全固体電池の量産化に向けた国家計画
2026年9月28日、工業情報化部(MIIT)と国家発展改革委員会を含む7つの政府部門が「新型電池産業発展に関する第15次5カ年計画(MIIT Joint Regulation No. 220 [2026])」を共同で発表した。これは中国の電池セクターにおける初の国家レベルの特別計画であり、2030年までに全固体電池の初期的な大規模適用を達成することを目標としている。また、長寿命リチウム電池のサイクル寿命を15,000回に到達させ、主要企業の製品不良率をPPBレベルまで下げるという具体的な数値目標が盛り込まれた。
現状の技術段階とハイブリッド製品の普及
現在、市場の主力は依然として液体電解質を用いた電池であり、全固体電池は量産化の閾値を越えていない。その隙間を埋める移行製品として「半固体(ハイブリッド固体-液体)電池」の量産と市場投入が進んでいる。具体例として、MG4の新世代モデルには第2世代の半固体電池が搭載され、10万元クラスの車両市場に導入された。また、NIOが2024年6月に運用を開始した150kWhバッテリーパック(Welan New Energy製、エネルギー密度360Wh/kg)もこのカテゴリーに属する。SAIC MotorはSAIC Qingtaoが開発したLightyear半固体電池を搭載したIM L6 Lightyear版の投入を計画していたが、後に中止となっている。
全固体化への3つの技術的障壁
完全な全固体製品の実現には、依然として高いハードルが存在する。特に界面インピーダンスが全インピーダンスの60〜80%を占めることが大きな課題となっている。量産化に向けた主要な障壁は以下の3点に集約される。
- 界面の問題:正極側の高電圧による電解質の酸化分解や、負極側のリチウム金属による還元反応により、高抵抗層が継続的に生成される。
- リチウムデンドライト:硫化物系電解質は比較的柔らかいため、粒界や微細孔に沿ってリチウムが析出する。接触維持には50〜150MPaの外圧が必要だが、圧力が過剰であればデンドライトの貫通を招き、不足すれば接触不全となる。
- コストと製造:硫化物は水や酸素に触れると猛毒の硫化水素を発生させるため、製造ラインの露点温度を-40℃または-70℃以下に保つ必要がある。設備投資額は液体ラインの2〜3倍に達し、初期量産時のコストは2〜3元/Wh以上になると予想される(リチウム鉄リン酸電池が0.5元/Wh未満まで低下しているのと対照的である)。
業界の動向と今後の展望
グローバルな量産スケジュールを見ると、トヨタは全固体電池搭載車の量産時期を2028年に延期し、日産は2028年度に設定している。一方で、材料コストの面では進展があり、硫化物固体電解質の市場価格は、本年年初の1トンあたり2,000万元から100万元未満まで低下した。現在は60Ahクラスの全固体セルが生産ラインから出始めており、パイロットラインの稼働が集中している。界面インピーダンスという最大のボトルネックを克服し、量産化を実現できるかが、次世代のエネルギー貯蔵市場における競争力を決定づけることになる。
元記事: https://eu.36kr.com/en/p/4019304011976585
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