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シリコンペロブスカイトタンデム|ペロブスカイト太陽電池 技術解説

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TECHNOLOGY EXPLAINER

シリコンペロブスカイトタンデム
― シリコンの上に、もう1枚の太陽電池を重ねる

結晶シリコン太陽電池の上に、ペロブスカイトの太陽電池を直接積み上げる技術です。 約1 cm²のセルでは第三者認証で35.2%(初期効率)が効率表に載り、 約1.7 m²のモジュールでも29.4%が認証されています。 ただし、数字は面積と測定の区分によって大きく変わります。

構成:Solar cell efficiency tables(Version 68)、査読論文(Science・Nature・Nature Materials・Energy & Environmental Science ほか)、LONGi の公式発表を一次情報として使用/最終更新 2026年9月

暗い面の上に、濃紺の円板状のウェハが斜めに置かれ、表面に薄い透明な膜のわずかな虹色の反射が見える概念イメージ
概念図(AI生成イメージ)。「シリコンの上にもう1層の太陽電池を重ねる」という発想を雰囲気として表現したものです。実際のセル・ウェハ寸法・膜の色や構造を示すものではありません。
この記事の構成
  1. シリコンペロブスカイトタンデムとは(3行でつかむ)
  2. 効率の現在地 ― 面積と測定区分で数字が変わる
  3. 2端子と4端子 ― 電気のつなぎ方が違う
  4. 2端子セルの中身 ― トップセル・再結合層・ボトムセル
  5. 電流整合 ― 直列につなぐことの代償
  6. 素材技術者の視点①:再結合層は「薄い電極」ではなく「継ぎ目」
  7. テクスチャ上の成膜 ― 研磨面から産業標準のピラミッドへ
  8. 素材技術者の視点②:200℃の天井と、積み重ねる順番
  9. 本稿の計算:小さなセルと大きなモジュールの差
  10. 強みと課題
  11. 用語集/参考資料/出典対応表
本記事の表記ルール

事実=公表資料に記載のある内容(出典リンクあり)
本稿の計算=明示した前提をもとに本記事が算出した値
未確定/将来=計画・目標・見通しであり、実績が確認できていない事項
このほか、構造の整理や材料設計上の読み取りは「解説」として区別しています。 変換効率には認証の有無・セル/モジュールの別・面積を必ず併記します。

1. シリコンペロブスカイトタンデムとは(3行でつかむ)

タンデム(多接合)太陽電池とは、吸収する光の色(波長)が違う太陽電池を上下に重ね、太陽光を分担して使う構造です。 シリコンペロブスカイトタンデムでは、上(光が先に当たる側)にペロブスカイト、下に結晶シリコンを置きます。

  • 何がうれしいか:単接合のシリコン太陽電池は理論限界に近づいています。EES誌の2026年のパースペクティブは、2接合以上のタンデムが熱として失われるエネルギーを減らし、太陽光スペクトルをより広く使えると整理しています事実
  • どこまで来たか:効率表 Version 68 には、LONGi の2端子セルが35.2%(面積 0.9994 cm²、ESTI 測定、初期効率)として掲載されています事実。単接合シリコンの最高値 28.1%(同表)を上回ります
  • どこが難しいか:2つのセルを直列につなぐ「再結合層」、凹凸(テクスチャ)のあるシリコン表面への成膜、そして上下の電流をそろえる設計です。いずれも材料とプロセスの問題です(本記事による解説)
この記事でいちばん大事な一行

タンデムの効率は「上下どちらのセルが良いか」ではなく、「2つをどうつなぐか」で決まる段階に来ています。 EES誌のパースペクティブは、再結合接合(再結合層)を「副次的な中間層ではなく、決定的なボトルネックとして扱うべきだ」と主張しています事実。 つなぎ目は数十 nm の薄膜の積み重ねで、そこは素材技術者の領分です。

2. 効率の現在地 ― 面積と測定区分で数字が変わる

「タンデムで35%」という見出しを見たら、まず何の面積で、誰が測ったかを確かめる必要があります。 効率表(Solar cell efficiency tables)は、第三者の試験機関が確認した値だけを載せる一覧で、 面積の定義も全面積(t)・開口面積(ap)・指定照射面積(da)の3種類に区別しています事実。 Version 68 に載ったシリコンペロブスカイトタンデムの値は次のとおりです。

区分効率面積測定機関(時期)作製
セル(小面積)35.2 ± 1.1%0.9994 cm²(da)ESTI(2026年2月)LONGi、2端子
セル(大面積)34.3 ± 1.5%261.0 cm²(ap)Fraunhofer ISE(2025年11月)LONGi、2端子
セル(大面積)32.2 ± 1.4%274.0 cm²(t)Fraunhofer ISE(2025年7月)LONGi、2端子
モジュール31.4 ± 0.9%1,650.4 cm²Fraunhofer ISE(2025年11月)LONGi
モジュール(大型)29.4 ± 0.9%16,766 cm²Fraunhofer ISE(2025年11月)LONGi

すべて事実(効率表 Version 68[参考資料1])。ペロブスカイトを含むこれらの値には、表中で「初期効率(Initial efficiency)」の注が付いています。安定化後の値ではありません。

同じ論文の本文は、Trina Solar が作製した 221 cm² のタンデムセルで 32.15%(全面積、ISFH 測定)が得られたことにも触れ、 「小面積と実用サイズのタンデムの性能差が縮まっていることを示す」と述べています事実。 また、公的な研究プログラムの効率目標は一般に1 cm² 以上のセル面積で定められていること、 小さなセルほど測定誤差が大きくなりやすいことも説明しています事実。

効率表の後に出た企業発表

LONGi は2026年7月、自社のシリコンペロブスカイトタンデムセルが 35.5% に達し、 ESTI(European Solar Test Installation)の認証を受けたと発表しました事実。 ただし、この発表文にはセル面積の記載がなく、本稿の調査時点では効率表への掲載も確認できていません。 同社はそれ以前の歩みとして、33.9%(2023年11月)、34.6%(2024年6月)、 34.85%(2025年4月、米国 NREL 認証、2端子)を挙げています事実。

数字を読むときの注意

・35.5% は企業の発表で、第三者機関(ESTI)の認証を受けたとされていますが、面積は公表文にありません
・35.2% は効率表に載った値で、面積約1 cm²、初期効率です
・29.4% は面積約1.7 m²のモジュールの値で、同じく初期性能です
同じ「タンデムの効率」でも、この3つは比べる対象がまったく違います(本記事による解説)。

3. 2端子と4端子 ― 電気のつなぎ方が違う

タンデムには大きく2つの形があります。取り出し電極(端子)の数で呼び分けます。

2端子(モノリシック)と4端子(機械的積層)の違い 上から光が入る。黄色の矢印は光、黒丸は外部に出る端子(本記事による模式図) 2端子(2T) 4端子(4T) ペロブスカイト 結晶シリコン 再結合層 1枚の基板の上に直接積み上げる 上下の電流をそろえる必要がある ペロブスカイト 結晶シリコン 間は光だけ 別々に作ったセルを重ねる 透明電極が増え、配線も2系統 ※ 淡青=透明電極、茶=再結合層、灰=裏面電極。層の厚みは実際の比率ではありません。 ※ 2Tと4Tの長所・短所はElsmaniらのレビュー[参考資料11]とHooijerら[参考資料10]によります。 ※ どちらが最終的に主流になるかについて、研究者の間で明確な合意はないとされています。
図1 概念図(ベクター作図)。2端子と4端子の違いを模式的に示したものです。長所・短所の記述は Elsmani らのレビュー[参考資料11]と Hooijer らのパースペクティブ[参考資料10]によります。層の厚み・色・配置は模式で、実際の断面や特定企業の構造を示すものではありません。
項目2端子(モノリシック)4端子(機械的積層)
つなぎ方シリコンの上にペロブスカイトを直接成膜し、再結合層で直列接続別々に作った2つのセルを重ね、電気的には独立に取り出す
利点構造が単純で、既存の生産ラインに組み込みやすい再結合層の条件が緩み、電流整合が不要
弱点上下の電流をそろえる緻密な設計が要る窓層・界面層が増える分の光学損失、配線など周辺部材のコスト

すべて事実(Elsmani ら, Nanomaterials 2021[参考資料11])。Hooijer らは「モノリシックと機械的積層のどちらが最終的に主流になるか、明確な合意はない」とし、研究の重心はモノリシック(2端子)にあると述べています[参考資料10]。

この記事では、以降2端子(モノリシック)を中心に扱います。 効率表 Version 68 の新規掲載4件はいずれもペロブスカイトをトップセルとする2端子・2セルの積層であり事実、 記録競争の中心がここにあるからです。

4. 2端子セルの中身 ― トップセル・再結合層・ボトムセル

2端子タンデムは、光の入る側から見ると次の3つの部分でできています。 層の組み合わせは研究機関・企業ごとに異なるため、下の図は論文でよく使われる代表的な構成を本記事が整理したものです。

2端子タンデムの代表的な層構成(p-i-n型トップセルの例) 光は上から入る。右の括弧は3つの部分のまとまりを示す(本記事による整理) 金属グリッド電極 透明導電膜(スパッタで成膜) SnO2 バッファ層(ALDなど) C60(電子を取り出す層) ワイドギャップのペロブスカイト(約1.68 eV) SAM(正孔を取り出す単分子膜) 透明導電膜(ITOなど) n型シリコン薄膜(アモルファス/ナノ結晶) 結晶シリコン(ヘテロ接合型などのボトムセル) 裏面電極 トップ セル 再結合 層 ボトム セル ※ 再結合層を「n型Si/透明導電膜/SAMなどの正孔輸送層」とする構成はHooijerら[参考資料10]の整理によります。 ※ SAMはAl-Ashouriら[参考資料6]、C60はChinら[参考資料7]、1.68 eVは[参考資料6・8]の記載によります。 ※ 図の境界に描いたn型Si薄膜は、厳密にはボトムセル側の層として扱われることもあります。厚みは模式です。
図2 概念図(ベクター作図)。論文で多く使われる構成を本記事が1つの図に整理したものです。個々の層の材料は Hooijer ら[参考資料10]、Al-Ashouri ら[参考資料6]、Chin ら[参考資料7]、Mariotti ら[参考資料8]の記載によります。実際の製品や特定の記録セルの断面ではなく、層の厚み・順番の細部・界面処理は研究ごとに異なります。実際のボトムセル表面は平らではなく、凹凸(テクスチャ)があります(第7章)。

(1) トップセル:ワイドギャップのペロブスカイト

シリコンの下に光を通すため、トップセルにはシリコンより大きなバンドギャップのペロブスカイトを使います。 HZB などのグループが2020年に Science 誌で報告した認証効率 29.15% のタンデムでは、ペロブスカイトのバンドギャップは 1.68 eV でした事実。 2023年の Mariotti らの報告(認証効率 最大32.5%)も 1.68 eV の「トリプルハライド」組成を使っています事実。 組成とバンドギャップの関係は、本シリーズ「バンドギャップと組成設計」編で詳しく扱います。

(2) 再結合層:2つのセルを直列につなぐ継ぎ目

トップセルから出てきた電子と、ボトムセルから出てきた正孔を、その場で出会わせて打ち消す層です。 こうすることで2つのセルが直列につながり、電圧が足し算になります。 2015年に MIT とスタンフォード大学のグループが報告した最初期の2端子セルは、 シリコンのトンネル接合でこれを実現し、面積1 cm²で開放電圧 1.65 V、安定した効率 13.7% を示しました事実。

その後、ナノ結晶シリコンの再結合接合(Sahli ら, 2018)事実を経て、 現在のシリコンペロブスカイトタンデムでは「n型Si(アモルファスまたはナノ結晶)/透明導電膜/正孔輸送層(SAM・NiOx など)」という構成が一般的だと整理されています事実。

(3) ボトムセル:結晶シリコン

記録級のセルの多くはシリコンヘテロ接合(SHJ)型をボトムセルにしています。 LONGi が2024年に Nature 誌で報告した認証効率 33.89%(安定化後)のセルも、Cz法ウェハを使った SHJ セルの上に作られました事実。 一方、量産シリコンで主流の TOPCon 型をボトムセルにした報告もあり、 面積1 cm²で 31.1%(認証値 30.9%)が Nature Communications 誌に報告されています事実。

5. 電流整合 ― 直列につなぐことの代償

2端子タンデムでは、2つのセルが直列につながっています。 直列回路に流れる電流は、弱いほうのセルで頭打ちになります。 Elsmani らのレビューは、2端子の最大の制約として「各セルの電流整合」を挙げています事実。 2015年の最初期のセルも、ペロブスカイト側が電流を制限していたと報告されています事実。

実際のセルで確かめてみます。効率表 Version 68 に載った 261 cm² のタンデムセルは、 開放電圧 2.013 V、短絡電流密度 20.04 mA/cm²、曲線因子 85.0% です事実。 同じ表の単接合シリコンセル(175.37 cm²、27.8%)は、開放電圧 0.7469 V、短絡電流密度 42.76 mA/cm² です事実。

本稿の計算:タンデムは「電圧を倍にして、電流を半分にする」
  • 効率の検算:2.013 V × 20.04 mA/cm² × 0.850 = 34.29 mW/cm²。入射 100 mW/cm² に対して 34.3% となり、表の値と一致します本稿の計算
  • 274 cm² のセルも同様に:2.004 V × 19.89 mA/cm² × 0.809 = 32.25 mW/cm² → 32.2%(表の値と一致)本稿の計算
  • 電流:20.04 ÷ 42.76 = 約0.47。タンデムの電流は単接合シリコンの半分弱です
  • 電圧:2.013 ÷ 0.7469 = 約2.7倍

前提と限界:2つのセルは面積も作製者も測定時期も異なり、同じシリコンを使ったタンデムと単接合の比較ではありません。 桁の感覚をつかむための比較です。

電流整合:直列では弱いほうのセルが電流を決める(本稿の計算) 左の数値は説明のために本稿が置いた仮定の値であり、実在のセルの測定値ではありません ① 電流がそろっていない場合(仮定) ② 光の配分を調整してそろえた場合 トップ 20.5 ボトム 19.5 直列の電流 = 19.5 mA/cm² トップセルの余った 1.0 は活かされない 単位はいずれも mA/cm²(合計40.0と仮定) トップ 20.0 ボトム 20.0 直列の電流 = 20.0 mA/cm²(+0.5) 0.5 mA/cm² × 1.7 V ≒ 0.85 mW/cm² 効率にして 約0.85ポイント 参考:Hooijerらは、0.1 mA/cm² の電流損失が 2接合セルで0.15〜0.2ポイントの効率低下に相当すると見積もっています ※ ①②の電流値と動作電圧1.7 Vは本稿の仮定。曲線因子の変化などは無視した単純化です。 ※ 0.1 mA/cm² → 0.15〜0.2ポイントは、Hooijerら[参考資料10]の見積もり(1.5〜2.0 Vで換算)です。
図3 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。①②の電流値(20.5/19.5/20.0 mA/cm²)と動作電圧1.7 Vは本稿が置いた仮定の値であり、実在のセルの測定値ではありません。下段の「0.1 mA/cm² → 0.15〜0.2ポイント」は Hooijer ら[参考資料10]の見積もりです。実際のセルでは電流の差が曲線因子にも影響するため、この単純計算どおりにはなりません。
本稿の計算:0.5 mA/cm² をそろえる価値
  • 前提:上下のセルの電流の合計を 40.0 mA/cm² に固定し、①トップ 20.5/ボトム 19.5、②両方 20.0 とする(仮定)
  • 前提:最大出力点での動作電圧を 1.7 V とする(仮定。表のタンデムの開放電圧は約2.0 V)
  • 直列電流の差:20.0 − 19.5 = 0.5 mA/cm²
  • 出力の差:0.5 × 1.7 = 0.85 mW/cm²、つまり効率で約0.85ポイント本稿の計算
  • 検算:Hooijer らの見積もり(0.1 mA/cm² → 0.15〜0.2ポイント)は、0.1 × 1.5 = 0.15、0.1 × 2.0 = 0.2 で再現できます本稿の計算

前提と限界:実際の2端子セルでは、電流の多いほうのセルは最大出力点から外れて動くため、損失は曲線因子の変化も含めて決まります。ここでは電流1 mA/cm² の差が効率で1ポイント前後に効くという桁感をつかむことだけが目的です。

電流をそろえる手段は、トップセルの膜厚とバンドギャップ、そして各層での光の吸収・反射の管理です。 Hooijer らは、再結合層の保護膜(SnO2 など)を厚くすると寄生吸収が増えて電流整合を乱すと指摘しています事実。 電流1 mA/cm² の争いが、数 nm の膜厚の選択で決まるということです(本記事による解説)。

6. 素材技術者の視点①:再結合層は「薄い電極」ではなく「継ぎ目」

素材技術者の読みどころ:求められているのは導電性だけではありません

Hooijer らは、理想的な再結合接合に求められる条件を次のように並べています事実。

  • 電子輸送層・正孔輸送層・導電性の中間層(透明導電膜など)のエネルギー準位の整合
  • 電子と正孔を速やかに再結合させ、抵抗と電圧損失を小さくすること
  • 下のセルへ光を通す高い透明性
  • 化学的・熱的な安定性と、後から行う溶液プロセスに耐える化学的・機械的な頑丈さ

最後の項目が、素材技術者にとってもっとも見慣れた論点です。 同じ論文は、C60/SnO2 の界面の破壊エネルギーが 1.2 J/m² しかないと測定された例を挙げ、 熱サイクルや屋外で想定される応力に対する弱点だとしています事実。 一方で、界面を狙って設計すれば 160 J/m² まで高められた例もあるとしています事実。

電気の目標値も示されています。再結合接合1つあたりの接触抵抗率は 1 Ω·cm² を超えないことが実用上の目安で、 III-V族の多接合太陽電池のトンネル接合は 10⁻⁴ Ω·cm² を達成している、ペロブスカイトの再結合接合はそれより桁違いに高い——と事実。

つまり再結合層は、電極であり、光学窓であり、溶媒のバリアであり、機械的な継ぎ目でもあります。 密着性・破壊靭性・溶媒バリア性・スパッタ耐性という、塗料・接着・薄膜の技術者が日常的に扱う物性が、 ここでは効率と寿命を直接決めています(本記事による解説)。 本シリーズ「透明導電膜」「自己組織化単分子膜」編で、それぞれの層を詳しく扱います。

7. テクスチャ上の成膜 ― 研磨面から産業標準のピラミッドへ

量産のシリコン太陽電池は、表面にマイクロメートル級のピラミッド状の凹凸(テクスチャ)を作って反射を減らし、光を閉じ込めます。 ところが、溶液を塗って作るペロブスカイトの膜は、平らな面のほうが作りやすいのです。

報告シリコン表面公表内容
Sahli ら(Nature Materials, 2018)両面テクスチャ(完全テクスチャ)それまでの2端子タンデムは、ペロブスカイトの製膜に合わせてシリコンの表側を研磨しており、これがコスト上昇・反射損失・光閉じ込めの不足を招いていたと指摘。マイクロメートル級のピラミッドの上にコンフォーマル(形に沿って均一)に成膜する工程を開発し、認証定常効率 25.2%、電流密度 19.5 mA/cm²
Chin ら(Science, 2023)マイクロメートル級のピラミッド(産業標準)ペロブスカイト層をピラミッドに沿ってコンフォーマルに塗布。添加剤で結晶化を制御し、C60 との界面の再結合損失を低減。面積 1.17 cm²、認証効率 31.25%
Liu ら/LONGi(Nature, 2024)表側は穏やかなテクスチャ、裏側は強いテクスチャ光電流を高めつつ裏面のパッシベーションを損なわない「二重テクスチャ」。LiF の超薄層と有機分子の二層パッシベーションで、認証の安定化効率 33.89%、曲線因子 83.0%、開放電圧 約1.97 V

すべて事実(Sahli ら[参考資料5]、Chin ら[参考資料7]、Liu ら[参考資料9])。3件は面積・測定機関・時期が異なるため、効率の数字をそのまま並べて比べることはできません。

暗い背景の中で、濃紺の平らな板の表面に細かく均一なつやのある凹凸が斜めの光で浮かび上がっている概念イメージ
図4 概念図(AI生成イメージ)。「凹凸のある表面の上に薄膜を均一に載せる」という課題を雰囲気として表現したものです。実際のテクスチャ形状・寸法、顕微鏡像、製品を示すものではありません。

Elsmani らのレビューは、テクスチャ上に溶液でペロブスカイトを成膜すると曲線因子が下がる例や、 蒸着によるコンフォーマル成膜は小規模には適していても大規模生産には向かないという論点を整理しています事実。 テクスチャの高さを抑える(穏やかなテクスチャ)か、成膜の側をテクスチャに合わせるか—— 下地の形状と成膜法を同時に選ぶことが、2端子タンデムの設計の核になっています(本記事による解説)。 塗布製膜の方法そのものは、本シリーズ「塗布製膜」編で扱います。

8. 素材技術者の視点②:200℃の天井と、積み重ねる順番

素材技術者の読みどころ:下の層が、上の層のプロセス条件を縛ります

2端子タンデムは完成したシリコンセルの上にペロブスカイトを積み上げます。 このため、上に積む層の工程はすべて、下にあるシリコンセルが耐えられる条件の中に収めなければなりません。

Elsmani らは、ヘテロ接合型のシリコンに使われる水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)の層は、200℃未満の温度にしか耐えないように設計されていると説明しています事実。 さらに、200℃の電極形成(メタライゼーション)はシリコン側ではなく、ペロブスカイト側が耐えられないとも指摘しています事実。

つまりこの積層体には、下からも上からも「200℃の天井」がかかっています。 焼成して緻密化する、高温でアニールして結晶性を上げる—— 材料開発で当たり前に使う手段が、最初から使えないのです(本記事による解説)。

もうひとつの制約は順番です。Hooijer らは、上側の透明導電膜をスパッタで成膜する際の下地損傷を防ぐため、 SnO2 がバッファ層として使われていると述べています事実。 後の工程が前の層を傷つけるので、「保護するためだけの層」が1枚増える。 その層は光を吸い(第5章)、界面を1つ増やします(第6章)。 低温で緻密、薄くて透明、しかも密着する保護膜——ここに素材側の入り込む余地があります(本記事による解説)。

9. 本稿の計算:小さなセルと大きなモジュールの差

面積が大きくなると効率はどれだけ下がるか(効率表 Version 68 の値) 棒は効率(%)。右端の差は、約1 cm² セルの35.2%との差を本稿が計算したもの セル 約1 cm²(ESTI) セル 261 cm²(FhG-ISE) セル 274 cm²(FhG-ISE) モジュール 1,650 cm² モジュール 16,766 cm² 35.2% 34.3% 32.2% 31.4% 29.4% −0.9 −3.0 −3.8 −5.8 ※ 効率・面積・測定機関は効率表 Version 68[参考資料1]によります。いずれもLONGi製で、初期効率・初期性能です。 ※ 棒の長さは 1% = 10 px の比例尺(原点0%)。差(ポイント)は本記事が算出した値です。 ※ 面積の定義(指定照射面積・開口面積・全面積)が行ごとに異なるため、差のすべてが面積効果ではありません。 ※ 35.5%(2026年7月の企業発表)は効率表に未掲載のため、この図には含めていません。
図5 本稿の計算を含む作図(ベクター作図)。効率・面積・測定機関は効率表 Version 68[参考資料1]の値です。右端の差(−0.9〜−5.8ポイント)は本記事が算出したもので、公表値ではありません。面積の定義が行ごとに異なり、作製時期も違うため、差をすべて面積の効果とみなすことはできません。
本稿の計算:面積は約1.7万倍、効率の差は5.8ポイント
  • 面積比:16,766 cm² ÷ 0.9994 cm² = 約16,800倍(約1.7万倍)本稿の計算
  • 効率の差:35.2 − 29.4 = 5.8ポイント。相対値では 29.4 ÷ 35.2 = 約0.84本稿の計算
  • セル同士:約1 cm² → 261 cm²(面積約260倍)で、差は 0.9ポイント本稿の計算

前提と限界:モジュールの効率にはセル間の配線・スクライブ(区画分け)・外周の非発電部などの損失が含まれ、 セルとは損失の中身が異なります。また、これらはすべて初期効率であり、 屋外で長期間使った後の性能を示すものではありません。長期の耐久性は本シリーズ「屋外試験と耐久性評価」編で扱います。

効率表の著者らは、大面積のタンデムセルの結果が「小面積と実用サイズの性能差が縮まっている」ことを示すと書いています事実。 セルの段階では、261 cm² まで大きくしても差は1ポイント以内に収まっています本稿の計算。 差が大きく開くのはモジュール化の段階です。

10. 強みと課題

シリコンペロブスカイトタンデムの強みと課題(本記事による整理) 強み 課題 単接合シリコンの最高効率を上回る 約1.7 m²のモジュールでも29.4%を認証 既存のシリコン生産の上に積み増せる 産業標準のテクスチャ上で31%超の報告 TOPCon型の下地でも30%超を認証 大面積セルとの差は1ポイント以内 記録値はいずれも初期効率 上下の電流をそろえる設計が必要 再結合層の接触抵抗と機械的な弱さ 約200℃を超えられない工程温度 スパッタ損傷と保護層の寄生吸収 モジュール化で差が5.8ポイントに開く ※ 各項目は効率表[参考資料1]、各論文[参考資料5〜11]、および本稿の計算(第5章・第9章)によります。 ※ 2つに整理したのは本記事によるもので、業界で定まった評価ではありません。
図6 概念図(ベクター作図)。各項目は効率表 Version 68[参考資料1]、各論文[参考資料5〜11]の記載と、本記事の計算(第5章・第9章)によります。強みと課題の2つに整理したのは本記事によるもので、業界で定まった評価ではありません。

(1) 長期の耐久性はこの記事の数字からは分からない

効率表のペロブスカイト関連の値には「初期効率」の注が付いています事実。 2020年の Al-Ashouri らは、封止しないタンデムが大気中で300時間の動作後に初期効率の95%を保ったと報告していますが事実、 これは実用寿命(数十年)の評価とは別物です。 屋外で何年もつかは、本稿の調査範囲の一次情報では確認できませんでした。

(2) 実用上の上限はまだ見通しの段階

Hooijer らは、1 cm² 級で35%近い効率が報告されている一方、実用上の上限は38〜39%超と見込まれていると紹介しています未確定/将来。 LONGi は自社発表で、シリコンペロブスカイトタンデムの理論効率の上限を43%としています未確定/将来。 いずれも計算上の見通しであり、実証された値ではありません。

(3) 2端子か4端子か、決着はついていない

研究の重心は2端子にありますが、最終的にどちらが主流になるかは明確な合意がないとされています未確定/将来。

(4) 量産の時期や規模は本稿では扱わない

量産計画・生産能力・価格については、企業ごとの発表の性格が大きく異なるため、本記事では扱っていません。 本稿の調査時点(2026年9月)で、シリコンペロブスカイトタンデムの本格量産を第三者の一次情報で確認することはできませんでした。

この記事のまとめ
  • 効率表 Version 68 では、約1 cm² のセルで35.2%、約1.7 m² のモジュールで29.4%(いずれも初期効率、第三者測定)事実
  • 2端子は直列接続なので、上下の電流をそろえる必要があります。タンデムの電流は単接合シリコンの半分弱、電圧は約2.7倍です本稿の計算
  • 再結合層は「n型Si/透明導電膜/SAMなど」が一般的で、接触抵抗・透明性・溶媒耐性・機械的な強さが同時に求められます事実
  • 研磨面から、産業標準のピラミッドテクスチャ上への成膜へと技術が進みました事実
  • 下地のシリコンもペロブスカイトも約200℃を超えられません。低温で緻密な保護膜・透明電極が素材側の論点です(解説)
  • セルとモジュールの差は5.8ポイント。差が開くのはモジュール化の段階です本稿の計算

11. 用語集

タンデム(多接合)太陽電池
吸収する波長の異なる太陽電池を重ね、太陽光を分担して発電する構造。
2端子(モノリシック)
1枚の基板上に上下のセルを直接積み、直列に接続する方式。端子は2つ。
4端子(機械的積層)
別々に作ったセルを重ね、それぞれから電気を取り出す方式。端子は4つ。
トップセル/ボトムセル
光が先に当たる上側のセルと、残りの光を受ける下側のセル。
再結合層(再結合接合)
上下のセルの間で電子と正孔を出会わせて打ち消し、直列につなぐ層。
トンネル接合
高濃度にドープした薄いpn接合で、電荷がトンネル効果で通り抜ける。再結合層の一種。
電流整合
直列接続の上下セルの電流をそろえること。弱いほうが全体の電流を決める。
テクスチャ
シリコン表面に作るマイクロメートル級のピラミッド状の凹凸。反射を減らす。
コンフォーマル成膜
下地の凹凸に沿って、膜厚をそろえて覆うように成膜すること。
SHJ(ヘテロ接合)
結晶シリコンの表面をアモルファスシリコン薄膜で覆うセル構造。低温工程で作る。
TOPCon
極薄の酸化膜と多結晶シリコン層で表面を不活性化するシリコンセル構造。
SAM(自己組織化単分子膜)
分子1層分の厚みで下地に結合する膜。正孔を取り出す層として使われる。
初期効率
作製直後の効率。光や熱による時間変化を経た後の値ではない。
指定照射面積(da)/開口面積(ap)/全面積(t)
効率表で使う面積の定義。マスクで何を覆うかが違う。

12. 参考資料(一次情報)

  1. Green, M.A. ほか「Solar cell efficiency tables: Version 68」Joule 10, 102494(2026年) https://doi.org/10.1016/j.joule.2026.102494
  2. LONGi「35.5%! LONGi Once Again Breaks World Record for Crystalline Silicon-Perovskite Tandem Solar Cell Efficiency」2026年7月15日 https://www.longi.com/en/news/crystalline-silicon-perovskite-tandem-solar-cell-new-world-efficiency-2026/
  3. LONGi「34.85%! LONGi Breaks World Record for Crystalline Silicon-Perovskite Tandem Solar Cell Efficiency Again」2025年4月16日 https://www.longi.com/en/news/silicon-perovskite-tandem-solar-cells-new-world-efficiency/
  4. Mailoa, J.P. ほか「A 2-terminal perovskite/silicon multijunction solar cell enabled by a silicon tunnel junction」Applied Physics Letters 106, 121105(2015年) https://doi.org/10.1063/1.4914179
  5. Sahli, F. ほか「Fully textured monolithic perovskite/silicon tandem solar cells with 25.2% power conversion efficiency」Nature Materials 17, 820–826(2018年) https://doi.org/10.1038/s41563-018-0115-4
  6. Al-Ashouri, A. ほか「Monolithic perovskite/silicon tandem solar cell with >29% efficiency by enhanced hole extraction」Science 370, 1300–1309(2020年) https://doi.org/10.1126/science.abd4016
  7. Chin, X.Y. ほか「Interface passivation for 31.25%-efficient perovskite/silicon tandem solar cells」Science 381, 59–63(2023年) https://doi.org/10.1126/science.adg0091
  8. Mariotti, S. ほか「Interface engineering for high-performance, triple-halide perovskite–silicon tandem solar cells」Science 381, 63–69(2023年) https://doi.org/10.1126/science.adf5872
  9. Liu, J. ほか(LONGi)「Perovskite/silicon tandem solar cells with bilayer interface passivation」Nature 635, 596–603(2024年) https://doi.org/10.1038/s41586-024-07997-7
  10. Hooijer, R. ほか「Why more junctions do not yet deliver: interconnection challenges in perovskite multijunction solar cells」Energy & Environmental Science 19, 4582–4596(2026年、オープンアクセス) https://doi.org/10.1039/d6ee01631f
  11. Elsmani, M.I. ほか「Recent Issues and Configuration Factors in Perovskite-Silicon Tandem Solar Cells towards Large Scaling Production」Nanomaterials 11, 3186(2021年、オープンアクセス) https://doi.org/10.3390/nano11123186
  12. Luo, Y. ほか「Inductive effects in molecular contacts enable wide-bandgap perovskite cells for efficient perovskite/TOPCon tandems」Nature Communications 16, 4516(2025年、オープンアクセス) https://doi.org/10.1038/s41467-025-59896-8

13. 主張と出典の対応表(監査)

本文の主張根拠区分
効率表 Version 68 のシリコンペロブスカイトタンデムの値:35.2 ± 1.1%(0.9994 cm²・指定照射面積・ESTI・2026年2月・LONGi・2端子、Voc 1.998 V)、34.3 ± 1.5%(261.0 cm²・開口面積・FhG-ISE・2025年11月、Voc 2.013 V・Jsc 20.04 mA/cm²・FF 85.0%)、32.2 ± 1.4%(274.0 cm²・全面積・FhG-ISE・2025年7月、Voc 2.004 V・Jsc 19.89 mA/cm²・FF 80.9%)。モジュール 31.4 ± 0.9%(1,650.4 cm²)と 29.4 ± 0.9%(16,766 cm²、本文では約1.7 m²)、いずれも LONGi・FhG-ISE・2025年11月。これらに「初期効率/初期性能」の注があること。単接合シリコン 27.8%(175.37 cm²・Voc 0.7469 V・Jsc 42.76 mA/cm²)と 28.1%(139.70 cm²)。新規4件がすべてペロブスカイトをトップセルとする2端子・2セル積層であること。Trina Solar の 221 cm² で 32.15%(ISFH)。「小面積と実用サイズの性能差が縮まっている」との記述。政府の研究プログラムの効率目標が一般に1 cm² 以上で定められること。面積の3区分の定義効率表 Version 68(Joule, 2026)出典1 https://doi.org/10.1016/j.joule.2026.102494事実
LONGi が2026年7月14日の会議で、シリコンペロブスカイトタンデムセルの効率35.5%(ESTI 認証)を発表したこと。33.9%(2023年11月)・34.6%(2024年6月)・34.85%・35.2% の経過。発表文にセル面積の記載がないこと。理論効率の上限を43%としていることLONGi ニュースリリース(2026年7月15日)出典2 https://www.longi.com/en/news/crystalline-silicon-perovskite-tandem-solar-cell-new-world-efficiency-2026/事実
34.85% が2端子セルで、米国 NREL の認証を受けたこと(2025年4月)LONGi ニュースリリース(2025年4月16日)出典3 https://www.longi.com/en/news/silicon-perovskite-tandem-solar-cells-new-world-efficiency/事実
シリコンのトンネル接合で2端子モノリシックタンデムを作製し、1 cm² で Voc 最大1.65 V、安定効率13.7%、ペロブスカイト側が電流を制限していたことMailoa ら(Applied Physics Letters, 2015)出典4 https://doi.org/10.1063/1.4914179事実
従来の2端子タンデムがシリコンの表側を研磨しており、コスト・反射損失・光閉じ込めの面で不利だったこと。マイクロメートル級のピラミッド上へのコンフォーマル成膜。ナノ結晶シリコンの再結合接合。認証定常効率25.2%、電流密度19.5 mA/cm²Sahli ら(Nature Materials, 2018)出典5 https://doi.org/10.1038/s41563-018-0115-4事実
認証効率29.15%、ペロブスカイトのバンドギャップ1.68 eV、メチル置換カルバゾールの自己組織化単分子膜を正孔選択層に使ったこと、Voc 最大1.92 V、封止なし・大気中で300時間動作後に初期効率の95%を保持Al-Ashouri ら(Science, 2020)出典6 https://doi.org/10.1126/science.abd4016事実
産業標準のマイクロメートル級ピラミッド上へのコンフォーマル塗布、添加剤による結晶化制御、C60 との界面の再結合損失低減、面積1.17 cm² で認証効率31.25%Chin ら(Science, 2023)出典7 https://doi.org/10.1126/science.adg0091事実
1.68 eV のトリプルハライド組成と界面修飾で、タンデムの Voc 2.00 V、認証効率最大32.5%Mariotti ら(Science, 2023)出典8 https://doi.org/10.1126/science.adf5872事実
Cz法ウェハの SHJ セルで表側を穏やか、裏側を強いテクスチャにした二重テクスチャ構造。LiF の超薄層と有機分子による二層パッシベーション。認証の安定化効率33.89%、FF 83.0%、Voc 約1.97 VLiu ら(Nature, 2024)出典9 https://doi.org/10.1038/s41586-024-07997-7事実
多接合で熱損失が減りスペクトルを広く使えること。モノリシックと機械的積層のどちらが主流になるか明確な合意がないこと。1 cm² 級で35%近く、実用上の上限は38〜39%超との見通し。再結合接合を決定的なボトルネックとして扱うべきとの主張。ペロブスカイト/シリコンの再結合接合が n型Si/TCO/正孔輸送層(SAM・NiOx など)で構成されること。理想的な再結合接合の条件。SnO2 がスパッタ損傷を防ぐバッファ層として使われること。厚い保護層が寄生吸収で電流整合を乱すこと。0.1 mA/cm² の電流損失が 1.5〜2.0 V で0.15〜0.2ポイントに相当するとの見積もり。接触抵抗率 1 Ω·cm² 以下の目安と III-V の 10⁻⁴ Ω·cm²。C60/SnO2 界面の破壊エネルギー 1.2 J/m² と、界面設計で 160 J/m²Hooijer ら(Energy & Environmental Science, 2026)出典10 https://doi.org/10.1039/d6ee01631f事実
2端子が既存の生産ラインに組み込みやすい一方で電流整合の制約があること。4端子は再結合層の条件が緩むが、窓層・界面層による光学損失と配線などの周辺コストがかかること。a-Si:H 層が200℃未満の温度にしか耐えないよう設計されていること。200℃の電極形成にはペロブスカイト側が耐えられないこと。テクスチャ上への溶液成膜で曲線因子が下がる例、蒸着によるコンフォーマル成膜が大規模生産に向かないことElsmani ら(Nanomaterials, 2021)出典11 https://doi.org/10.3390/nano11123186事実
TOPCon 型ボトムセルを使ったタンデムで、面積1 cm²、効率31.1%(認証値30.9%)Luo ら(Nature Communications, 2025)出典12 https://doi.org/10.1038/s41467-025-59896-8事実
実用上の上限38〜39%超、理論上限43%、2端子と4端子の最終的な優劣いずれも見通し・計算上の値であり、実証された値ではない出典10 https://doi.org/10.1039/d6ee01631f未確定/将来
261 cm² と 274 cm² のセルの効率を Voc × Jsc × FF で検算したこと。タンデムと単接合シリコンの電流比約0.47・電圧比約2.7倍。図3の電流整合の例(20.5/19.5/20.0 mA/cm²、動作電圧1.7 V、約0.85ポイント)。0.1 mA/cm² → 0.15〜0.2ポイントの検算。面積比約16,800倍、効率差5.8ポイント・0.9ポイント・相対値約0.84。図5の差(−0.9〜−5.8ポイント)本稿の計算。図3の電流値・動作電圧は本稿が置いた仮定で、実在のセルの測定値ではない。タンデムと単接合シリコンは作製者・面積・測定時期が異なる。面積の定義が行ごとに異なるため、差のすべてが面積効果ではない本稿の計算
35.5%のセル面積と、効率表への掲載LONGi の発表文に面積の記載がなく、本稿の調査時点で効率表への掲載を確認できなかったため、面積は記載していない(解説)解説
屋外での長期耐久性、量産の時期・規模本稿の調査範囲の一次情報では確認できなかったため記載していない(解説)未確定/将来
再結合層を「電極・光学窓・溶媒バリア・機械的な継ぎ目」とみなす整理。「200℃の天井」が下からも上からもかかるという読み取り。下地形状と成膜法を同時に選ぶことが設計の核だという整理。電流1 mA/cm² の差が効率で1ポイント前後に効くという桁感。強みと課題の2分類。図2で層を3つのまとまりに分けたこと公表内容にもとづく本記事の整理・解説。各機関・各社が表明した見解ではない解説
図1・図2・図3・図5・図6が説明のための作図であること。ヒーロー画像と図4がAI生成イメージであること本記事による注記(解説)解説

最終更新:2026年9月25日/出典は一次情報(効率表、査読論文、企業の公式発表)に限定しています。 効率の値には、認証の有無・セル/モジュールの別・面積・測定機関を併記しました。 35.5%のセル面積、屋外での長期耐久性、量産の時期・規模については、公開された一次情報で確認できなかったため記載していません。 図はすべて説明用です。図1・図2・図3・図5・図6はベクター作図、ヒーロー画像と図4はAI生成イメージであり、いずれも実際の断面写真・顕微鏡像・製品の実物を示すものではありません。