ヘレウス、EVインバーター向け高出力SiCモジュール用「圧力不要型銀焼結ペースト」2種を投入

ヘレウス・エレクトロニクス(Heraeus Electronics News) ドイツ
概要
ヘレウスは、電気自動車(EV)インバーター向け高出力炭化ケイ素(SiC)モジュールにおける堅牢なダイアタッチ用途に設計された新規銀焼結ペースト2種を発表した。これらの新配合は、圧力不要型焼結性能と高熱伝導率を向上させ、厳しい自動車環境下でのデバイス寿命延長とパワーサイクル信頼性強化に貢献する。
詳細

主要成果

ヘレウスは、電気自動車(EV)インバーター向けの高出力SiC(炭化ケイ素)パワーモジュールに特化した2種類の新規銀焼結ペーストを発表しました。これらの革新的な材料は、圧力不要での焼結を可能にし、従来の接合技術に比べて大幅に高い熱伝導率を実現することで、デバイスの寿命延長と過酷な環境下でのパワーサイクル信頼性を飛躍的に向上させます。

技術・臨床詳細

  • 圧力不要型焼結: 従来の焼結プロセスでは、高い圧力を印加する必要があり、設備投資や製造プロセスの複雑化が課題でした。新開発のペーストは、圧力をかけずに優れた焼結性能を発揮するため、製造プロセスの簡素化とコスト削減に貢献します。これにより、SiCパワーモジュールの量産性が向上します。
  • 高熱伝導率: SiCパワーデバイスは、高効率ながらも動作時に発熱量が大きくなる傾向があります。この銀焼結ペーストは、優れた熱伝導率(詳細な数値は未公表ながら、従来比で大幅改善)を有し、チップからヒートシンクへの効率的な熱伝達を可能にします。これにより、デバイスの温度上昇を抑制し、性能の安定化と信頼性の向上に直結します。
  • パワーサイクル信頼性の向上: EVインバーターは、急激な温度変化や電流変動に繰り返し曝されるため、ダイアタッチ材料には高いパワーサイクル信頼性が求められます。ヘレウスの新ペーストは、応力緩和特性と優れた接着強度により、これらの過酷な条件に対する耐性を大幅に強化し、デバイスの長寿命化を実現します。

背景・業界文脈

電気自動車市場の拡大に伴い、SiCパワーモジュールは、高効率、高周波動作、高温耐性といった特性から、EVインバーターや充電インフラのキーデバイスとして注目されています。しかし、SiCデバイスの高性能を最大限に引き出すためには、それを支える接合材料の進化が不可欠でした。ヘレウスの新製品は、この要求に応えるものであり、自動車産業における電動化の加速に貢献します。特に、より高出力・高電圧化する次世代EVへの適用が期待されています。

今後の展望

ヘレウスは、これらの新規銀焼結ペーストを通じて、EV市場の成長をさらに支援し、SiCパワーモジュールの普及を促進することを目指しています。今後、さらに高性能な材料開発を進めるとともに、適用範囲を再生可能エネルギーシステムや産業用電源など、他の高出力電子デバイス分野にも拡大していく可能性があります。この技術は、持続可能な社会の実現に向けた電力変換効率の向上に貢献する重要な一歩となります。

元記事: https://www.heraeus-electronics.com/news/2026/sinter-paste-sic

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