ペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池|格子コンプライアンスによる安定性向上の仕組み

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概要
ペロブスカイト結晶格子の「柔らかさ」を示す格子コンプライアンス(lattice compliance)が、タンデム太陽電池の光熱安定性を決定づける指標であることが明らかになりました。この設計指針に基づいた両面受光型デバイスは、65 degrees Celsiusでの1,000時間以上の動作後も初期効率の90%を維持しました。試行錯誤的な組成探索ではなく、物理的に測定可能な基準で安定な吸収層を設計できる道が開かれました。
詳細

主要成果

ペロブスカイト/シリコンのタンデム太陽電池において、結晶格子が応力に弾性的に適応する能力である「格子コンプライアンス(lattice compliance)」が高いほど、光と熱への耐性が向上することが Nature Energy 誌で発表されました。この設計指針を用いて作製された両面受光型(bifacial)のモノリシック・タンデムデバイスは、地表アルベド0.20相当の照射条件下で、36.2 milliwatts per square centimetreの発電密度を達成しました。さらに、ISOS-L-2加速試験(1サン照射、65 degrees Celsius)において、1,000時間以上の動作後も初期効率の90%を保持するという高い安定性を示しました。

技術・詳細

研究チームは、バンドギャップが約1.55 electronvoltのペロブスカイト吸収層を採用しました。この組成を選択することで、光誘起のハロゲン化物分離(halide segregation)の原因となる臭化物(bromide)への依存度を下げ、安定性の課題を吸収層固有の光熱耐性に集約させています。

分析の結果、格子コンプライアンスが高い組成ほど、熱によって誘発されるマイクロストレイン(微細歪み)の蓄積が抑制されることが分かりました。これにより、深い準位の欠陥が浅い状態へと移行し、バンド端のエネルギー論における無秩序さが低減されるため、結果として光熱安定性が向上します。この指標は物理的にテスト可能であるため、研究者は従来の試行錯誤的な安定性試験に頼ることなく、測定可能な基準に基づいて組成をスクリーニングすることが可能です。

背景・業界の文脈

両面受光型のペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池は、従来の一面パネルよりも単位面積あたりの発電量を高められる可能性を秘めています。しかし、実際の動作環境下でペロブスカイト層の安定性を維持することが最大の障壁となっていました。本研究は、格子の機械的応答という材料特性を、欠陥エネルギーやマイクロストレインの進化といった物理的現象に結びつけた点に意義があります。

今後の展望

Fuzong Xu、Jiang Liu、Xuechun Zhang、およびStefaan De Wolfらのチームによるこの研究は、安定なペロブスカイト吸収層を設計するための物理的なフレームワークを確立したとしています。ただし、報告された効率や安定性の数値は制御された試験条件下での結果であり、この格子コンプライアンスの設計指針を商業的な両面受光型タンデムモジュールの製造に適用するには、今後スケールアップした環境でのさらなる検証が必要であるとされています。

元記事: https://bioengineer.org/softer-perovskite-lattices-yield-stable-bifacial-tandem-solar-cells/

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