実演し、作業の進み具合を説明OIFは15社・約100個のコヒーレントモジュールを接続する最大規模の実演。ITU-T SG15は3月19日にセッション
素材技術者の視点:展示会の「テーマの移り変わり」を読む

主催者はOFC 2026の出展テーマとして、CPOや光I/Oと並んで中空コアファイバーを挙げ、ポストデッドライン論文にはシリコンフォトニクス上のチタン酸バリウムによる1.6Tの研究が入りました 事実。 新しい材料が「研究発表」から「展示」へ移る順番をOFCで追うと、実用化の段階を大まかにつかめます。 ただし、OFCでの発表は製品の量産や採用を意味しません(本稿の見方)。

4. 影響力の範囲(権限と地域)

観点OFCが持っているもの持っていないもの
権限発表論文を査読して採否を決め、会議と展示の内容を編成する規格を決める権限、製品を認証する権限、研究資金
地域開催地は米国。参加者は91か国(OFC 2026、主催者発表)参加者以外への直接の影響力
運営Optica(米国ワシントンDCに本部、1916年設立)が共催・運営し、IEEE ComSocとIEEE Photonics Societyが共催特定の企業や国が運営を決める仕組み(主催は学会)
業界への波及標準化団体(OIF・ITU-T SG15)が実演やセッションを行い、各社が製品発表の時期をOFCに合わせる発表された製品の採用・量産を保証する仕組み
数字の読み方の注意

OFC 2026の参加者は、主催者の事後リリースでは「約18,000人・91か国」、公式サイトのトップページでは「17,800人・73か国」と、国の数に差があります 未確定/将来。 本稿は事後リリースの数字を使っています。また、2026年2月の事前リリースでは「16,000人・90か国の見込み」でした。

5. 関わっている企業・組織

OFCを中心にした関係図(OFC 2026) 学会が主催し、部品・装置メーカーが出展し、標準化団体と研究機関が成果を見せる 主催(共催) Optica(米国ワシントンDC)が運営 IEEE ComSoc/IEEE Photonics Society 出展企業(主催者発表の例) NVIDIA/Intel/Marvell/Cisco/Nokia Lumentum/Coherent/Ciena/Corning Ayar Labs/Lightmatter/Celestial AI OFC 2026(ロサンゼルス) 約18,000人・706社が出展 標準化団体・研究機関が成果を見せる場(一次情報で確認できたもの) OIF:40社の会員が相互接続を実演。15社・約100個のコヒーレントモジュールを接続 ITU-T SG15:2026年3月19日に会期中のセッションを開催 NICT:薄膜LN変調器の成果がOFC 2025のポストデッドライン論文に採択
図2 OFCを中心にした関係図。出典:OFC 2026の主催者リリース(2026年2月12日・3月20日)、OIFのプレスリリース(2026年2月18日)、ITU-T SG15のページ、NICTの令和7年度事業報告書 事実。

本シリーズの企業解説との関係

区分企業(本シリーズの対象候補)一次情報での表記
出展企業として名前が挙がったNVIDIA、Intel、Marvell、Cisco、Nokia、Lumentum、Coherent、Ciena、Corning、Ayar Labs、Lightmatter、Celestial AI2026年2月12日の主催者リリースの出展企業の例
スポンサーAMD公式サイトのトップページのスポンサー欄に「Advanced Micro Devices」
大会の総合委員長住友電工総合委員長の1人(Tetsuya Hayashi氏、所属はSumitomo Electricと表記)が主催者リリースでコメント

※706社の出展企業一覧は本稿では照合していません。表にない対象候補企業が出展していないという意味ではありません 本稿の計算。

6. 今後の見通し

読み取れること根拠となる一次情報区分
OFC 2027(2027年3月7〜11日、ロサンゼルス)でも、448G・1.6T・CPO/NPOが中心テーマになるOFC 2026の技術テーマ(224Gから448Gへ、1.6Tの商用化、CPO・NPO・光I/O)と、2027年の展示会に750社超が出展予定という公式サイトの記載推測
標準化団体の相互接続の実演の場としての役割が大きくなるOIFはOFC 2026で40社・15社約100個のモジュールという過去最大の実演を行い、ITU-T SG15もセッションを開いた推測
中空コアファイバーなど新しい光ファイバーの展示が増える主催者がOFC 2026の出展テーマに中空コアファイバーを挙げた。ITU-T SG15も中空コアファイバーの技術報告を開始推測

7. 用語集

Optica
1916年設立の光学・フォトニクスの学会。本部は米国ワシントンDC。OFCを共催・運営する。
ポストデッドライン論文
通常の締め切り後に受け付ける最新成果の論文。会議の最終日に発表される。
相互接続の実演
複数社の製品を実際につないで、仕様どおりに動くことを会場で見せる取り組み。
ECOC
欧州光通信会議。OFCと並ぶ光通信の会議・展示会で、2026年はスペイン・マラガで9月に開催。

8. 出典

  1. OFC ニュースリリース「OFC 2026 Delivers a High-Impact Week…」(2026年3月20日)。約18,000人・91か国、706社、210,346平方フィート、130件の招待講演、52のスポンサー団体、技術テーマ、ポストデッドライン論文、総合委員長、共催者。 https://www.ofcconference.org/news-media/news-releases/2026/ofc-2026-delivers-a-high-impact-week-marked-by-breakthrough-announcements-strong-attendance-and-glo/
  2. OFC ニュースリリース「OFC 2026 Exhibit Connects the Global Optical Ecosystem…」(2026年2月12日)。出展企業の例、出展テーマ、16,000人・90か国の見込み、3つの劇場の45件、50年以上の歴史。 https://www.ofcconference.org/news-media/news-releases/2026/ofc-2026-exhibit-connects-the-global-optical-ecosystem-powering-ai-era-data-centers-and-networks/
  3. OFC 公式サイトのトップページ(17,800人・73か国・706社、スポンサー欄、名称がOpticaの登録商標であること)。 https://www.ofcconference.org/
  4. OFC About(2027年は750社超が出展予定、2027〜2029年の会期と会場)。 https://www.ofcconference.org/about/
  5. Optica About Optica(1916年設立)。 https://www.optica.org/about/
  6. Optica Global Headquarters(本部は米国ワシントンDC)。 https://www.optica.org/about/contact/global_headquarters/
  7. OIF プレスリリース「OIF Validates Critical Interoperability Live at OFC 2026…」(2026年2月18日)。40社の会員企業、15社・約100個のコヒーレントモジュール。 https://www.oiforum.com/oif-validates-critical-interoperability-live-at-ofc-2026-through-multi-vendor-demonstrations-and-expert-panels/
  8. ITU-T SG15のトップページ(OFC 2026でのSG15セッション、2026年3月19日)。 https://www.itu.int/en/ITU-T/studygroups/2025-2028/15/Pages/default.aspx
  9. NICT 令和7年度事業報告書(薄膜LN変調器の成果がOFC2025のポストデッドライン論文に採択)。 https://www.nict.go.jp/lde9n20000000ex5-att/u0gnsi00000007ij.pdf

9. 主張と出典の対応表

本文の主張区分出典
OFC 2026の参加者・出展社数・展示面積・講演数、技術テーマ、共催者、総合委員長事実出典1 https://www.ofcconference.org/news-media/news-releases/2026/ofc-2026-delivers-a-high-impact-week-marked-by-breakthrough-announcements-strong-attendance-and-glo/
出展企業の例、出展テーマ、事前の見込み、業界プログラム45件、50年以上の歴史事実出典2 https://www.ofcconference.org/news-media/news-releases/2026/ofc-2026-exhibit-connects-the-global-optical-ecosystem-powering-ai-era-data-centers-and-networks/
トップページの17,800人・73か国、AMDのスポンサー掲載、登録商標事実出典3 https://www.ofcconference.org/
2027年の出展予定、2027〜2029年の会期と会場事実出典4 https://www.ofcconference.org/about/
Opticaの設立年事実出典5 https://www.optica.org/about/
Opticaの本部所在地事実出典6 https://www.optica.org/about/contact/global_headquarters/
OIFのOFC 2026での実演の規模事実出典7 https://www.oiforum.com/oif-validates-critical-interoperability-live-at-ofc-2026-through-multi-vendor-demonstrations-and-expert-panels/
ITU-T SG15のOFC 2026でのセッション事実出典8 https://www.itu.int/en/ITU-T/studygroups/2025-2028/15/Pages/default.aspx
NICTの変調器の成果がOFC2025のポストデッドライン論文に採択事実出典9 https://www.nict.go.jp/lde9n20000000ex5-att/u0gnsi00000007ij.pdf
機関の4つの型の区分、本シリーズ企業の区分け本稿の計算本稿による整理
参加国数の表記の差(91か国と73か国)、706社全体と対象候補企業の照合未確定/将来出典1・3の数字が一致せず、出展企業一覧は本稿で照合していない
第6章の見通し3項目推測出典1・2・4・7・8の内容からの本稿の解釈

最終更新:2026年9月26日/Troy Technical
本稿の記述はOFCの公式サイトと主催者リリース、Optica・OIF・ITU-T・NICTの公表資料に基づきます。「推測」と記した箇所は、一次情報から本稿が読み取った解釈です。