主要成果
中国の東南大学(Southeast University)と蘇州大学(Soochow University)の研究チームが、変換効率26.9%に達するフレキシブル太陽電池を開発した。特筆すべきは、大面積化しても高い性能を維持できる点にある。具体的には、基板面積が900平方センチメートルの最大サイズにおいても、有効発電面積(750平方センチメートル)における変換効率20.15%を達成した。これは、フレキシブル太陽電池において面積を拡大すると大幅に性能が低下するという従来の課題を克服した重要な成果である。
技術的詳細
本研究では、特殊な結晶材料を用いて光を電気に変換するペロブスカイト太陽電池を採用している。研究チームは、柔軟な支持体(キャリア)へのコーティングを均一化し、耐久性を向上させる新しい製造プロセスを開発した。具体的には、以下の手法を導入している。
- 添加剤分子の導入: 特別に開発された追加分子を用いることで、輸送層と光吸収層であるペロブスカイトの化学的な相互作用を制御し、輸送層の密着性とペロブスカイト結晶の成長を最適化した。
- プロセスの分離: 従来は同時に塗布していた輸送層とペロブスカイト層の工程を分離し、材料同士の干渉を防ぐことで、大面積でも欠陥の少ない均一な膜形成を可能にした。
また、過酷な環境下での耐久性試験も実施されており、マイナス40度からプラス85度の温度サイクル試験や、温度85度・相対湿度65%の環境下で1,044時間の連続動作試験を行った。その結果、初期効率の約92%を維持し、国際規格「IEC TS 63163」の試験シーケンスをすべてクリアしたことが報告されている。
背景と業界の文脈
従来のシリコン製太陽電池とは異なり、ペロブスカイト太陽電池は薄いプラスチックフィルム上に製造できるため、軽量かつ柔軟である。この特性から、曲面への設置や宇宙空間での利用が期待されてきた。しかし、柔軟な基板は剛性材料と比べて化学的な結合部位の分布が不均一になりやすく、層の密着不良や結晶の不規則な成長を招き、結果として発電効率の低下と耐久性の悪化が大きな障壁となっていた。
今後の展望
今回の成果は、自動車のルーフやバックパックといった可動・曲面部位への実装に向けた技術的基盤となる。今後は、量産化に向けた「ロール・ツー・ロール(Roll-to-Roll)」方式の製造プロセスの確立を目指す。また、複数の光吸収層を組み合わせることでさらに効率を高める「タンデム太陽電池」への適用可能性についても研究を進めるとしている。なお、屋外での長期運用実績については今後の検証課題となっている。
元記事: https://de.nachrichten.yahoo.com/flexible-solarzellen-26-9-prozent-131458373.html
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